るいざき
2024-06-05 18:45:47
17566文字
Public AC6_ラス6_銀環
 

片翼 解√ラス6♀

⚠️不穏
・長い
・自己解釈を多分に含みオリジナル登場人物がいる(名前決めるの後回し)

*
 天高く、水面青く。彼方の星空は赤く明滅する。
 永遠の世界、久遠の命、身体は容物に過ぎず、朽ちれば新たな器を求める。
 そうしてどれ程たっただろうか。
 無限の闘いを重ねて、累ねて、死骸の頂に立つ。死の匂いは油臭く、悦びも充足もない。飢えた犬は遠き忘れ形見すら取り落として彷徨い嘆く。
 波形の声すら既に見失った。孤独だ。

「ようやく、見つけた」
 それは突然訪れた。夕立のよう、不意に迫る不運のよう、あるいは死神の鎌。空ほどに青い光刃に切り裂かれ、わたしの歩みは止まる。
「かれに追いつける者はひとりだ。だが、かれが追いかけるのもひとりだ。」
 彼は囁く。死骸の頂で、最後の一振が胸を穿つ。
「では、誰があなたを導くのだろう」
 群青の鳥、その腹を貫く。黒い血は噴き出し滴りわたしの頬を濡らす。
「これで、漸く」
世界が終わる。
 砕けた翠眼の内、いくつもの瞳がわたしだけを見詰める。開かれる瞳孔を見詰める。貴方の瞳は何色だった?
 彼が終わる。わたしが終わる。さようなら友よ。さようなら、……もう声も名も顔も思い出せぬあなた。

 犬でいたかった。烏でも良かった。
 泣いても喚いてもわたしは人間だった。
*