たもヤロウ
2026-07-20 20:57:02
12537文字
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オルテリ二人旅 オルベリク4章

おテリがボッコボコだけどわざとじゃないんです本当です。プレイがガバいだけなんです

⚔「さて、最終的な目的地はリバーフォードだが・・・まずは何処へ向かうか。何か案はあるか?テリオン」
🍎「いや・・・特には何も・・・」
⚔(随分と消極的だな。いつもはこういう時に率先して案を出していたが、普段から色々考えていたのだろう。今回はそれどころじゃなかったからな)
⚔「ならばウェルスプリング付近・・・サンランドを周っていくのはどうだ?特におまえの短剣があった墓地などは奥の方は探索できていないだろう」
🍎「マルサリムか・・・確かあそこには優秀な槍があるらしいな。・・・わかった、行こう」



⚔「あの時は歯が立たなかったこの辺りも十分戦えるようになってきたな」
🍎「油断はできんがな・・・あの奥だ。だが、こいつは・・・」
⚔「随分と強力な魔物がいるのだな。これは学者で一掃は難しそうか・・・」
🍎「デザートワームか、どうしたもんか・・・」
⚔「こういう時は長期戦を見据えて薬師でやるのが良いのではないか?」
🍎「そ・・・うだな。そうするとしよう」
⚔(思考のキレが無いな・・・やはり、少々心配だ。あの時、何も考えたくないと言っていたか。無意識に思考を鈍らせて心を守っているのかもしれんが・・・)
⚔「テリオン、具体的な作戦の案はあるか?」
🍎「作戦・・・・・・」
⚔「そうだ。ただ単に攻撃して回復しているだけでは厳しいだろう?」
🍎(確かにそうだ。こういったダンジョンの主の特徴は行動は単純だが強い。考え無しでどうにかなる相手じゃない・・・俺は少し、寝ぼけていたか)
🍎「耐久戦をするならばやはりコウモリで攻撃を削ぐところからだ。そしてワーム系は槍に弱い・・・あんたの千本槍でシールドを削り、ブレイクできたやつから順次撃破していく。でどうだ?」
⚔「ふむ・・・ならお前の回復の手が必要な時は俺がコウモリを入れよう。千本槍はSPの消費が重いからな。ブレイク後の攻撃はマジックスティールダガーで行く。取り巻き程度なら葬れるだろう」
🍎「俺がブーストでコウモリを入れればあんたの手が必要ないんじゃないか?」
⚔「いや、こういった巨大な魔物はまず力溜めを行う傾向にある。それをコウモリで打ち消すことになるからBPを使うのは勿体ない。逆に言えば打ち消し続ければかなり力溜めを誘発できるはずだ」
🍎「なるほどな。それで攻めるか。・・・しかしあんたも戦術はきっちり取れるタイプなんだな」
⚔「こういった分野はエアハルトの方が得意なのだが、常に一緒に行動できるわけではなかったからな。部隊を預かる身として最低限は身に着けた。・・・正直、苦手なのは否定できんがな」
🍎「ふっ・・・剣でしか語れないとか言ってたもんな。だが、十分だ。よし、仕掛ける・・・そいつはなまくらか?」
⚔「千本槍――――





🍎「上手く行ったな」
⚔「ああ、それに残っていた物資も拾えた」
🍎「ヤツからしれっとジャムを盗むこともできたぜ。こいつは強力な上に貴重だからな」
⚔「よく盗めたな・・・あまり余裕は無かったというのに」
🍎「あのタイミングであんたがきっちり仕留めてくれると思ったからな」
⚔「ふっ・・・」
🍎「・・・なんだその生ぬるい顔は」
⚔(少しずつだがテリオンの持ち前の冷静さも戻ってきている。それに俺を信頼してくれているな。野良猫が懐いたようで嬉しい――などと言えば機嫌を損ねたり、また余計なことを考え出してしまう可能性があるから言葉にはしないが)
⚔「いや、何でもない。それよりテリオン、全回復のジャムは貴重だろう。魔物が弱めのダンジョンを周ってジャムを回収するというのはどうだ?」
🍎「そして周っているうちにレベルも上がる・・・か。異論はない。最終目的地はリバーランドだから・・・ハイランド方面から一周するか」
⚔「では王家の墓からか。エバーホルド地下坑道は危険だからやめておくとしよう」





