aka
2026-07-18 11:22:12
7322文字
Public DC
 

【敢高】星を待つ場所

日焼け/廃墟/星 3つのキーワードで書くお題

 七月の太陽は、標高の高い場所ほど容赦がない。
 空気は平地よりも涼しく、木陰へ入れば吹き抜ける風も爽やかであるというのに、遮るもののない場所へ出た途端、強い日差しが肌を刺す。目に見えない薄い刃でじりじりと皮膚を削られているような感覚に、敢助は右目を眇めながら額に浮いた汗を腕で拭った。
「おい、高明コーメイ。そっちじゃねえ」
 少し先を歩いていた高明が足を止めた。色の薄いワイシャツは肘まで袖を捲られ、日に焼けることを知らないような白い腕が剥き出しになっている。振り返った顔はいつも通り涼しげだったが、整髪料の落ちた細い前髪が額に張りつき、こめかみには汗が伝っていた。
「こちらの方が近道ですよ」
「見りゃ分かる。日向を歩くなっつってんだ」
「子どもではないんですから、その程度のことは自分で判断出来ます」
「出来てねえから言ってんだよ。お前、もう耳まで赤くなってんぞ」
 高明は僅かに眉を寄せ、自分の耳へ触れた。そんなことをしても本人には色など分からないだろうに、白い指先で耳の縁を確かめるように撫でている。
「朝、日焼け止めは塗りました」
「何時間前の話だ」
……七時間ほど前ですかね」
「効果切れてんだろうが」
 敢助が杖の先で木陰となっている遊歩道を示すと、高明は不服そうな顔をしながらも大人しく戻ってきた。敢助の左隣に並び、歩調を合わせて歩き出す。木漏れ日が白い腕の上をちらちらと流れてゆく度、既にうっすらと赤みを帯び始めた皮膚が目について仕方がなかった。
 大和敢助は元々肌が浅黒く、日に焼けても多少色が濃くなる程度で済む。それに対して高明の肌は、夏の日差しを浴びても健康的な小麦色になることはなく、熱を持って赤くなるばかりだ。昔からそうだった。小学生の頃、プールから上がった高明が肩から背中まで真っ赤にして、夜になっても痛みが引かないと珍しく弱音を吐いていたことを思い出す。
「なんです、その顔は」
「別に」
「昔のことでも思い出しているんでしょう。君は分かりやすいですからね」
「うるせえ。分かってんなら日陰歩け」
「はいはい」
「返事は一回」
「君は私の母親ですか」
 いつも通りの憎まれ口に舌打ちを返し、敢助は木々の向こうに見えてきた建物を見上げた。

