if bad

🌸の願いが🔟によって叶えられたifストーリー。
断片的な内容のみの短編集。
※設定訂正前の為一部設定違いあり。


IF bad1.5【裏庭の花壇で】



ニコミ君はとても優しい子だ。
彼女はどこまでも善意に満ちて行動に移す。
それでいてあまり何も欲しないから気になって『一つだけ願いを叶えてあげようと思うんだけど君なら何を願うんだい』と聞いたのだ。
「そうだなあ〜」
「どんなことでもいいよ。野望があるならそれを果たしたっていいし、欲しいものがあるなら満足する数だけ与えてあげてもいい」
「どんなこと、でも……か」
「何かあるんだね?さあ言ってご覧?」
「私に、じゃないんだけど」
「ん?」
「トータに幸せになってほしいの」
「祟り神に?町の滅亡を願うなら僕は叶えられないよ!」
「ううん。トータはね。周りと馴染めなくてずっと、私以外になかなか友達の輪を作らせてもらえなかったの。今年になって少し友達が増えて私本当に嬉しい。自分のことみたいに喜んでるの。けど、それがもっと広がってくれたらいいなって思ってて。」
「つまり?」
「トータを、みんなの輪の中に入れてあげてほしいの」
真剣に願う彼女の姿が嘘偽りなく彼を幸福へ導きたいのだと僕に伝えてくれた。
けれど、彼女の想いは偽善でもあった。
『彼女の想い』はあるが『彼の真実』が乗っていなかった。
叶えてあげることは容易いけれど、その先に彼女の創造したい美しく輝きに満ちた未来はない。
それを純粋な感情は気づかないようだ。
やはり君はどこまでも鈍感な人間だね。
彼が今この言葉を聞いたらしかめっ面になるだろうな。
今はまだ二人だけしかいないが。
「できるけど。本当にそれでいいかい?後悔はしないと誓える?」
「トータが幸せになれるなら私は誓えるよ」
「覚悟は決まっているようだね」
「ずっと思ってたことだから」
「ふーん……
君はいっぱい彼と話しができて、いくらでも手掛かりはあったはずなのに。それを知らないと暗に言っているのに気づかない。
愚かで可愛い人間だな、と簡単に思う。