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しゅう as 猫田しゅうぞう
2018-07-29 16:55:16
1043文字
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その他色々二次創作
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見えない
FGOスルオフェ/2部2章ネタバレ
背後で霊体化を解いたスルトが肩越しに窓の外を覗き込む。その気配に薄ぼんやりとしていた意識が引き戻された。
「何を見ていた」
「べつに何か、というわけではないわ」
隣の騎士を一瞥もせず、オフェリアは答えた。
城の窓から見えるのは、いつも通りの変わらぬ狂った風景だ。
雪積もる氷の山脈に炎が揺れている。スルトの炎だ。あれこそが世界を灼いた痕なのだという。スカディは灰燼にされたこの異聞帯に雪を降らせ、氷で閉ざしたが、未だそれを消しきれていないという。
世界を雪と氷に閉ざしたスカディの魔力を恐れるべきか、未だ世界を灼こうとする残り火を恐れるべきか、いずれの気持ちも他人の持ち物のように遠くてオフェリアには実感がなかった。
だが見慣れてしまっても、この光景はとても綺麗だ。炎と陽射しに、木々を覆う氷の粒がきらきらとまたたいて、昼の夜空のよう。美しいと思う気持ちはまだ尽きない。
しばらくの間黙り込んだスルトはしばしの間オフェリアの横顔を見つめると、それからもう一度窓の向こうを見た。
何か言いたいことがあるらしいが、めずらしくはっきりしない。気配にうんざりして、オフェリアはスルトを見上げた。
フェイスガードで覆われた顔面は表情など見えず、瞳の色ぐらいしかわからない。元々彼が表情豊かとは思わないが、言葉代わりのボディランゲージもほとんどないので、機嫌さえもよくわからなかった。
「何。言いたいことがあるのなら
――
」
「おまえは窓辺が似合う」
迷いなく投げ返された意味不明な発言が理解できずに瞬きすると、面の下で破顔しているとわかるほど大きく、スルトは笑い声を上げた。傲慢な笑い方で鼻につくが、それを封じる方法をオフェリアは知らない。
「意味がわからない」
冷たく片目を細めて、外の空気より冷たく言い返すことしかできない。そういう態度さえ彼が面白がるとはわかっていても、性分なのだ。変えられない。
「そうだろうな。おまえはそういう所がいい。俺はそんなおまえに選ばれたことをつくづく光栄に思う」
クククと喉奥でまだ笑う男が不快で、オフェリアは窓に背を向けた。
あなたを選んだりしていない
――
そう吐き捨ててやりたいのをこらえる。言ったところで意味がない。やりなおしも効かない。
「ではその名誉に殉じる証として、呼ぶまで消えていて」
了承の言葉とともにスルトは霊体化して姿を消した。しかしまだ笑みの気配がする。
何が面白いというのだか、オフェリアにはわからない。からかわれるのは好きじゃない。
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