#自分の書いた小説で好きな文章を抜き出す

23-12-31 素敵タグ見かけたので便乗して〜〜





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【やさしくつもる】16.小さなガイド

* 片隅にひっそり佇むシェルフに気づいたのは小径を二往復もしたあとのことだ。横板を渡しただけの簡素なそれ。木製の枠組みには何かの蔓植物が這い上がるように絡みつき、すっかり自然物の一部と化している。三段なのに物が置かれているのは中段と下段だけ、雨ざらしでも問題ないジョウロやシャベルなどが整然と置かれていた。*
* セイルはまっすぐ足を向ける。シェルフではなく隣に並ぶ収納箱の方へ。片膝をつき、古びた蓋をそうっと持ち上げた。が、求める姿はもちろん、めぼしい物も見当たらない。*
* 何気なくシェルフの下段に目をやれば、奥に隠すように押しこまれたバケツがあった。ちょうど猫が丸まってくつろげそうなサイズだ――。小さく頬を緩め、セイルは静かに手をかける。*
* 一瞬後、一気に引っ張り出した。*
* バケツは拍子抜けするほど軽かった。ここもハズレか。半眼を閉じ、立ち上がるついでに蹴っ飛ばせばバケツはがらんがらんと派手な音を立てて転がっていった。*

*「……だああああめんどくせえ!」*

* がりがり髪を掻きむしる。腰を伸ばしたセイルは辺りを見回し、やがて引き寄せられるように屋敷へと足を向けた。勝手口と思しき扉近くの階段に座りこむと身体中の苛立ちを全て吐き出した。*



* 靄がだいぶ晴れてきた。周りを取り囲む植え込みはしっとりと濡れ、朝の光をきらきら弾いている。投げる視線はその根元辺りに自ずと落ちた。黒い影がどこかに潜んでいまいか、死角になって見えないだけではないのか――もはや視界に入る全ての箇所が疑わしい。*
* だが今こうしている間もヤツは高みの見物と称してこちらを眺めているのかもしれない。前足を品良く揃えた姿が思い出され、ますます向かっ腹が立ってくる。*



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あと中盤でレーレ🦋が飛んでくる描写も好きだなーと思ったのでついでに抜き出しとく〜。



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* そのとき何かがふうわりと横切った。手の平大の物体が影の色をまとって飛んでいく。風景が滲むような錯覚にまばたきすればそのたびにちらちらと鮮やかな青が浮かんで見える。*
* フウラが手を伸ばした。指先にゆったり止まったのは後翅に長い尾を持つ蝶だ。*



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このあと蝶が喋って、セイルが「虫が喋ってる!」と驚いて、その虫がガイドをするから探し物してこいと命令され仕方なく出かける……という回でした。
セイルってほんとお馬鹿かわいい(自画自賛)(笑)
16話は全体的に好きかも。










でもこのタグ見て真っ先に浮かんだのは二次で書いた話の文章だったのよね。夏の夜明けの風景描写。
もう10年以上も前のやつだしそもそもデータなくしちゃったから細部までわからないのがちょっと悔しい……



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2023/12/31

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