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スサ
2024-05-24 00:33:40
7896文字
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【鬼水】せがれの好みのタイプの話のその後
https://privatter.me/page/664c2a63a57e2
の続きというか、あの流れだと尻をたたくだろうと思ったのでどうにかつなぎたかったのですが、ぬるいです。
口調のブレはまあまあわざとというか、ぶれてたらいいなというものです。
ぐずるようにしゃくりあげて、水木はかぼそい声で言った。確かに、鬼太郎の耳には聞こえた。
「
…
ぶってくれ」
え、と鬼太郎は思わず声を漏らしていたと思う。ただそれより、生唾を飲み込んだ音の方が響いてしまったことは否めない。
浴衣は着ているというより身にまとわりついているといった程度。帯は腰にそって巻き付いているような、すぐにもほどけてしまいそうな
…
。もう自分で体を起こす力も入らないのだろう、ようよう起き上がったような体、その腕は微かに震えているようだった。掛布をはねのけ、敷布の上に膝と手をついた四つん這いの格好だが、今にもぺたんと潰れてしまいそうな。
少し、時間を遡る。
わしは子泣きの酒に誘われてたんじゃった、といささかわざとらしい調子で父が出て行った後、鬼太郎は視線をさまよわせる水木の手を引き、寝間としている四畳半のふすまを開けた。水木はきちんと毎朝布団を上げていく。畳の上に布団は敷かれていないはずだったが、飲んだ後に敷くのは面倒だと考えたのか、都合の良いことに布団は既に敷いてあった。
「僕の帰りを待ってた?」
少し揶揄うように言って、鬼太郎は手を引く人の顔を見上げた。鬼太郎の方が前に立っていたため、暗い寝間の側から後ろを振り返るような格好になり、水木の顔が逆光になっていた。だがその程度で視界が利かなくなるようなことはない。
「
………
バカ」
水木は捕まえられているのとは逆の手で鬼太郎の頭を軽く突く。呆れた調子だったが、声の奥の甘やかさは隠せていなかった。酒精が彼の虚勢や見栄をどこかへ追いやってしまったものらしい。鬼太郎は笑った。笑って、つないだ手を軽く引きながら自分も体をひねり、器用にその甲に口づけた。
「許して」
「
………
、キザだなあ、こいつ」
「必死なんですよ、あなたに相手にしてほしくて」
水木は肩をすくめ、くすぐったそうに笑った。その後は無言で、背中を丸めるようにして鬼太郎に軽く覆い被さると、ちゅっと軽く口づけてくる。それはすぐに離れたけれども、得意げに笑った顔には鬼太郎と同じ感情が揺れていた。
もう一度軽く手を引けば、水木はちゃんと寝間に入ってくれる。鬼太郎は静かにふすまを閉めて、敷かれた布団の上まで大切なひとを連れて行く。掛布をめくって避け、敷布の上に座るよう誘導する。そういう風にする時、水木は照れくさそうな、幸せそうな、ほんの少しわくわくしているような顔をする。妙なたとえだが、少し少女めいた顔というか。
鬼太郎に導かれ、正座で敷布に座るのは初夜のことを思い起こさせる。寝間の明かりはつけていないのに、星が降るように水木の周りが輝いて見える。錯覚なのだとはわかっている。恋心がそのように見せるのだと。
ぱちりと水木が瞬きし、微かに笑った。そうして彼は鬼太郎の肩に手を置き、目をしっかりと合わせてくる。鬼太郎は伸び上がるようにその唇に口づける。唇と唇が重なる寸前、水木の整った顔がぼやけた。彼の目は最初は見開かれたが、顔が近づくにつれぎゅっとつぶられた。急に色気がなくなった様子がいとおしかった。
少しずつ口づけの時間を長くして、それにつれ、舌を直接合わせ、唾液を混ぜ合わせていく。長い舌が水木の喉まであさろうかという段には、彼の体は敷布の上に横たわっていた。その際ゆるくはだけた胸は酒精のせいか赤くなっていた。自然、横たわる彼の腰のあたりを鬼太郎がまたぐような格好になる。乗っかってもいいぞと水木は言った。実際、鬼太郎ひとりくらいの体重ではなんということもないのだろう。正直複雑なものがあるが
…
。
「
……
飲んだから、おれは
…
、勃たない、かも
…
しれないが」
はだけた胸をゆっくりまさぐり始めた鬼太郎に、ぼそぼそと水木が言う。完全に酔ってしまっているわけでもないのか、自分で言って照れている。ごまかすことだってできたはずなのに、水木はそうはしなかった。いや、こういう関係になってから、水木は鬼太郎に対してあけすけなくらい正直になった。それが彼の甘えにも思えて、鬼太郎には心地よい。
「
…
おまえが、
…
気持ちよいように、触ってくれ」
殊勝な申し出にすぐには答えず、鬼太郎は困ったように笑った。そうして目をしっかり合わせて、水木の額にぶちゅっと接吻する。わざと色気のない触れ方をした。幼い頃のように。瞬きする水木は何を思っただろう?
