納豆
2021-02-18 22:40:45
1861文字
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秘密の傷

一ページ目がダンデさんで二ページ目がキバナさんです

未だ柄流の頂を歩むその肩には、臙脂色のマントが翻る。
コートへ向かう僕の隣を悠然として歩む傍、ふわりと流れた髪の隙間。つと視線が奪われた。頸にも近い、そう、言ってしまえば人間の急所、そこに当てられた白かったろうパッチ。
けれど皮膚が破けて滲んだ血を吸い込み色づいていた。
先程まではなかった。御手洗いに行ってくると姿を消す前はなかったものだ。
かちこち思考は巡る。
僕だってもう、子供ではない。今日の対戦相手は妹、そして彼女の相方は。
気づきにぐむりと苦い顔、少しの後ろめたさに眉を顰めた。どうしてこちらが後ろめたくさせられる。思いながらも恨めしく睨み上げた僕にその人はぱちりと目を丸くした。
首を傾げた仕草にちょっぴりむかりときてしまい、僕はとんとん頸に近づく首筋を叩く。ダンデさんは歩みを止めず、またふわりとそよいだ藤色は花弁が開くようにして翻える。
一瞬晒される首元に、次いであなたは緩慢にも艶やか双眸を細めていく。
持ち上がった手が子供をあやすようにして人差し指を立ち上げて口元に当てる。どこか柔くも困り眉に下がる柳眉は、微かに狡くできていた。
しぃ。
言葉はなく吐息に窘められて全く遺憾である。むぅと頰を膨らませながら僕は目を眇めた。
「大人ってずるい」
「ふふっ、君はまだまだ素直でいい子だ」
わしゃわしゃ撫でられて益々目を眇めてしまう僕は唇をちょんと尖らせた。
「妹には見せないでくださいよ」
……あー、んー」
苦笑混じりに首を抑えたその仕草に目を剥いた。わなりと震える俺にダンデさんはきゅうっと眉を寄せ上げたのだった。
「まぁ、グローブの下だからな」
「あの人絶対自慢する!」
わぁん!と絶叫する僕にやはりダンデさんは小さく笑うのだった。