🍎「・・・・・・何してるんだ?」
⚔「む・・・すまん、つい試合を」
🍎(一般人を張り倒すのが癖なのか?オルベリクは時々変な所があるな・・・)
🍎「ここはハズレだな。宝があるから寄り損というわけではないが」
⚔「修行場所としても良さそうだ。だが、あまりここに留まっていてはいつまでたっても目的が果たせないからな。次へ向かおう」


🍎(コーストランドはハズレ、フロストランドは巨王の霊廟のビヒモス、フラットランドもハズレ、ウッドランドもハズレ・・・意外といないものだな。そしてクリフランドは朽ちた採掘所のデッドモウル、そして・・・・・・)
🍎「鳥葬の・・・洞窟・・・」
⚔「ああ、リバーランド以外の低レベル帯ダンジョンはここで最後のはずだ」
🍎「ここにはアエローバードという鳥の主がいる。ヤツもジャムを持っているはずだ」
⚔「む・・・詳しいな、ここに来たことがあるのか?」
🍎「・・・・・・ある」
⚔「そうか、それは頼もしいな」
⚔(何だ?何かが引っかかる・・・魔物が弱いことは事前に確認済みだ。だが、どうにもテリオンの様子がおかしい気もする。なぜ、ここだけあいつは知識を持っている?それにもかかわらず何故未踏なのだ?)
🍎「・・・っ!魔物だ!っつ・・・」
⚔「やはり大したことは無いな。状態異常を伴った攻撃が厄介なぐらいだ。致命傷にはならない。大丈夫か?・・・テリオン!?」
🍎「う・・・うぅ・・・」



⚔(恐怖と暗闇!身体的なダメージはほぼないだろう。だが今のテリオンのメンタルを考えれば恐怖はまずい!)
⚔「横一文字斬り!!・・・良し!無事か!?テリオン!」
🍎「うあ・・・あ・・・」
🍎(崖から落とされて・・・満身創痍でこの洞窟にたどり着いて・・・川の水とここの苔で飢えをしのいで・・・みっともなく生き延びて。鳥に追われて身を隠して・・・ああ、あの時ここでくたばっていれば俺の身体は文字通りここで鳥葬されて誰の記憶にも残らずひっそり・・・だめだ、変なことを考えるな・・・!考えるなかんがえるな――考えて物を言うからダリウスにも疎まれて・・・俺が忠実な肉人形だったらこんな思いをすることも・・・それもいやだ。そんなの俺じゃなくなる。こわい・・・おれはどうすればいいんだ――ああ落ちる・・・おちる――
⚔「よしよし・・・大丈夫、大丈夫だ。お前は何も悪くない。怖いことなんて何もない、俺はお前の味方だ」
⚔(また酷い顔を・・・こいつは恐怖で引き起こされるトラウマが強すぎる。先日、元凶に会ったものだから余計に記憶が濃くなっているのだろう・・・・・・待て、こいつはたしかクリフランドで崖から突き落とされたと言っていなかったか?そしてここに来たことがあり、知識があるのにも関わらず未踏破。ここに来るまでの道の恐ろしいまでの高低差。まさか・・・!)
🍎「あ・・・ぐ・・・おち・・・る・・・」
⚔「やはり・・・!テリオン、過去に囚われてはいかん!ハーブだ、食え!」
🍎「んっぐ・・・・・・すまん。また、取り乱しちまったか。あの一件以来あんたの足を引っ張ってばかりいる気がするな」
⚔「気にするな。お前が苦しんでいる姿を見るのは本意じゃないが、頼られているというのは俺にとっても悪くはないぞ。それに、普段の旅の物資やサポートはかなりお前に任せきりなのだ。こういう時ぐらい年上としての見栄を張らせてくれ」
🍎「そういう・・・ことなら」
⚔「それからこいつも持っておけ」
🍎「恐怖耐性ストーン?」
⚔「ああ、今のお前には必要なものだろう。ここでは恐怖を使ってくる魔物もいるし、精神が弱っている今のお前が受ければ致命的だ。ここは魔物が弱いから問題ないが、大切な局面でこうなってはどうにもならん」
🍎「・・・その通りだ。忠告は素直に受け取っておく。悪いな、オルベリク」
⚔「だが、勘違いはするな。あの時、ダリウスとやらに心の弱い奴だと詰られていたが、お前の心が特別に弱いわけでは無い。あんな仕打ちを受ければそうなるのは当然なのだ。俺だってエアハルトと和解できた今だからこそこうしていられるが、国が滅んでからこの八年、悪夢を見ながらすっかり心は腐って死んでいた。コブルストンで必要とされることで少なからず己の心を癒そうとした。今でもホルンブルグ跡地に穏やかに直面できるかというときっと無理だ」
🍎「あんた・・・も?」
⚔「ああ、だからお前が裏切られて殺されかけたこの地でそうなるのも当然なのだ」
🍎「気付いていたのか・・・」
⚔「この高さから落ちて生きていたのは奇跡だろう。お前はあのとき死んでいればと思ったことがあるかもしれんが、俺は生きていてくれて良かったと思っている。お前のことは好ましく思っているからな」
🍎「・・・身体がか?」
⚔「心が、だ」
🍎(そうか、俺が生きていて良かったと思っているのか。・・・俺に生きる価値が、あるのか。道具でも踏み台でもないテリオンに。世辞や義務感で言ったのかもしれんが、それでも・・・少し、救われたような気がする)
⚔「ふ・・・少し良い顔になったか?お守りが効いているのかもしれんな。よし、そろそろ進むとするか」
🍎「・・・・・・俺にとってのお守りはあんただよ」
⚔「何か言ったか?」
🍎「なんでもない。行くぞ」



