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ちょち
2024-03-16 11:09:47
1706文字
Public
狂聡
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狂聡連載18
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「んん
……
?」
目を覚ますとそこは高級そうなフカフカのベッドの上で、聡実は一瞬あれ
……
?ここどこや
……
?と首を傾げたあと、昨夜のことを思い出して少し顔を火照らせた。
素っ裸で寝落ちた筈なのに、おそらく部屋に備え付けのモフモフのガウンを着て寝ているし。着せてくれたんやな
……
と思うとちょっと面白かった。聡実は背も高くないし細い方だが、とはいえ立派な成人男性であるので熟睡している状態だとかなり重かったと思うのだが。
「っていうか、腰いった
……
」
独り言を口にし、腰を摩る。腰も痛いし、微妙にまだ開いたままというか、まだナカに何かが入ってるみたいな感じがする。いや、でも、めちゃくちゃデカかったもんな。自分にもついてるもんやのに、ありえへんほど凶悪な形してたし。ようあんなもん入ったな
……
人体の神秘
……
と謎にしみじみしてしまった。
寝転んだままでベッドサイドに置いた眼鏡とスマホを手繰り寄せて、眼鏡を装着しながら上体を起こす。
スマホの通知は丸山からの履修登録についての質問だけだ。LINEを開くと、しんとした部屋に遅れた通知音が響いた。
「
…………
あれ?」
寝起きでぼんやりしていて気付かなかったが、この部屋は妙に静かで自分以外の気配が、なにもない。
「狂児さん
……
?」
シャワー?トイレ?いやそれなら人の気配はあるだろうし、音もするはずだ。
スマホを放り投げて、部屋をうろつく。
「狂児さん。帰ったん?」
当然ながら返事はなくて。
こんな状態で置いていくならメモくらい残して行けよと腹を立てながら、それ以上になんだか悲しくなった。
「なんでそういうことすんの
……
」
あ、あかん、泣きそうかも。
溢れそうになった涙を手の甲で拭おうとしたところで、ドアがカチャリと音を立てた。
「
……
あれっ聡実くん! 起きたん? おはよう〜。立って大丈夫? まだ寝てたらええで、昼までチェックアウト伸ばしたあるし! それとも今日なんか用
……
」
呆然と立ち尽くしている聡実の様子を見て、狂児がン?と首を傾げて顔を覗き込む。
「どしたん?」
「どこ行ってたん
……
」
「いや、起きたら腹減るかな〜と思って。散歩がてらマクド買いに行っててんけど」
言いながら手提げ袋を持ち上げる。マフィンでよかった?と聞こうとして、急にぎゅっと抱きつかれて狂児が固まった。
「えっなになに」
「
……
放って帰られたんかと思った」
「えー。なんぼなんでもそんなヤリ逃げみたいなことするわけ」
背中に回された腕に思いのほか力が込められて、体温を感じるほどくっついた体が小さく震えている。
「
…………
」
胸に顔が埋められて、そっと肩に手を添えた。
そうか、してきたよなあ、ヤリ逃げみたいなこと。今まで、たくさんしてきた。聡実が望んだことだってあるが、その本意に目を閉じて受け入れたのも狂児だ。その全部はカタギの聡実の事を思ってやっていたことだとしても、思うよりずっと慕ってくれていたであろうこの子にとって、一時的にでも捨てられたのと同じ気持ちだったのだろう。
「ごめんな」
囁いて、強く抱きしめる。
「もう黙って置いていったりせえへんから」
「うん」
安心したように力が抜ける腕の中の身体を、さらに深く抱きしめた。
「ずっと聡実くんの側におるよ。
……
って言いたいとこやけど、今はまだ俺も大阪離れられへんし、聡実くんも東京の学生やし物理的に無理やけどな。会いたいって言うてくれたら何があっても秒で飛んでくるから」
「秒は無理やろ。どこでもドアか」
「いやマジで転送機欲しいわ〜。聡実くん発明してくれへん?」
「理系ちゃうから無理〜」
お互いに顔を見合わせて、フフフッと笑った。
「朝飯食おか。食べられる?」
「うん、おなかすいた。何買うて来たん?」
「聡実くん何が好きかわからんし、よう食べるから色々買って来たで。食べきれんかったら家持って帰ってあとでチンして食べたらええしと思って
……
えっと、ソーセージエッグマフィンと
……
」
説明が始まらないうちに、狂児の手からさっさと手提げ袋を奪った聡実が中を物色し始めた。
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