「僕だけ良くてもしょうがない」
「
………
」
水木の目元が染まる。そうやってぽうっと顔を染める時、どこかあどけない様子になるのを知っている。この関係を手に入れる前から、ふとした時に彼がのぞかせるその顔を鬼太郎はかわいいと思っていた。
「
………
今日はこのまま寝ますか?」
我慢はできる。
焦る必要はないからだ。それは勿論触れられれば嬉しいのだけれど。鬼太郎はさらりと水木の髪を撫でた。水木はぱちぱちと瞬きして、そっと目をそらすと、鬼太郎の手を弱く握った。握った後は少し迷った風情で視線をさまよわせたが、
…
きゅ、と唇を噛むと、してくれ、と蚊の泣くような声で言う。
鬼太郎は微笑んで、こっちを見て、と囁く。僕の目を見て、もう一度言って、と。水木は喉奥で少し唸ると、ちらりと視線をあげる。
「
…
今は、おまえのおやじさんもいない、から」
「はい」
「邪魔にしてるわけじゃないぞ、俺は、でも、その
…
だな」
「わかってます。
…
もう父さんの話はいいでしょ?そんなに僕に焼き餅をやかせたいんですか」
「
…
焼き餅」
わかってるくせに、と言えば、いや
…
、あいつは友達だし、と水木はぼそぼそ言った。だがなぜか顔が嬉しそうに崩れていて、どうやら鬼太郎の焼き餅を喜んでいるらしい。まったく、と鬼太郎は軽くため息をつく。
「
……
俺の好きなところ、全部教えてくれ」
「──
…
、もう!」
期待に満ちた目が鬼太郎を見つめるので、義息にして連れ合いとしては、頭をかきむしりたいような気持ちになった。
さすがに父の前ではあまり身体的なことや
…
性的な反応を挙げるのは避けたが、普段なら照れたり怒ったりして辞めさせそうな水木本人が聞くというのだから、鬼太郎は嬉々として水木の好きな所を挙げていった。たとえば
…
、
「僕、あなたのこっちの胸が、
…
あなたは嫌かも知れないけど、皮膚が薄くて、噛んだら簡単に穴が空いてしまいそうだって思うんだけど、ぞくぞくするんです」
長い舌を見せつけるようにべろりと左胸の痕を舐めれば、水木がひくりと肩をふるわせ、耐えるような息を吐く。我慢しなくたっていいのに、と思いながら鬼太郎は続ける。手では乳首をくりくりと優しくいじりながら。息を詰めて、ふ、ふ、と短く息を吐く水木の額には汗がびっしり浮いて、前髪が張り付いていた。潤んだ瞳が鬼太郎を見つめている。やめてほしい、でも、もっとしてくれ、でもない。けれど段々後者の方に寄ってきているのはわかった。鬼太郎はくすりと笑う。ほとんど汗をかかない鬼太郎の額にも、うっすらと汗が浮き始めていた。水木の体温に引っ張られるように。
…
初夜ではないが二回目くらいに触れあった時、冷静な様子が気に食わないと、内心の不安をのぞかせながら水木が言った。ちっとも冷静ではなかったのだがそう見えるのか、と覚ってから、鬼太郎は少し気にかけるようになった。水木を不安にさせたくなかったので。
「
…
水木は? 好きですか」
潤んだ瞳が決壊したように、ぽろりとひとしずくだけ涙がこぼれた。ああ、と鬼太郎の吐く息が震えた。
「よかった」
「
……
俺は何にも言ってない」
鬼太郎はにこりと笑った。また強がって、と思う。
「あなたのそういうところも、好きです」
「
………
」
「負けず嫌いで、勝ち気で。好きです」
「生意気言いやがって
…
」
年下の言うことではない、と言わんばかりの様子に、鬼太郎はくすりと笑った。水木くらいの世代の男なら、男らしさや長幼の序にこだわりをもつのはおかしくない。
「ごめんなさい」
「
…
特別に、許す」
もごもごと、それでもすぐに与えられた許しに鬼太郎は笑った。そうして、今度は水木の手を持ち上げ、手首から手の平に向かって唇を滑らせる。