⚔「リバーフォードが見えてきたぞ。・・・ふむ、城壁に囲まれていて町の様子は見えんな・・・む、雨か?」
🍎「通り雨か?止むまでそこの洞窟でやり過ごすか」
⚔「見たところ自然にできたような洞窟だが、随分と人の手が入っているな」
🍎「昔に聞いた話だが、ここはとある貴族の隠れ家だったらしい。既に没落して貴族の影も形もないが宝は残っているなんて噂もある。強力な魔物が住み着いたとかで結局放置されているようだったがな」
⚔「そうか・・・奥まで行くのは危険だということだな」
🍎「ああ、だから入口付近で・・・」
⚔「っ!?危ない!」
🍎「な・・・っ!?ギガンティアス!?こんな所に!?」
⚔「最奥に住み着いている、などの先入観は捨てるべきだったか・・・だが、勝てない相手ではない。まずは落ち着いて攻撃力を削ごう。力が出ないか?」
🍎(妙に素早い、あんな図体でありながらまともに攻撃を当てるのは困難だな。そうだ、弓なら弱点な上に当たりやすいはず。あまりもたついている暇もない・・・ここは狩人で早期決着を狙う!)
🍎「さみだれ矢!」
⚔(薬師じゃないのか!?焦りは禁物だぞ、テリオン!)
⚔「ぐ・・・力溜めを誘発する戦法は有効だが、素の攻撃がかなり重い・・・!」
🍎「大丈夫だ!すぐにブレイクを取る!」
⚔「これで立て直しは可能か・・・俺は攻撃する。お前はコウモリを・・・」
🍎「守りがガラ空きだ!」
⚔(あくまで攻めるだと!?くっ・・・確かに仕留められる可能性は十分ある範囲!だが・・・仕留められなければ一気に危険に身を晒すことになる!それでもこの状況ならばやるしかあるまい!)
⚔「十文字斬り!」
🍎「やったか!?・・・あっ」




⚔「テリオーーーーン!!!」
⚔(一撃・・・!それもかなり危険な食らい方をした!本当に相手の体力もわずかだったというのに、俺の力不足か・・・!テリオンは心配だが、この状況・・・まずはトドメを刺すしかない!)