 かつてその高原には、小さな宿泊施設を併設した私設天文台があった。
 三十年ほど前、都会から移住してきた天文学者が私財を投じて建てたものだという。週末には観望会が開かれ、夏休みになると県内外から多くの親子連れが訪れた。だが、経営者が亡くなってから客足が遠のき、十年ほど前に閉鎖されている。土地と建物の権利関係が複雑だったこともあって取り壊されることもなく、今では地元で有名な廃墟となっていた。
 外壁は雨風に晒されて灰色にくすみ、蔦が建物を覆うように伸びている。丸い観測ドームは半分ほど崩れ、錆びついた骨組みが夏の青空に剥き出しとなっていた。
 その廃墟で、昨夜からひとりの青年が行方不明となっている。
 二十一歳の大学生である青年は、前日の夕方、母親に「父さんの望遠鏡を取りに行く」と言い残して家を出た。亡くなった父親は、かつてこの天文台で職員として働いていたらしい。青年が乗っていた軽自動車は今朝、建物へ続く林道の入口で発見された。運転席には財布も鍵も残されていたが、本人の姿はなく、助手席には古い望遠鏡を入れるための空のケースだけがあった。
 携帯電話は繋がらない。更に、閉鎖された天文台の裏口付近から少量の血痕が見つかったことで、管轄の警察署だけでなく県警本部の捜査一課にも応援要請が入ったのだ。
 周辺の山林では既に警察と消防が捜索を行っている。敢助たちは建物の所有者から許可を取り、消防隊員と共に内部へ入ることとなった。
「床が腐っている箇所があります。必ず足元を確認してください」
 先頭を進む消防隊員が声をかける。
 割れた窓から入り込んだ蔦が、薄暗い廊下の壁を這っている。床には剥がれ落ちた壁材とガラス片が散乱し、靴底で踏む度にじゃりじゃりと音を立てた。湿気と黴、長く閉ざされていた建物に特有の淀んだ匂いがする。
「こういうところに好んで来る人間の気が知れませんね」
「お前みてえに本棚眺めて喜んでる奴と大差ねえだろ」
「本と廃墟を一緒にしないでください。少なくとも、図書館の床は抜けませんよ」
「事件追ってりゃ崖からでも滝つぼからでも飛び込む奴がよく言うぜ」
「飛び込んだわけではありません」
「俺を庇って落ちたんだから似たようなもんだ」
 前を歩いていた消防隊員の肩が僅かに揺れた。笑われていますよ、と高明が小声で言う。
「お前のせいだろ」
「どこが」
「口喧嘩は外に出てからにしてもらえますか」
 後ろから由衣に窘められ、二人は揃って口を噤んだ。
 一階には受付と食堂、厨房がある。人が立ち入った痕跡を探しながら進むと、埃の積もった受付カウンターの上に、比較的新しい菓子の包み紙が落ちていた。高明が白い手袋を嵌め、証拠品袋へ収める。
「製造年月日を見る限り、少なくとも一年以内に誰かが持ち込んだものでしょう。彼の物とは限りませんが」
「肝試しに来る馬鹿が多いらしいからな」
「裏口の鎖も何度直しても切られるそうよ。今回も切断されていたけど、錆び方から見て最近のものではないみたい」
 由衣の報告を聞きながら、敢助は受付の奥にある壁へ目を向けた。
 色褪せた星座のポスターや観望会の案内に混じり、一枚だけ斜めに傾いた写真が飾られている。建物がまだ新しかった頃に撮られたものらしく、屋上に並んだ大勢の子どもたちが夜空を指差して笑っていた。写真の端には若い職員が立ち、その隣に小学生くらいの男の子がいる。
「この男、行方不明者の父親じゃねえか」
 高明が敢助の指す写真へ顔を寄せた。敢助の肩越しに覗き込むため、日に焼けた耳が頬の近くにある。じわりと熱を持っていそうな赤い皮膚が目に入り、敢助は無意識に手を伸ばした。
「熱いですね」
 触れる寸前、高明が敢助を横目に見た。
「まだ触ってねえだろ」
「君の指が熱そうだと言ったんですよ。汗をかいているでしょう」
「紛らわしい言い方すんな」
「君が勝手に勘違いしただけでは?」
 敢助は腹立ち紛れに、赤くなった耳を指先で弾いた。
「痛っ」
 珍しく素直な声を上げた高明が耳を押さえ、敢助を睨む。
「やはり子どもの頃から何ひとつ成長していませんね、君は」
「日焼けしてるところ触られたくなきゃ大人しく日陰にいろ」
「話を蒸し返さないでください」
「二人とも、捜査中」
 再び由衣に窘められ、敢助は写真へ視線を戻した。
 行方不明となった青年の父親に間違いない。隣に立つ少年は、年齢から考えて青年本人だろう。写真の下には、手書きで日付と「ペルセウス座流星群観望会」の文字が記されていた。
「昨夜も、流星群の極大が近かったはずです」
 高明が写真を見つめたまま言う。
「まさか、星を見るためだけにこんな廃墟へ入ったってのか」
「彼にとっては、ここで見ることに意味があったのかもしれません」
 高明の声音が僅かに柔らかくなる。
 失われた家に戻り、そこに残されたものを確かめずにはいられない人間の気持ちを、この男は知っているのかもしれない。敢助はそれを指摘せず、壁に貼られた古い館内案内図を見た。
「望遠鏡が残ってるとすりゃ、観測室か倉庫だな」
「では、二階へ行ってみましょう」

 二階へ続く階段は中央部分が一部崩れ、壁際を一列になって進む必要があった。
 先頭を消防隊員、その後ろを高明、敢助、由衣の順で上がってゆく。敢助は一段ずつ杖の先で強度を確かめながら右脚へ体重を乗せた。左脚を引き上げる度、傷の奥に鈍い痛みが走る。険しい顔をしていれば、高明が何度か振り返ってくるのが気配で分かった。
「前見て歩け」
「君こそ足元を見てください」
「見てるっつーの」
 敢助が杖を次の段へついた時だった。
 湿気を吸って脆くなっていた板が、乾いた音を立てて割れた。杖の先が深く沈み込み、支えを失った敢助の体が左へ傾く。
「敢助君!」
 高明が咄嗟に身を翻した。敢助の腕を掴み、反対の手で腰を支える。すぐ後ろにいた由衣も背中を押さえたため転落することはなかったが、敢助を受け止めた高明の踵が階段の縁から半分ほど外れている。
「お前が落ちる、離せ!」
「離せるわけがないでしょう!」
高明コーメイ、足!」
 敢助の声に、高明が一瞬だけ背後を確認する。消防隊員が上から手を伸ばし、高明の肩を掴んだ。
「諸伏警部、ゆっくり右足を戻してください」
……はい」
 敢助の腕を掴んだまま、高明は慎重に右足を階段へ戻した。由衣に支えられながら敢助も体勢を立て直す。
 誰も落ちなかったと確認出来た途端、高明は敢助の腕を強く引いた。
「君は……っ、君は何度、僕の目の前でいなくなれば気が済むんですか!」
 薄暗い階段に、切羽詰まった声が響いた。
 敢助は目を見開く。高明自身も口から飛び出した一人称に気づいたらしく、一度固く唇を引き結んだ。それから敢助の腕を掴む力を緩め、大きく息を吐く。
……杖を替えましょう。先が破損しているかもしれません」
 既に声は常の落ち着きを取り戻していた。消防隊員から予備の杖を借り受け、折れた階段を避けて二階へ上がる。
 敢助は何も言わなかった。
 ただ、高明の手首を一度掴み、まだ小さく震えている指先を確かめるように強く握ってから離した。

