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梓
2023-03-19 02:58:39
3590文字
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とんだラブレター(セバ転)
最高な元ネタは蜜柑(@mikan02171)さんのこちらのツイート「犯行予告から始まって最後はとんだラブレターだ、で終わるセバの話くれませんか?」
言質も取ったから頑張って書いたってわけ。平和時空ふわふわ設定ブンクロ女生徒。
ところでオミニスにひたすら食べさせてしまった。いっぱいおたべ……。
1
2
余談
「
……
それで、いつまで隠れてるつもりなんだ。目当ての反応は見られただろ?」
「そうなんだけどね。隠れた場所が悪くって」
昼食で賑わっていた大広間もようやく落ち着き始めた頃、オミニスはそっと机の下に隠れている転入生に声を掛けた。周囲を伺いながら顔を出す転入生は、リスかなにかのかわいらしい小動物を思わせる。中身は全く違うが。今日も今日とてあちこち駆け回ってきたのだろうか。草と、土と、惚れ薬の甘ったるい匂いと、ほんの少しだけ混じる彼女自身の匂い。隣に座ったのは杖がなくとも分かった。
杖をさっと振ったような柔い風が肌に当たる。目くらまし術を解いたのだろう。俺にとっては不運にも意味をなさないが、今まで誰にも気付かれなかったということはそれなりに熟練しているようだった。
「どうしてそんなに上手くなったのかは聞かないでおくけどね」
「そうしてほしいな。オミニスに怒られたくないし」
「自覚があるならやめろよ」
思わずため息が溢れる。どうして俺の友人たちは危険なことと校則違反を愛してやまないのだろう。
「ついでに、今日は消灯時間を守らない気なんだよね」
「今日"も"の間違いじゃないか?」
「ごもっとも」
降参、と言わんばかりに手を挙げたのを杖で感じ取る。だが、今回ばかりは咎めるのも野暮というものだ。なにせ挟まれたこっちが焦れったくなるほどの友人二人に、漸く春めいた気配があるので。
「それにしても、いったい何を送りつけたんだ?告白するのに果たし状を書いてどうする」
「あ、ちょっとオミニス言わないで」
「どうせ誰も聞いちゃいないさ。で、なんて書いたんだ」
「えー、内緒。だって面白くないじゃん」
「必要なのは面白さより誠実さだと思うがな」
「正論に容赦がないよ、玉砕する前にズタボロになっちゃう」
「珍しく自信がないんだな。玉砕するより、させる方だと思っていたよ」
「まあ、腕っぷしには自信あるよ」
「セバスチャンが断ったら、それこそ決闘でもしたらどうだ」
「フラれて決闘って、血の気多すぎない?」
「君が言うのか?」
「そりゃあ、だって
……
。でも、この誘い自体がある意味"決闘"だしさ」
「どんな決闘かは聞かないでおくが、負けたらどうするんだ」
「怪しい薬飲む」
思わず吹き出す。逃げ道を確保する周到さは、確かにレイブンクローらしいのかもしれない。ぺしぺしと抗議の平手を背に受けながら笑うのをやめられない。そんなものなくとも上手くいくのに。収まるところに収まったらネタにしてやろうと思う。
「っはは、まあ、頑張れよ。俺からはそれだけだな」
「全くひどいよ」
たわいない学生らしい話を取り留めもなく続ける、こんな穏やかな日々がずっと続けばいい。
「ところで、また昼を抜いてるように見えるが」
「げ、オミニスまでそれ言うの
……
」
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