⚔「これでひとまずは安全か・・・テリオン!無事か!?」
🍎「ぅ・・・・・・」
⚔(良かった、息はある・・・リバーフォード。ヴェルナーの息がかかっているであろうとは言え町は町だ、宿はある。治療するならばここよりは遥かにマシなはずだ。・・・・・・行こう)



⚔(城壁に一つしかない入口・・・そして検問。随分と徹底しているが賄賂ひとつでこうもすんなり行くのだな。町民の待遇も衛兵次第ということか。歪んだ政だな・・・これがヴェルナーのやり方か。なんにせよテリオンを早急に宿に連れて行かなくてはならない。探るのはその後だ・・・・・・!?)



⚔「広場に処刑台を作って見せしめとは悪趣味な・・・!」
🍎「こう・・・して・・・犯罪者を見せしめにして・・・逆らう奴を減らす・・・容赦なし・・・だ・・・」
⚔「テリオン!目が覚めたのか!いや、まだ喋るな。俺は大した処置はできなかったから傷に障るぞ。まずは宿へ行く。話はそれからしよう」



🍎「痛っ・・・よし、こんなもんか。礼を言うぜ、旦那」
⚔「全く・・・もう少しコウモリで粘れば良かったものを無茶しおって・・・」
🍎「あの時はあんたの体力もかなりギリギリだった。力溜めが来なければどっちにしろやられている状況だったし、それならあんたに賭けてみようと思ったんだよ」
⚔「なら、俺があそこで仕留め損ねたのが原因か・・・」
🍎「いや、あんたのせいじゃない。結局は俺が焦っちまったのが悪かった。そもそも狩人じゃなくて商人で緊急回避や傭兵を使えばよかったんだ。もしくは薬師でじっくり回復をすればよかった。それにちゃんとあんたはあれを倒してくれたし、二人とも生きてるんだ。結果オーライだろ?」
⚔「はぁ・・・お前と過ごしていると心臓がいくつあっても足りんな。あまり無茶をしてくれるな。こんな旅をしていれば仕方がないとはいえ、本当はお前に傷ついて欲しくはないのだ、俺は。ドーターの力で治りが早いとはいえ今回も相当ひどい傷を負っただろう」
🍎「ああ、手を煩わせてすまなかったな」
⚔「俺のことはどうでもいい。・・・最低限一日は療養するぞ。俺もなんだかんだ疲れている。行動を起こすのはそれからだ。お前は先に寝ておけ」
🍎「・・・あんたは?」
⚔「少し、出てくる。調査ではなく、買い出しや軽く身体を動かすだけだ。心配はいらん」
🍎「あんたに限ってそんな心配はしていない。俺はただ・・・いや、なんでもない。寝る、お休み」
⚔「ああ」
⚔(何故そんな寂しそうな顔をするのだ・・・やはり、癒えてはいないのだろうな)



🍎「ん・・・朝?」
🍎(丸一日寝ちまったのか・・・ダメージが相当大きかったんだな。その分回復はした。それに胸にずっと燻ぶっていた焦燥感も薄れている、睡眠は偉大ということか。それになんだか包み込まれているように暖か・・・包み込まれて?)
🍎「・・・オルベリク!?」
🍎(人が真横に来ても起きなかっただと!?この俺が!?)
⚔「む、起きたのかテリオン。随分長い間眠っていたな。俺が寝て起きてもまだ眠っていたぞ。うむ、顔色も良くなったようで何よりだ」
🍎「あ、ああ、おかげで体調は・・・じゃない!なんで俺の布団で一緒に寝てるんだ!?」
⚔「寝込みを襲おうとしたわけではないぞ」
🍎「あんたがそんな趣味が無いのはわかっている!じゃあ、なんで・・・」
⚔「お前は寝ていたから無意識だっただろうが、あんなに泣きながら服の裾を掴まれれば添い寝ぐらいしたくなるというものだ。ははは、根底は結構甘えん坊なところがあるのだな」
🍎「~~~~~~っ!!!!そんなわけ・・・!」
🍎(そんなわけがない?オルベリクがいれば安心できるのは確かだし、甘えてしまいたくないかと言われれば絶対に否定はできない。それに眠る前に外に出ると言ったあいつに対して俺は何を考えた?置いていくのかと一瞬でも思わなかったか?つまり・・・)
🍎「・・・・・・ガキだな、俺は」
⚔「俺はそんな素直なお前が好きだぞ」
🍎「ええい!その話はもういい!はぁ・・・ヴェルナーをとっちめるんだろ。まずは領主の元へどうやって乗り込むか・・・町がどんな状況かを探るところからだ」
⚔「そうだな、お前の体調ももう問題は無さそうだ。まず、リバーフォードだがヴェルナーが恐怖による圧政を敷いているのは間違いないだろう」
🍎「確か、ホルンブルグが滅んだのは八年前だったな。俺は六年前までこの町にいた。その頃には既に火炙りによる見せしめは始まっていたが、対象は凶悪犯だけだった。悪党だった俺達は身の危険を感じてさっさと町から出てしまったからその後のことはわからんが・・・」
⚔「月に四人、処刑されているそうだ。お前の言うような犯罪者は既にいないが、その代わりに領主の批判や冤罪などで火炙りにされているようで誰も逆らう事が出来ない」
🍎「だが、現状に不満を持つ町民は必ずいるだろう。この町に詳しくて反抗の意思がある・・・そういった者に接触できればいいが、探すのは至難の業だな」
⚔「ともかく、町へ出てみなければ自体は進まないだろう。テリオン、いけるか?」
🍎「万全だ、問題ない」



