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豆炭々炬燵
2169文字
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ちいかわ
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【ハチちい】信じているから
原作者様のパラレルワールド展開で脳が焼かれてしまったものその2。でかつよハチワレ×パラレルちいかわ。ねつ造ご都合主義満載。軽度暴力描写あり。ケモ×ケモ。何でも読める方向け。何でも美味しく食べれる方向け。
これの前のお話→
https://privatter.me/page/65ec53dad6831
小さくてあったかい手。はやく大きな命の音。押し退けようとしていた力が別のものに変わっていった。
「くすぐったい」
ほっぺたを撫でてくれる手がこそばゆくて笑っちゃう。ぐりって顔を押し付け過ぎたみたい。また苦しそうな唸り声が聞こえたから顔を少しだけ離した。
見上げる潤んだ小さな目、きゅっと結んだ口と小さな手。なにに緊張しているの? 緊張すること、あった? 分かんないけどほぐしてあげる。
ほっぺたとほっぺたをもう一度合わせる前に小さな手をいっぱい広げてぎゅってしてくれた。小さなほっぺたでスリ、スリとしてくれる動きに長くなった毛が揺れる。
そっか、そっちからしてくれたら苦しくならないもんね。新しい発見みっけ。
「
……
ウ」
「あッ、忘れてた」
小さな手が指さした方向。逆さまのまま手足をバタバタさせず、こっちをクイクイって指で呼んでいたからあわてて近付いた。手の中にいた子をそっと隣に置いて、そっと鋏の耳が地面に刺さっているのを抜いた。
そーっとそーっと逆さまを元に戻す。
「デヤ!!」
「ごめんね」
鋏になった耳をパシッ、パシッと開いて閉じる動きに合わせ足をクロスさせてる。変なの。
「おっかしいッ!!」
「ウッ!!」
「え? 声がおっきいから驚いちゃう? 手をたたくのも?」
虫を潰した時みたいに手をたたくのはびっくりしちゃうんだ。声も前よりおっきくなってるみたい。全然気づかなかった。
「あ、武器地面に刺さったまんまだから抜いてあげる」
だけど、ぬうって手を伸ばす前に武器、抜かれちゃった。小さな手で掴んだ武器の尖った先っちょは空に向けられたまま、数回軽く振るったあと、ビシっと決めポーズしてから抱き締める姿に伸ばしかけていた手を下ろす。
「かっこいい、かっこいい」
控えめな拍手をすればフッと照れ笑う姿。大分震えが小さくなった小さな足元を見ないフリ。どすんと両手をついてほっぺたをスリって合わせる。
「また明日、あそぼ」
「ワ、ワー
…
」
ちょっとだけ高いけど目線を合わせるのも慣れてきた。そのまま、隣に顔をズラしてほっぺたをスリっと合わせた。
「デヤ!!」
鋏になった耳を閉じて、ぐりぐりほっぺた押し付け小さな手がぺしぺし元気よく撫でてくれる。
身体、なんともなさそうでよかった。今度からちゃんと気を付けるからね。
小さな身体がさらに小さくなっていくのを見送って家に帰る。
そういえば、他にも誰かいた気がするけど忘れちゃった。だって近くには大きな木しか生えてないもん。
きっと気のせい気のせい。
星空が見える大きな入り口は強くなった身体でも簡単に通れた。ちょっとだけ家の中、窮屈だけど全然問題ない。
「あれ? そうだったっけ?」
変な感じがする。壁に立てかけられた武器、小さな花瓶なんて前からあったっけ。忘れちゃった。
「あッ! これは覚えてる!」
招待状を送ってきてないのに入ってくるお客さん。開放感溢れる入り口から入ってくる歯をぎちぎち鳴らす”虫”を手で振り払う。硬い岩肌に当たった勢いで、棚に置いていた花瓶と叩きつけられた”虫”が鳴いた。
小さな身体を弱々しく起こして外に行こうとするから、ぎゅむって手で押さえ付ける。ギーギー鳴く”虫”に顔を寄せスンっと匂いを嗅いだ。鈴カステラの匂いがする。
「おもしろいッ!! 」
あまりにも面白かったから力が思わず入っちゃった。手をどけた先、動かなくなっちゃった”虫”の体はびちょびちょで手も同じにびちょびちょ。気持ち悪くてびちょびちょになった手を振う。びちょびちょが取れない。今度は舐めて取ってみたら
……
思ったよりイケる味だった。
「鈴カステラのにおいがしてたからかな。あ、いらっしゃい」
星空を背負って遊びに来てくれたのに中へ来てくれない。そっか。
「待ってて。今、綺麗にするから」
口の中いっぱいに広がる鈴カステラの味。すっかり片付いた家の中へ伸びてくる小さな影を、いつ時か見たスフィンクスの恰好で出迎える。ぺろり口の周りを舌で綺麗にしてから、力加減を覚えた両手で小さな身体を包み込む。
涙ぐんでいないけど震える小さな身体を潰さないよう握って擦って、鋭い爪先の背で小さな頭と頬を撫でる。この手はもう二度と傷付けやしないよ。分かってくれるかな。
「きもちいい?」
「ウ、ウワーイ
……
」
「よかった」
にぎにぎ、かいかい。柔らかくて脆い、壊れやすい小さな身体からゆっくり緊張が解れてきた。
すっぽり両手に収まる小さな身体。閉じられた小さな目に、にっこり笑ってほっぺたとほっぺたをくっ付ける。
そしたら、小さな手を伸ばして触れてくれた。嬉しい、もっと触れて触ってほしいな。
鈴カステラと違うにおいをいっぱい吸い込んで、小さな身体を押しつぶさぬよう抱き締めた。
「遅いから送ってくよ?」
「フッ!!」
「分かった、気を付けてねェ」
入り口から小さな身体を見送る。暗い夜でもはっきり見える目で家まで送れないのは残念だけど、また明日遊べるならいいよね。何回も振り返って手を振う姿に手を振り返す。
「今度はそこの石の影に置いてる武器、持ってこなくて平気だからね」
振っていた小さな手の動きがピタリと止まる。
でも、笑ってまた手を振ってくれたから、あとを追い掛けずに見送るんだ。
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