『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』がアマプラに来てたので見た。子供の頃はビビリだったので鬼太郎のアニメは怖くてあんまり好きじゃなかった。でもあらためて思い出してみると記憶の中でぬ~べ~、花子さんとごっちゃになってるかもしれない…。ゲゲゲの女房は好き。夫婦のビジュアルが歴代朝ドラの中でもかなり強いと思う。最近だとカムカムの夫婦も良かった。
閉ざされた村、やたら権力と金のある地主、遺産相続をめぐる跡目争い、前時代的価値観、近親相姦、奴隷の飼い殺し…と因習村で見た事あるやつがいっぱい出てきて楽しかった。横溝とかサイレンとかトリックとか。
地域の文化はどんなに受け入れがたいものであっても慎重に扱われるべきと思ってるので、因習村ネタはとりあえず最初は薄目で見る、この作品については妖怪のせいなのねっていうファンタジーとして見れた。ていうか昨今で因習村やる上で記者や学者の取材・記録という体裁って便利だ。
キャラクターの中では乙米さまが一番印象深い。次に庚子さん。
沙代さんに言った言葉が全部ブーメランで乙米さまごと傷つけていて痛ましくて、そしてあんな地獄の環境でも投げやりにならず、しかし根っこの部分に強い諦念を透けて見せつつ、色々な表情を見せてくれた乙米さまが好きだ…。
長田って、乙米さまに対する忠誠だけはホンモノだったって解釈してる(その方がオタク好みの展開だから)。完全に妄想の二次創作なんだけど長田たちも日本軍に利用されていたけど戦後に邪魔になって中央から処分されそうになったのを龍賀が拾った、とか考えてる。日本軍を便利なフリー素材ワードとして使ってしまってごめん。
庚子さんってヨーカイのせいではなく人間のせいでおかしくなっちゃったと思ってる。願わくば誰かに一矢報いてから退場して欲しかった…。でも子供のために発奮するのと、子供が権力を得て親が励まされるのとだと順番が逆だから、鬼太郎親子との対比としてストーリー的にはあんな風になるしかなかったのか…。
沙代さんは自分が個人として尊重されていなかった事を憤っていたけど、彼女自身もたぶん水木を「東京から来た人」という属性のみで見てたっぽいのが因果っていうか、前述の乙米さまや後述の水木含めて、ヒトって自分が与えられたものしか他人に返せないよねというのが一貫しててやるせない。時貞が「しつけ」と発言して、乙米さまも同じ言葉を使ってたし…。
しかしその裏返しが、鬼太郎が託された強さと優しさや人間を助けてくれる事の理由だなって思うので…明暗…。
水木くん、ゲゲ郎と牢屋ごしに話すシーンとか、沙代さんをたぶらかすシーンとかで、ぺらぺらと上調子に喋ってんなと思ってたけど、回想で従軍中の経験が今の振る舞いに影響してるのが示されて納得感が補強されたのが良かった。
そういう水木も、沙代さんと出会った時は社長の娘とわかった上で親切にしていたけど、としちゃんに対しては、出会った時点ではとしちゃんの立場を知らなかったはずなので、子供を明るい未来の象徴としてなんの思惑もなく大事にしてそうなのが良かった(エンディングで赤ん坊の鬼太郎を見つけるシーン含めて)。時貞はもちろん、としちゃんを顧みなかった乙米様や長田たちとわかりやすく正反対だった。
水木とゲゲ郎の友情について、食事が印象深い。最初は牢屋のシーン、それから駄菓子屋でアイス食べたり(かわいい)、社長と水木のやり取りと対照的になってる月見酒のシーン。ゲゲ郎と奥さんのパーラーデート→ゲゲ郎と水木の月見酒→鬼太郎と目玉おやじがいっしょにちゃぶ台囲んでるよく見るシーン、と繋がるのかな~と思った。
鬼太郎のママが猫娘ちゃんと似ててほっこりした。
鼠小僧が鬼太郎アニメで馴染み深いままでほっとした。
最後、原作漫画エアプなんだけど(怖いから)、鬼太郎本編と繋がったって事だよね、どんな形であれ夫婦が再会できたという事と思ってる。
声優さんの演技について、ゲゲ郎が捕まったシーンで関さんの声が爺さんに聞こえてすごかった。あと沙代さんの断末魔も良かった。あと目玉のおやじって野沢雅子さんなんだ!?って驚いたし最近の鬼太郎が沢城みゆきさんで驚いた。私の知ってる鬼太郎は高山みなみさんだった。歴代声優がゴージャスすぎる…。
見終わった後、とりあえず、乙米さまについて他のオタクの呻きを検索したんだけど公式なのかオタクの二次創作なのかわかんない!でも長田→乙米さまの感情は男女の仲というにはピュアピュアでうつくしくて盲目な感情だったらよりいっそうグロくて良いと思った。そして乙米さま→長田は全然特別な感情持ってなくて、それどころか外の世界から捨てられた存在として蔑んですらいたらいい、乙米さまの心は誰のものにもなって欲しくないから…。
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