あっという間に大きくなるとヴォルスタッグも言っていた。たしかにそうだ。膝に抱える弟の手足は日増しに伸びていくし、重みだっていつの間にやら増している。いまなんか眠っているから余計に重い。ベビーベッドの柵越しに眺めた頃が遙か遠い過去のようだ。自分だってもう、あの柵を越して自力で弟を抱き上げられるぐらいには大きくなったが、それより弟がベビーベッドを卒業する方が少しばかり早かった。でもまだ、弟を連れて馬に乗ることはできない。
出掛けに顔を見ようなどと思わなければよかっただとかそんな後悔は胸の内に燻っているが、小さな弟に袖を引かれて、置いていくわけにもいかない。だってソーはロキの兄なのだ。世話をしなくていいと言われても、弟の小さな手は少しの躊躇いもなく遠慮を知らない力加減でソーを捕まえるし、きっとソーが振りほどけないと知っているに違いない。
頬杖をやめて両腕で弟を抱き直すと、ソーはため息交じりにつむじへ唇を寄せた。――早く大きくなればいいのに。そしたら一緒にどこへだって行けるだろう。
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おやすみも合図も入ってないので没にした
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