「この手が好きです。僕を拾い上げて、大事にしてくれた」
「
………
」
これはぐっときたのか、水木は顔を赤くしながら、むにむにと唇を動かしていた。照れ隠しをしようとしているのがわかる。この人、かわいいなあ、と鬼太郎は目を細めた。
「てのひら、傷が多い。あなたがこれまで頑張ってきたことが、ここに詰まってる。指も好きだ。水木は褒められても嬉しくないかも知れないけど
…
、僕がまだ小さかった頃、連れて行ってくれた夏祭りで、射的、景品全部落としていたでしょう。僕の水木はなんて格好いいんだろうって、思っていたんですよ」
水木は今度はなんとも言えない顔をした。素直に嬉しく思っている顔、でも、喜んでいいのだろうかとも思っている顔。水木は自ら好んで射的に臨んだわけではなかった。ただ、そういう成り行きで。ただ、やるなら負けるのは癪だと。鬼太郎の父ちゃんかっこいいな、そう言われたいという目的もあっただろう。実際あの時の水木はそれはもう格好良かった。
「
……
おまえの、俺?」
たっぷりと間を置いて彼が口にしたのは、結局、その確認だけ。上目遣いで聞いてくるのがわざとなのかどうかはわからない。案外本当に不安に思っているのかもしれない。時々妙なところで自信がないのがこの人だ。
鬼太郎は笑って、こつん、と額をぶつけた。
「そうだ。僕の水木」
「
………
」
答えはなかったが、水木の吐いた息は熱っぽかった。潤んだ目を合わせたまま、水木は手を鬼太郎の頬に添える。そのまま、いとおしむようにそこを優しく撫でた。
やがて横たわる沈黙に静かに覆い被さるように、今夜幾度目かで唇が重なる。最初に尋ねるように重ねたのは鬼太郎だったが、水木も抗うことなく受け入れた。そもそもはなから受け入れていたのだし。
浴衣を肩から滑り落とし、小さいようでもしっかりした弾力のある手が、慣れた様子で水木の肌を撫でていく。鼻にかかった微かな声が、熱をはらんだ吐息と一緒に四畳半を満たしていく。
目玉は家の中にはおらず、夜更けに尋ねてくるような野暮天もおらず、となればそこまで声をひそめなければならない理由もなかったが、それでも密やかな行為という意識があるのか、水木は声を抑えがちだった。勿論まったく声を出さないわけではないのだけれど、枕に顔を押し当てたり、手ぬぐいや浴衣を噛んだりしていることも多い。
…
それを外させることも、それなりに。
鬼太郎が、今はもうとても息子とは呼べない相手が動きやすいように水木も顔や腕の角度を変えたりする。鬼太郎が探るように触れれば、響くように震える。だがただ震えるだけではなくて、彼の手も鬼太郎の首や背に回される。目の前にきた鬼太郎の肩にそっと口づけたり。
あつい、と水木がうわごとのようにこぼす。鬼太郎はそんな彼の顔、鼻の頭同士を擦り合わせるようにした。
「飲み過ぎだ」
「
……
ごめん」
素直に謝って、まるで機嫌をとるように鬼太郎を見つめてくる。潤んだ目をそのまま口に含んだらどれだけ甘いだろうと思わせる。うっとりしてしまう。そういうところは、人ならざる者の本能かもしれないし、単純に水木が本当に美味しそうに見えるからかもしれない。
しかし目玉を全部舐めあげることはできないので、瞼や目尻、ふっくらとした涙袋を舐めるに留める。
水木は抱いてくれと言ったけれど、前戯と呼べるかも怪しい、ただゆるゆると触れあってとろけるような触れ合いを続ける。鬼太郎も案外そういう時間が嫌いではなかった。何より水木がゆるゆると溶けていくのがわかるからだ。彼は鬼太郎に対して、見栄なのか気遣いなのか、何をしても平気な様子で大胆に振舞うことがある。勿論心底余裕がある時もあるにはあるのかもしれないが、どうにも無理をしているのでは、と思うこともあった。どちらが多いかはなんとも言えないが、半分より少し多いくらいの割合で、水木はやや無理を押し通しているように鬼太郎には思えた。