⚔「下層の方へと来てみたが、住民の態度が余所余所しいな。俺達を警戒しているのだろうか・・・」
🍎「衛兵が定期的に巡回に来ているのか。どいつもこいつも冤罪からの火炙りに恐怖を抱いている様子だ・・・ん?反逆者だと・・・?」
⚔「あの男は・・・広場で火炙りについて教えてくれた者だ!」



🍎「この道は確か・・・オルベリク、その男はそこの通路の窪みに入らせて衛兵にはあっちへ走って行ったと言え。急ぎならばそちらへ行ってくれるはずだし、万が一ここを軽く探られてもそこは相当目を凝らさないと見えないはずだ」
⚔「わかった」



🍎「まさかこうも簡単にレジスタンスに接触できるとはな。グスタフの時と言い、あんたは歩けば目当ての情報に当たる。羨ましい限りだ」
⚔「上の者に接触するためには俺の強さを証明しなくてはならんがな」
🍎「あんたなら余裕だろ?」
⚔「ふっ・・・お前にそう言われるならば情けない所は見せられんな」
🍎「広場の・・・赤い帽子の男、あいつか」


⚔(少しはタフなようだが、攻撃力はさほどでもない。そして俺は・・・これを習得してきた!)



🍎「雷剣将の奥義・・・!いつの間に習得していたのか」
⚔「お前が寝ている間に鍛錬をしていたのだ。あの時、きっちり仕留めきれていればお前が傷付くことも無かったのだと思うとな・・・ちょうど試合をしたいと言うセルバンデスという変わった者もいたから丁度良かった」
🍎(こいつ、俺に対して少し過保護になってないか?)
🍎「ともかく、これで頭首に会えるわけだ」



⚔「なるほどな、彼は前領主の息子・・・前領主がヴェルナーに不正で取って代わられた復讐・・・いや、ハロルドはそんな男ではなさそうだ。ただ単に民を想っているのだろうな」
🍎「これだけ慕われているもんな。俺は前領主が治めていた頃を知っているが、あいつの父親ということは本当に悪い人間というわけではなく、ただの無能で甘い男だったんだろう。あの頃は衛兵が随分好き勝手やっていたし、盗賊団もかなりやりたい放題活動できる程度には緩い町だった。だからこそ俺とダリウスもずっと居座ってたんだがな」
⚔「だからこそあっさり不正をでっちあげられて失脚した、か・・・これがヴェルナーという男のやり方なのだろう」
🍎「脅せばいう事を聞くと思っている。まあ、大半の人間には事実だがな・・・」
⚔「だが、言うことも聞かんものもいる。テリオン、お前もそうだったのだろう?」