 二階の観測室は、天井の一部が崩落していた。
 大きな望遠鏡は既に撤去され、円形の台座だけが床に残っている。崩れたドームの隙間から真夏の日差しが斜めに差し込み、宙に舞う埃を白く照らしていた。
 青年の姿はない。
 だが、床の埃の上には新しい靴跡が残っていた。入口から台座へ向かい、そのまま部屋の奥にある小さな扉まで続いている。
「案内図にはない扉ですね」
「機材用の倉庫か?」
 扉の前には崩れた天井材が積み重なり、人ひとりが通れる隙間もない。よく見れば瓦礫の一部に新しい血が付着している。
 高明が床へ膝をつき、耳を澄ませた。
「静かに」
 全員が呼吸すら抑える。
 蝉の声と、崩れたドームを通り抜ける風の音。その奥から、かすかに硬いものを叩く音が聞こえた。
 三回。間を置いて、また三回。
「中にいるの!?」
 由衣が扉へ駆け寄る。
「長野県警です! 聞こえますか!」
 返事の代わりに、今度は連続して音が鳴った。
 敢助はすぐに無線を取り、待機していた消防隊員へ救助を要請する。瓦礫の撤去には時間がかかったが、扉が開いた時、その奥には古い天体望遠鏡を抱え込むようにして青年が座り込んでいた。
 額から乾いた血を流し、右足を負傷していたものの意識ははっきりしている。
 昨夜倉庫に入った直後、腐食していた天井の一部が崩れ、扉を塞がれてしまったらしい。携帯電話は圏外で、助けを求めて叫び続けたが、誰にも気づかれなかった。
 担架に乗せられた青年は、錆びついた小型の望遠鏡を胸に抱えたまま離そうとしなかった。
「父の、大事な物なんです」
 掠れた声で、青年が言う。
「母が家を売るから、これももう処分するって。ここも取り壊されるって聞いて……子どもの頃、父と一緒にここで星を見たから。廃墟になっても、ここからなら同じ星が見えると思ったんです」
「だからって、死にかけてどうすんだ馬鹿野郎」
 敢助が怒鳴ると、青年は担架の上で首を竦めた。
「すみません……
「星なんざ、どこから見たって星だろうが。そんなもんのために命懸けんな」
「敢助君」
 高明が静かに制する。それから青年の傍らへ腰を屈め、目線を合わせた。
「同じ星でも、どこで、誰と見たかによって意味は変わるものです。君がここへ来たかった気持ちは、分からなくはありません」
 青年が僅かに顔を上げる。
「ですが、思い出は君が死んでも守ってはくれません。これから先、その望遠鏡で新しい星を見るためにも、二度とこのような無茶はしないことです」
……はい」
 青年は今度こそ、しっかりと頷いた。

 救急車が麓の病院へ向けて走り去った頃には、既に日は山の端へ沈んでいた。
 長い捜索を終えた消防隊員たちも撤収し、由衣は所轄の刑事と共に青年の母親が待つ病院へ向かった。敢助と高明は迎えの車を待ちながら、廃墟の前に並んで立っていた。
 日中の熱気が嘘のように引いている。高原の夜は肌寒いほどで、草むらから虫の声が聞こえていた。
 空には、数え切れないほどの星が広がっている。
 閉鎖された天文台の崩れたドームが、黒い影となって星空を切り取っていた。建物が朽ち、人がいなくなっても、星だけは何も変わらずその上にある。
「確かに、どこで見ても星は星だな」
 敢助が言うと、高明は空を見上げたまま薄く笑った。
「先ほどと同じことを言っていますね」
「事実だろうが」
「君は情緒というものがありませんから」
「廃墟で遭難してまで見るもんじゃねえって言ってんだよ」
「それには同意します。ですが、どこで見るかよりも、誰と見るかが重要なのでは?」
「あ?」
 高明がようやく敢助を見る。薄暗がりの中でも、日に焼けた頬と耳がまだ赤いことが分かった。
「私は、今ここで見る星を悪くないと思っていますよ」
 その言葉の意味を考え、敢助は一度口を噤んだ。
……そういう台詞、もっと可愛げのある顔で言えねえのか」
「君相手に可愛げなど必要ありません」
「本当に可愛くねえな」
「お互い様でしょう」
 その時、夜空の高いところから細い光が一筋、星々の間を縫うように流れて消えた。
「あ」
「おせえよ」
「君は見たんですか?」
「見た」
「願い事は?」
「する暇なんかなかっただろうが」
「おや。君にも星へ願いたいことがあるんですね」
 揶揄うように笑う高明の、日に焼けた耳へ敢助は手を伸ばした。今度は弾かず、熱の残る縁を指の腹でそっと撫でる。
「っ……触るなと言ったでしょう」
「言われてねえ」
「言わなくても分かりなさい」
「俺は情緒がねえんだろ。分かるわけねえな」
 赤い耳から白い首筋へ指を滑らせると、高明の喉が僅かに動いた。
……場所を弁えてくださいよ、敢助君」
「誰もいねえだろ」
「迎えの車が来ます」
「まだ見えねえ」
「君は見えていない範囲が広いでしょう」
「喧嘩売ってんのか」
 高明はくつくつと笑いながら敢助の手首を掴み、首筋から引き離した。だが、その手をすぐには放さなかった。

