【鎌切】

『Good night,Judas.』現行未通過×

リハンの愛2



引っ越しのために片付けた部屋で寝転び、ボンヤリと天井を見上げる。自身の今まで過ごした空間は、すっかり生活感を失っている。当然である。中心にある敷き布団と自分以外は全て、大小様々なダンボールに詰められたのだから。


回想する。

激しすぎない雨が降るあの日、自分は罪を犯した。社会的にも、人間的にも致命的で異常な犯罪。運命を冒涜する死者蘇生と、選択を消し去る記憶改竄。

許せない。許してはいけない。それらを知って死んでいった仲間に対する、自分の感情が歪で気持ち悪い。怨んでくれなかった。叫んでくれなかった。自分が未熟だったから、自分が信頼されていなかったから。その事実が憎くてかなしくて寂しくて憎くて。

オマエオレは死んだ彼彼女を愛せない憎んでいると、自身の真髄愛憎が告げる。


カヒュ、なんて音を喉が鳴らす。その音でようやく、自身の息が止まりかけていたことを知る。荒く呼吸しながら、精神を落ち着かせる。生理的な涙と涎を垂らしながら、布団の上でのたうち回る。

思い切り喉に爪を立て、ガリガリと掻き毟る。肉を裂こうと必死になって、指の鎌を動かす。指先が湿ってきた頃に、はたと我に返り動きを止める。この行為の虚しさと無意味さを理解して、頭を抱えて蹲る。


彼の愛は過失である。
そして、既に失った愛したものを愛する失うことは、彼には不可能であった。