🍎「ガキの頃から何度も殴られ、脅されてきた。それでもいつか目にもの見せてやる・・・そう思って生きてきた」
⚔「ハロルドたちも似たようなものなのだろう。あれだけの恐怖政治をみてもなお、民のために立ち上がる――
🍎「だが、あいつらは頼りにできるのか?随分甘い男に見えるが」
⚔「人望のお陰で数も集まっている。数がいれば各々の力は微々たるものでも何かしらのやりようはあるはずだ」
🍎「・・・まあ、この件に関しては俺の知ったことではない。いつも通りあんたのサポートに回り、ダリウスとの思い出も克服してみせるだけだ」
⚔「お前にとっても因縁の地だったな、ここは」
🍎(ダリウスと暮らした日々・・・大変だったが一緒に居ればそこまで辛くもなかった。あの時、シアノ一家に手を出さなければまだ俺はお前と共に・・・いや、違う。あれはきっかけだっただけでずっと疎まれていたなら遅かれ早かれこうなっていたんだろう。それに過ぎたことはしょうがないんだ。なんだろう、あれだけ苦しかった思い出が随分穏やかに思い返せるようになった。きっと・・・今、この町でオルベリクが一緒にいてくれるから・・・)
⚔「お前は殴られるたびに目にもの見せてやると言ったが・・・ダリウスに裏切られたときにそういう思いを抱くことは無かったのか?」
🍎「え・・・・・・?」
⚔「お前がタダで転ばないやつなのは良くわかっている。だからそういったことを聞かないのが不思議でな」
🍎(そういえばそうだ。暴力でやり返そうとかではなかったが、衛兵に対していつか後悔させてやるなんて思って盗みを働いたこともある。じゃあダリウスはなんで・・・?俺はなんであいつのいいようにやられっぱなしで燻ぶっていたんだ?ダリウスは大切な唯一無二の兄弟だった。だから、あいつを殺したいとかはない。恨むのも面倒だった・・・だけど、せっかく再会したんだ。ちょっとぐらい怒っても良かったんじゃないか)
🍎「く・・・くく・・・!!こんな単純なことを思いつきもしないとはな。どうせ竜石を取り返さなくちゃいけないから必然的に会うことになるんだ。ちょっと壮大なケンカをするぐらいで考えておけばよかったんだ。全く・・・我ながらどれだけショックを受けていたんだ」
⚔「・・・・・・!」
🍎「感謝するぜ、オルベリクの旦那。この一幕が終わったら俺はノースリーチへ向かう。あいつに一言ぐらい物申してやらんとな」
⚔「ふ・・・いい顔だ。吹っ切れたようだな。では、今回の作戦だが、陽動部隊が広場で暴れている隙に我々が隠し通路で屋敷へ潜入し、ヴェルナーを討つ!」
🍎「単純な手だ。でもあの集団はほぼ素人だ。それぐらいしか手が取れないんだろうな。全く・・・オルベリクがいなけりゃ人材不足もいいところだ」
⚔「だからこそ俺達が迅速に決着を付けなければならない。いけるな?テリオン」
🍎「よし、行くぞ。あの地下通路は俺も少しは状況を知っている。ガキの頃、隙間から入れそうだったもんでダリウスとねぐらにしようか相談したことがあったからな。結局魔物がうろついていたり、不便だったりで断念したが」
⚔「魔物がうろついているのか、迅速に行くならばお前は学者で行ってもらおうか」
🍎「あんたは商人なのか。珍しいな?」
⚔「ふ・・・数があればそれなりの力にはなるといっただろう?傭兵を最大限活用するつもりだ。よし、突入するぞ!」



🍎「よし・・・順調だ。少々厄介なナメクジなどもいるが危険ってほどでもない」
⚔「あの広間を抜ければ領主の屋敷だ。今のところ、ヴェルナーの私兵の姿も見えないな」
🍎「問題はこの地下通路から繋がる道が一本のみということだ。もし、陽動がバレていれば待ち伏せされて一掃されちまう。そしてヴェルナーは狡猾な男だ・・・これが杞憂で終わればいいんだが」
⚔「・・・あれは!」
🍎「ちっ・・・杞憂で終われなかったみたいだな」
⚔「ハロルド!」
🍎「まずいな、早く手当しないとあいつらに命の危険が及ぶ・・・!オルベリク!」
⚔「こっちはいい!テリオン!彼らを頼む!」
⚔(とはいったものの・・・数が多い!このままでは・・・)



