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豆炭々炬燵
2179文字
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ゆめにっき
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【セコ窓】二つの椅子
ひとりぼっちの宇宙船で待ち人が来るのをずっと待ち続ける。
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ほとほと回りくどい事をしていると自負している。此処に至るまでの道のりは決して簡単なものではない。却って彼女自身を遠ざけているように見えても仕方ない。
全て揃っていなければならない。一つでも欠けては意味がない。双方において必要不可欠なモノを用意しなければ決して出会うこと叶わない。
彼女はエフェクトを、──は君が座るための椅子を。
たとえ彼女が此処に来る前に夢から醒めてしまおうがとやかく言う権利は無い。そもそもそのような権利など端から持ってはいない。文句の一つや二つ言ってはならない、もとい言わない言う気など更々ない。
いつ来るかも分からない相手を待ち続けるのが辛くないかと聞かれれば何も言えない。ただひたすら彼女が此処に訪れるのを待ち続ける他ない。
見つけてもらえないかもという恐怖を永遠に広がる常闇の空に放り、静寂が座す空間に音楽を奏で続ける。いつの日か彼女が此の出口のない白繭の中に訪れ、彼女の為に用意した椅子に彼女が座ってくれるのを待ち望みながら滑らかで冷ややかな鍵盤を弾き続ける。
『だが、もし彼女が此処の場所を見つけ辿り着けたのなら。君のために君だけのためにピアノを弾き続けよう。あの扉の先へ行きたい願望が霞み消え失せるほど、夢の終わりから遠ざけ決して醒めないよう君が望む曲を弾き望む事をし続けよう』
ただし此の宇宙船に辿り着いたら最後、一歩でも足を踏み入れた瞬間、──は決してアナタを現実へ帰しやしない。
それくらいの事をして構わないだろう。何故ならば此の場所はとても見つけ難いところにあり、そんな場所をわざわざ見付け来てくれたというならば即ち
……
あそこへ帰さなくても問題ないだろう。
其れに折角椅子を二脚分用意したからには片一方ばかり使用され続けると残された椅子はさぞ寂しく可哀想じゃないか。
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