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戌丸アット
2022-05-29 23:20:20
3332文字
Public
戦国basara
部活動がしたいんです【未完】
三家(戦国basara)
1
2
3
「これは君にも良い話だと思うんだよね」
「
…
えぇ
…
そう、思います」
半兵衛の言葉に対して、家康は言葉の節々を詰まらせながら同意した
すると半兵衛は目が笑っていない笑顔で、どうぞとお茶を勧めてくる
が、飲める訳が無い
別にパニックになっている訳ではないが、勧められ素直に飲むような行動をする程、無神経でもないのだ
ただただ家康は目の前の半兵衛の威圧感に緊張していた
そんな家康の様子に気付いているであろうにも関わらず、半兵衛は気にせずに続ける
「重ねて言うようだけど家康君さえ生徒会に入ってくれれば人の少ない囲碁将棋部も廃部にはしない、それに仕事に支障が出なければ退部もしなくて構わないんだよ?」
「
………
」
「
………
僕としては君や本多忠勝君は充分に生徒会で活動出来る程の能力を持っていると思っているんだ」
「
……
それは、どうも
…
」
「ふぅ
…………
より良い返事を待っているよ?家康君」
「
……………
失礼します」
無言を貫く家康に対して備え付けの時計をチラリと見て半兵衛は立ち上がると、一言告げて自身の席へと戻って行く
その半兵衛の行動を見つめながら、家康は一礼して生徒会室を後にした
だが家康は教室へと戻らずに体育館裏の倉庫へと来ていた
体育館裏の倉庫は騒がしい毎日を送るBASARA学園にしては珍しく静かな場所なのだと最近、発見したのだ
そんな場所で家康は、改めて半兵衛の勧誘を思い返していた
無論、半兵衛の忠勝を手に入れたいと言う考えは分かりきっている
だが忠勝は、あくまでも家康のボディーガード兼お目付け役である
家康の行動に付き従うように教育されてきたのだ
立場だけならば政宗にとっての小十郎と変わりないと言いたい所だが、あの2人と家康たちの関係は違う
何処までも忠勝は家康に付き従って行く、そこが圧倒的に違っていた
だからこそ半兵衛も忠勝自身ではなく家康を勧誘してきたのだ
家康を勧誘し、生徒会へ入れさえすれば自然と忠勝の方から入ってくる
それは秀才である半兵衛でなくても分かりうる限りの一番、手っ取り早い方法なのだ
そしてだからこそ家康は悩んでいた
元々、大手の跡取り息子の一人として育てられた家康は、自然と"忙しい"と言う事を遠ざけるようになっていた
次男なので直接的なストレスは無いが、長男の元康は家康とは違い、少々破天荒なのだ
その為に次男で落ち着きのある家康の方が良いのでは、と言う者も現れて巻き込まれ、高校生にして家康は既に疲れきってしまっていた
「はぁ
…
なんで皆、ワシを巻き込むんだろうか
…
」
「どんな事に巻き込まれた」
「
………
え?
…
え!?」
すっかり倉庫には自分だけだと思い込んでいた家康は独り言に対して、まさか返事が返ってくるとは思わなかった
その為、家康は思わず体育座りから勢いよく立ち上がってしまい、頭が何かにぶつかる感覚があった
ちなみに余談だが、家康は元康のお墨付きの石頭である
「ぐっ!!!きっさ、まっ!!!」
「あれ?あ!だ、大丈夫か!?もしかして顎に当たったのか!?」
声がした後ろを向くと、倉庫の扉は開いていて、奥でしゃがんでいて分からないが綺麗な銀の髪をした青年が、顔を伏せていた
何やら痛がってるし、家康から見ると顔を押さえているように見えるので、顎に当たったと考えた
正直、家康は何かが当たった程度なのだが他の人は違う
勢い良く顔に頭、もとい石頭を喰らえば悶絶もすると言うものである
「すまない!今すぐ保健室に」
「っ行かん!天海などと言う、不可解な奴と関わり合いなど、したくない!タオルを濡らしてこいっ」
「わ、分かった!」
青年の言い分は天海と少しでも話した事があれば納得出来るので、家康は急いで自分のバッグから洗い立てのタオルを掴んで走った
そして体育館の備え付けされたトイレの洗面所で充分に濡らして、しっかりと絞った後、また走って青年の所へ戻ってくるとすぐにタオルを渡した
「待たせたな!ほら、タオル」
「遅いぞ!
…
っぅ」
「ぁ
…
その、痛むか?」
「
…
多少はな、冷やしているから問題ない、少々意識が飛びかけただけだ」
「うぅ
…
本当にすまない
…
」
受け取った青年はタオルを顎に当てながら座っているので、居心地の悪さを感じながらも青年の右隣に座る
しゃがんでいて顔が分からなかったが改めて見てみると、随分と格好いい顔立ちをしている
そしてそんなイケメンの顔に頭突きをしたと言う事実に頭を抱えそうになった
しかし青年は駆けつけた時は不機嫌そうにしていたがタオルを受け取ると、表情が和らいだ気がした家康は内心ホッとしたが、意識が飛びかけたと聞いて、また項垂れた
特に嫌味として言った訳ではない事くらい青年の態度で分かったが、罪悪感は別物なのだ
すると何を思ったのか、青年は怪訝そうに、そして当たり前のようにタメ口で話しかけてきた
「何を謝る必要がある」
「え?だって頭突き?をしたのはワシだし、それに顔にぶつけたのなら尚更、申し訳なくてなぁ
…
」
「
…
?私の顔の事などどうでもいい、それに私も不用意だった、だから謝罪はいらん」
「
…
そうか、ありがとう」
訪ねてくる青年にしどろもどろしつつ、話してみると青年は、謝らなくて良いと言った
とても言葉はぶっきら棒であったが優しさを感じて、お礼に言葉を変えてみた
すると今度はお礼について訪ねてくる
どうやら変に細かい所が気になるらしい
「
…
っ何故、礼を言う」
「ん?そりゃ有難いと思ったからさ」
「っだから!有難がる理由が分からんと言っている!」
「え?しいて言うならお前が優しいと思ったから有難いと思ったんだ」
「
…
私が優しいだと?」
内心、説明するのが恥ずかしいと思いながらも表情を変えず言い切る
すると眉を寄せ、今にも否定せんとする青年になってしまった
そんな青年に苦笑いを浮かべながらも家康は、はっきりと言葉に表せば伝わるだろうか?と思いながら続けた
「そうだ、少なくともワシはお前の言葉でホッと安心したんだ、だから礼を言いたくなった
…
それではダメか?」
「
……………
変な奴だ」
「そ、そうか?」
まさか変な奴と比喩させるとは思って居なかった家康は、自分のペースが乱されているのを感じながらも根気よく話しかけた
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