🍎(だめだ、矢が貫通してきている・・・。オルベリクがある程度叩き落としてくれているし、前衛の兵士の足止めはしてくれているが俺はこいつらを治療するのと流れ弾を落とすので精いっぱいだ・・・ジリ貧だな)
⚔「だが・・・今度こそ俺は守ると誓ったのだ!」
🍎「せめて俺以外に治療ができるやつか手練れのやつがいれば・・・・・・!?」
⚔「この声は!」



🍎「エアハルト・・・!あいつ、来てくれたのか。ふ・・・相変わらずいいコンビだな」
⚔「テリオン、ここはエアハルトが引き受けてくれた。だが、ヴェルナーが一度引いた・・・やつを自由にするときっとろくなことにならん。あいつを追う」
🍎「ああ、あいつらも最低限の治療はしたし、そっちの知識を持っている奴もいそうだ。エアハルトがしくじらなきゃあとはなんとかなるだろう。お前の親友だ、あいつの腕は信じてもいいのだろう?」
⚔「勿論だ。さあ、行くぞ!」



🍎「たしかエアハルトは言っていたな、ヴェルナーは『怖い』と感じると。恐らくヤツの特性が恐怖付与なんだろうな」
⚔「ならば恐怖耐性ストーンは欠かせんな。お前の健全化では手が回らんだろう」
🍎「あいつが魔法を使うとは思えん。物理重視だろうな。コウモリは欠かせないか」
⚔「俺も傭兵を呼んで物理耐久を上げるとしよう。多少金を使う事になるが構わないな?」
🍎「今更だろ?そんなことを言ったら俺の盗みの失敗だって許容できんだろうが」
⚔「愚問だったか。行くぞ!ヴェルナー!」



🍎「何故馬に・・・?いや、それは置いておこう。まずは攻守一体とコウモリで耐久面を確保する」
⚔「く・・・っ!威圧が厄介だな。防御は傭兵と相殺してしまうし、俺達の攻撃は物理重視だから攻撃力が下がるのも苦しいところだ」
🍎「相殺ってところが幸いか。かけ直せば問題はない・・・短剣が弱点なのが攻められる点だな」
⚔「回復役のおまえが削りの主力というのも厳しいところではある・・・そうだな、切ってしまうか」



🍎「良いダメージだな。だが、貴重なジャムを切ってしまって良かったのか?」
⚔「ここで勝てねば先は無い。それに、お前が寝ている間にセルバンデスという者と試合をしたと言っただろう?あいつが時々全回復のジャムをくれるからな」
🍎(じゃあ、もしかして盗みの為にダンジョン巡りする必要は無かったんじゃないか・・・?)
⚔「・・・しまった!禁断の剣の効果が!」
🍎「ヴェルナーの攻撃力が上がっちまったか!うっ・・・薙ぎ払いが痛すぎる・・・ここは回復、いやコウモリをかけねばジリ貧になる!そいつはなまくらか?」
⚔「傭兵で防御を上げて・・・これで俺に攻撃が飛んでくれば・・・!」



🍎「がはっ・・・う・・・まだと・・・?」
⚔「テリオン!まさか馬まで攻撃してくるとはな。落ち着け、まずは俺のHPを保ち整えた後に復活させる・・・テリオン、悪いが死ぬ覚悟でコウモリを入れてくれ」
🍎「う・・・そいつはなまくら・・・がっ・・・!」
⚔「すまん!だがこれで立て直す余裕が幾許かできた。今度こそ起きろテリオン!」
🍎「げほっ・・・!よし・・・ギリギリ耐えられたな。ヴェルナーは思った以上に強敵だ。全回復のジャムも惜しみなく使っちまおう」
⚔「それがいい。よし、ここはチャンスだ。攻撃ダウンも、防御アップも入っている・・・ならば溜める!はぁああ!!」
🍎「守りがガラ空きだ!」



⚔「よし・・・!あともう少しだ」
🍎「威圧や薙ぎ払いも困るが、後ろ蹴りの気絶が一番厄介だな」
⚔「健全化があるとはいえ、常に対策している余裕はない。気絶したならばすぐに起こすしかない」
🍎「うっ・・・」
⚔「言っている傍から・・・!待ってろテリオン、すぐにハーブ・・・を・・・」