だから、無理などなく、自然にとろとろとゆるやかになっていく水木を見るのは喜びでもあった。今この人をとかしているのは自分なのだと思えて。
唇をくっつけては離し、くっつけて、吸ってはまた離しして、もう口の周りもべたべただった。それを少し乱暴にきゅっと親指で拭えば、水木の目がへにゃっととけて、笑った。両腕を幼く伸ばし、きたろ、と呼ぶ水木の声に背中が震える。
腕を回させ、正面、上から口づける。舌を絡ませて、のみならず、長い舌で喉の奥をあされば、苦しそうな、けれど気持ちよさそうでもある小さな喘ぎがこぼれる。ん、あ、と合間に上がる声は意味をなさないが、気持ちよさそうではあった。
手の全部でやんわりと胸をもみあげて、そうするとふ、ふ、と水木の息が短くなる。指で乳首を悪戯すれば、びくんと体が跳ねるのが皮膚を通して伝わってきた。
みずき、と呼ぶ度、とろんとした目が鬼太郎を探して、目があえば幸せそうに笑う。とてもではないが、よそ見などできようはずもない。するつもりだってないけれど。
「きた、ろ」
きゅう、と水木が急に抱きついてきた。そうされると水木の方が体が大きいので、鬼太郎の視界が塞がれてしまう。ただ、合わさった胸の鼓動が随分跳ねている。水木はわざとそうしたのだと伝わる。顔を隠したかったのだと。だから鬼太郎は慌てず、目の前にきた胸の、ぷるんと震えるでっぱりにちゅうと吸い付いた。あっ、と声が聞こえる。かまわずちゅうちゅう吸えば、は、ふ、と堪えきれない声が上の法からする。腕を放さないならそれでもいい。鬼太郎は器用に手を水木の囲いから抜いて、触れられるところを優しく、優しく撫でてやる。愛撫というのにはいささか優しすぎるような。
「んっ
…
」
水木はがばっと鬼太郎の体を離した。案の定顔は真っ赤で、目の縁は涙で赤くなっていた。鬼太郎はわざと舌を出し、べろん、とその長さを見せつける。彼はまだ着衣を乱してもいない。脱いだのは唯一、ご先祖様のちゃんちゃんこだけ。
「
……
おねがいが、」
「お願い?」
珍しい、とさすがに鬼太郎も目を丸くした。水木がそんなことを言うのは珍しい。同時に、この状況で言われる「お願い」に対して、そわそわする気持ちもあった。おねだりだったらどうしよう、やぶさかではない。
「
…
ぶってくれないか」
だが、そうはいっても鬼太郎だって色事にそこまで明るいわけでなし。そんな想像をしていたわけではない。むしろ追いつけない。
「
……
え?」
水木はさっと頬を染めた。今にも泣き出しそうな顔をしていて、鬼太郎は慌てた。
「いや、あなたが望むなら」
彼が何か
―
否定的なことを
―
を言うより先に言わなければ、と鬼太郎は考えるより先に口を開いていた。
「
……
おれの、
…
尻が」
「
…………
」
その話か、と鬼太郎は内心目を見開いた。それはちょっと、意識の外にあった。だがどうやら水木の中では終わっていなかったらしい、と知る。
「
…
大きくて、
…
だから、
…
ぶってほしい」
「
…………
」
相手は水木だけとはいえ、初めてではない。ないのだが、倒錯した触れあいはまだしたことがない。鬼太郎は目を丸くし、息を呑んで
…
、だが、上目遣いで見つめてくる水木をがっかりさせたくなかった。
「わかった」
水木はほっとしたように息を吐くと、やんわりと鬼太郎の体を押すようにして身を起こし、四つん這いになった。膝が笑っていて、けして余裕はなさそうだ。
「
……
」