 「貰いものの蕎麦があるので良かったら」と言った高明に誘われて彼の家に着いたのは、午後十一時を過ぎてからだった。
 敢助が風呂を借りている間に、高明は冷蔵庫にあったもので簡単な夕食を用意していた。冷たい蕎麦に、刻んだ大葉と梅干し、豚しゃぶが乗っている。
「結局、豚がメインじゃねえか」
「細かいことはいいでしょう?」
 腹が減っていたのは確かなので、敢助は大盛りにされた蕎麦を残さず平らげた。
 食事を終え、敢助が食器を洗ってリビングへ戻ると、風呂を済ませた高明がソファに座っていた。薄い部屋着から出た腕は、昼間よりもはっきりと赤くなっている。首筋も、襟元に沿って薄桃色に染まっていた。
「だから言っただろうが」
「説教なら間に合っています」
「冷やしたのか?」
「風呂上がりに化粧水はつけました」
「日焼け用のは」
「洗面所の棚に入っていますよ」
「自分で取って来い」
「君が使いたいと言い出したんでしょう」
「お前に使うんだよ」
 面倒そうに息を吐きながら、敢助は洗面所から日焼け後の肌に使うジェルを持ってきた。高明の隣へ腰を下ろし、容器から冷たいジェルを掌へ出す。
「腕」
 差し出された白い腕に、透明なジェルを塗り広げてゆく。触れた瞬間、高明の肩が僅かに揺れた。
「痛むか?」
「冷たかっただけです」
 敢助の指は、高明の手首から肘へ向かってゆっくりと滑る。赤みを帯びた皮膚は熱を持ち、掌の下でしっとりと湿っていた。反対の腕にも同じように塗り終え、敢助は高明の肩を掴んで背を向けさせた。
「首もだ」
「自分で出来ます」
「見えねえだろ」
「鏡がありますよ」
「うるせえ、じっとしてろ」
 細い襟足を片手で持ち上げる。髪に隠れていた項は、やはり赤く焼けていた。
 掌に残ったジェルをそこへ押し当てると、高明がひくりと息を呑む。敢助は熱を逃がすように、首筋から肩へ丁寧に撫で下ろした。部屋着の襟へ指を掛け、もう少し下まで赤みが続いていないか確かめる。
「敢助君」
「なんだ」
「日焼けを冷やしているだけなら、もう少し手つきを考えてください」
「ちゃんと冷やしてんだろ」
「鎖骨まで撫でる必要はないと言っているんです」
「どこまで焼けてるか見ねえと分からねえ」
「シャツを着ていたんですから、その下は焼けていませんよ」
「そうか」
 敢助は答えながら、赤くなっていない肩口へ親指を滑らせた。
 高明の呼吸が止まる。
……分かっていてやっていますね」
「何のことだかな」
「昼間、君が落ちかけた時から、こちらがどれだけ」
 そこで高明は言葉を切った。敢助は白い項を見下ろしながら、僅かに目を細める。
「どれだけ、なんだよ」
……僕を、あまり煽らないでください」
 低く掠れた声と共に零れた一人称に、敢助の指が止まった。
 次の瞬間には、高明も自分が何を口にしたのか気づいたらしい。振り返ろうとした肩を、敢助は大きな掌で押さえた。
「煽られてんのはこっちだ、馬鹿」
「私は何も」
「戻すのがおせえよ」
 敢助は身を屈め、日に焼けていない肩へ唇を押しつけた。高明の手がソファの端を強く掴む。
「そこは、日焼けしていませんよ」
「知ってる」
 窓の外を一筋の星が流れた。
 願い事を口にする暇は、今度もなかった。

(了)