⚔(な・・・無い!?バカな、俺はリバーフォードで一通り買い出しを行ったはず・・・くっ、無いものは仕方がない、ブドウとジャムで耐えるしかない・・・ダメだ!テリオンがいなくてはジリ貧だ)



⚔「本当にあと、少しだと言うのに・・・!ヴェルナー!!」
⚔(落ち着け、ヤツの残りのシールドは3、短剣・・・そうだ踊子を呼べばいい、そして特大オリーブ、これだ)



🍎「くそ・・・またやられてたのか、俺は」
⚔「すまない、気絶の治療ハーブを買い忘れたようだ」
🍎「いや・・・この町じゃ、あえて売ってないんだろうよ。恐怖も無いからな、あいつに邪魔な要素を排除しているんだろ」
⚔「成程な・・・だが、体勢は建て直せた。気を緩めるな!防御を固めながら堅実に削っていく!」
🍎「短剣がまた弱点になっているな、任せろ」



🍎「攻防のバフもデバフも何もない。だが、あんたならやれるはずだ・・・信じるぞ!やれ!オルベリク!」
⚔「雷剣将ブランドよ!」



🍎「や・・・った!」
⚔「はぁ・・・はぁ・・・ヴェルナー、恐ろしい男だった・・・あとはヤツに真意を問いただすだけだ」



🍎「フィニスの門・・・?聞いたことが無いな」
⚔「ホルンブルグで暮らしていたはずの俺ですら初耳だった。だが、ヤツは自決してしまった・・・もう何も聞くことはできん」
🍎「謎は残っちまったが、ともかくあんたの仇は討てたし、町にも平和が戻った。後はこの町の立て直しだけだな。あんたはハロルドやエアハルトの旦那と事後処理だろ?俺は怪我人の処置にあたろう。俺は本職じゃないが、本職の薬師が来るまで持たせる程度はできるはずだ」
⚔「ノースリーチはいいのか?」
🍎「さすがにこれをほっとくのは無しだろ・・・それに、俺も平和になった町に浸る時間ぐらいは欲しいからな。・・・ろくでもない子供時代だったが、それでもあいつと・・・ダリウスと長い時を過ごした町だ。良くなってくれると俺はきっと嬉しい・・・と思う」
⚔「ふ・・・はっきりしない答えじゃないか。まあ、それだけ複雑な気持ちを抱えているのだろう」
🍎「自分でもよくわからんさ、こればっかりはな。だが、不思議とあいつに真正面から会おうって気にはなったんだ」
⚔(あの砂漠で見せた今にも消えてしまいそうな危うい顔はもはや見えないな。もう心配はなかろう)
⚔「テリオン、この事後処理が終わったら、ノースリーチへ行くのだろう?俺も勿論ついていく」
🍎「・・・いや、一度コブルストンへ行こう」
⚔「・・・何?俺に気を遣う必要はないぞ?」
🍎「別にあんたに気を遣っているわけじゃないさ。ただ・・・行ってみたくなった、それだけだ。いいだろ?それにヒースコートから連絡が来てないということはまだノースリーチは厳重警戒態勢なんだろうよ。あんたがいれば平気なんだろうがわざわざ危険を冒すこともないさ。それなら今のうちにのんびり仲間の家でお泊り会だ。いいだろ?」
🍎(ヴェルナーすら打ち倒した今、きっとダリウスの盗賊団なんて烏合の衆なんだろう。そういった油断を振り切るためにも、こいつの帰る場所を目に焼き付けておきたい。絶対に・・・無事に帰すと)
⚔「やれやれ・・・お前が言うと本気なのだか冗談なのだか。だが、行くと言ったからには意味があるのだろう。俺の二番弟子としてフィリップに挨拶でもしておくといい」
🍎「フッ・・・では、そうさせていただきましょうかね。オルベリク師匠」
⚔「俺の家は自分の家だと思って寛いでくれていいからな」
🍎「得体のしれない盗賊を警戒しながら出会った当初からは考えられん言葉だな?まあ、お邪魔させてもらうさ。ノースリーチへ出発するまでな」