物言いたげに唇を開いて、閉じて、それで結局、水木は下を向いた。ぼんのくぼがいやになまめかしく、鬼太郎は気づけばそこに口づけていた。のしかかるような体勢の小さな体を振り仰ぎ、水木はやや咎めるように眉を寄せた。それを見て、鬼太郎も少し体を離す。
そうして、肩甲骨からを確かめるように撫で、尋ねる。
「
……
どうして、ぶたれたい?」
もしかして水木は折檻されるのが
…
まではいかなくても、少し乱暴にされるのが好きなのだろうか? もしだとしたら今までは生ぬるかっただろう。かわいそうなことをしてしまっただろうか。
だが、水木は鬼太郎から顔をそらし、ぼそりと言う。
「ひとに、触られたから」
「
……
もしかして、罰、だというんじゃないだろうな」
鬼太郎の声がつい剣呑なものになる。水木が自分から触らせたわけでもあるまいに、と。水木は首を縦にも横にも振らず、ぼそぼそと答える。
「嫌だなと思ったから
…
」
「?」
「
…
おまえ以外に、触られたくなかった」
「
……
!」
だからぶってほしい、と重ねて言われて、鼻血を出さないでいられたのは褒められてしかるべきだと思う。
そんなことを考えながら、鬼太郎はもっと違うことを口にした。
「
……
加減はするけど、痛かったら教えてくれ」
ちゅ、と水木の耳の後ろに口づけて、鬼太郎は囁いた。そうして、水木の尻をぱん、と軽くたたく。まさか、今までこんなこと考えたこともなかった。尻をたたくだなんて
…
。
びく、と水木の肩が揺れる。嫌そう、ではなかった。
「
…
もっと、」
控えめな声が続きを乞い、ちらりとこちらをうかがう瞳はとろけきっていた。鬼太郎は微笑み、最初よりほんの少し力をこめて、ぱぁん、とたたく。良い音がした。
ぶるりと震えた体と、確かにしっかりと存在感のある尻と。無意識に、鬼太郎はそこに唇をつけていた。きたろ、と少し焦った声がしたが、かまわず尻に軽く歯を立てる。あ、と声がした気がする。鬼太郎はそのままがじがじと甘噛みを続け、指を器用に後ろの孔の周りに這わせる。くるくると撫でては入口を訪う。意味のある言葉は出てこず、水木の抑えた喘ぎだけが場を支配して
…
。
舌でなめ回し、時に歯を立て、指でくちゅくちゅと後孔をいじる。水木は尻を上げた格好のまま枕に突っ伏してしまう。本人が申告した通り、竿はおとなしいものだ。
指でくっ、くっと水木が気持ちよさそうにする場所をいじって
…
鬼太郎も知らずのうちに舌なめずりしていた。
尻を存分に堪能しながら、鬼太郎はもう一度と思い、軽く目の前の尻をたたく。良い音がし、あっ、と切羽詰まったような声が続く。え、と顔を上げた鬼太郎の前、びくんと大きく体を跳ねさせた水木が、敷布にばたんと潰れてしまっていた。
「
…
あ
…
」
首だけをひねった水木の顔はぐちゃぐちゃで、鬼太郎は唾を飲む。
「
…
う、う
…
」
ぐすりとしゃくりあげる様子が幼くて、鬼太郎はぎゅうと水木の頭を抱き込む。体の大きさが違っても、力なら鬼太郎の方がとっくに上だ。水木が安心して力を抜いてくれたのがわかり、鬼太郎はその耳元に吐息混じり囁いた。
「
…
もっとおしおき、してあげます」
「っ」
びくっとまた水木の体が跳ねるのを見て、ひとついいことを知った、といやに大人びた顔で微笑んだ。
「癖になりそう」
す、と手を構える鬼太郎に、水木自身、胸がひどくドキドキすることを気づかせられた。自分がどうしてほしかったか
…
それを自覚するのは恥ずかしくはあったが。
「
………
ん」
水木は目をそらしながら頷いて、それから、あるかなしかの声で、もっと、ぶってくれ、とねだったのだった。
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