Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
まめたろう
2026-07-18 00:13:53
10600文字
Public
Clear cache
おにショタまとめ
途中経過です‼️まだ色々手直しするだろうし、増やすし、とにかく完成したらpixivにあげます。
ツイッタにあげたちいちゃい漫画を小説にしたやつ
年の離れた友達と聞いて、
想像する年齢はどのくらい?
近所に住む狛枝は中学生だ。
日向は小学生、それも低学年。
趣味も性格も違うけど、
日向は狛枝のことを友達と呼んだし、
狛枝はそれを嬉しそうに受け入れた。
その日から2人は、よく遊んでいる。
そうはいっても、
中学校と小学校では下校時刻が随分違う。
狛枝は部活に入っていなかったけど、
それでもやっぱり、日向からしたら待つこと変わりはなかった。
基本、日向が帰宅途中の狛枝を見つけて遊ぼうと声をかける。
そうすると狛枝は「いいよ」なんて笑って、日向を家に招いてくれるのだ。
2人の家は近い。
狛枝は両親を亡くし広い家を持て余している。
2人が遊ぶのはいつも狛枝の家だ。
日向の両親は狛枝のことを気にしている様子だが、どういった内容なのか、狛枝は気にしていなかったし、日向は気づいていない。
ある日、日向が下駄箱で同級生の女の子と話していれば、
外から「中学生だ」なんて声が聞こえた。
「珍しーな、やっぱサボりか?」
「いや、他にもいるしよ、4時間授業だったんじゃねぇか?」
そう話しているのは友人である左右田と九頭龍だ、2人は日向に気づき、迎え入れるようにお互いの距離を開けた。
「日向!オメーさっき女子と何話してたんだよ!?告白か!?告白なんか!?」
「別にそんなんじゃないぞ
…
明日の当番だよ」
「嘘つけ!!どーせデートにでも誘われたんだろ!くっそ〜羨ましい!俺だって女子にモテてーぞ!!」
「モテるって、なぁ
…
」
勢いよく肩を組んできた左右田の大きな声が耳に痛い、そうしていると九頭龍が近寄ってきて、コソコソと耳打ちをした。
「遠くてよく見えねえけどよォ、」
なんかアイツ、こっち見てねーか?」
「え?」
「ゲッあれって
………
」
目線を向ければ、そこには控えめに手を振る狛枝の姿があった。
「狛枝!今日は早いんだな!!」
ゼェハァ、下駄箱から走ってきた日向はよろよろと狛枝のズボンを掴んだ。
「うん、今日は三者面談があってね」
「
…
そうか!」
「日向クンわかってないでしょ」
狛枝は足元に抱きついて息を整える日向のランドセルを脱がせ、自分の肩にかけた。
「おわ、良いのに」
「日向クンはボクのために走ってきてくれたんだから、ランドセルくらい持たせてよ」
「そんなもんか?」
「そんなもんそんなもん、ねぇ今日は何して遊ぶ?」
「ハッ、そっか
…
今日は狛枝早いから、いつもよりもっと遊べるな!」
「そうだよ、早く帰って遊ぼう」
「じゃあダッシュは?ナシ?」
「うん、ボク日向クンほど元気じゃないから
…
」
口を突き出して、ツマラナイとでもいいたげな日向は狛枝の周りをうろちょろして歩く。
「なぁ、こないだのゲームのさ」
「うん」
2人が通る道は同級生と滅多会うことがない。
なぜなら通学路から外れているからだ。
狛枝は昔から登校班には入っていないため、色んな道を知っている。
日向は朝、少し遅れて登校班に置いてかれた時、狛枝に教えてもらう見慣れない道が好きだった。
これはなんだ、あれはなんだ、そういう日向に狛枝は面倒くさがらず、ポンポン知識を与えてくれるのだ。
狛枝は自分から話すことはあまりないし、淡白な返事ばかりだが、
しっかり聞いてくれているし、反応を示してくれる。
日向はそれが嬉しくて、狛枝の返事の何倍も口を開く。
狛枝はいつだってニコニコしているけど、
日向が見る狛枝の笑顔はなんだか柔らかい気がして、それも嬉しかった。
そうやって家が近づいてくると、
「あら、創ちゃん」
近所に住んでいるおばさんが声をかけてきた。
「ただいま!」
「凪斗くんも、一緒なのね」
「はい、こんにちは。」
おばさんは何やら狛枝に話しかけている。
日向にはあまり聞こえないし、どうやら話に入れてくれる訳でもないらしい。
もどかしい、日向は早く遊びたいのに!
さっさと切り上げて欲しくて狛枝の手を握ると、狛枝はそれに気づいて手を握り返してくれた。
「じゃあ自分たちはこの辺で。」
おばさんは「まぁ!」なんて、
「あら、あら、創ちゃんったら、今日もお兄ちゃんに遊んでもらえて良かったわねぇ」
「いやいや、ボクが遊んで貰ってるんですよ」
「またそんなこと言っちゃって、本当に仲良しなのねぇ」
ぽかんと口が空く、驚いた。
自分たちはそういうふうに見られているのだ!
なにか言い返したかったが、衝撃が強くて頭が動かない。
おばさんの顔も、狛枝の顔もまともに見れなくて、日向はスーパーに行くと言って去るおばさんの背中をただ、呆然とした様子で見送った。
「行こっか、日向クン」
狛枝は無理に手を引かず、一言かけて日向が歩き出すのを待っていた。
日向は途端に狛枝が大人に見えて、学校の先生たちと何ら変わりなく思えて、胸がジクジクした。
狛枝は中学生だ、確かに日向から見たら大きいけど、他の大人と並べばちょっと小さいし、子供扱いされている。
別に大人って訳じゃない、お酒だって呑めないハズだ。
それに、年齢なんて関係ない。
だって友達なのだ、日向も狛枝も本気でそう思っているに違いないはずだ。
本気で遊んで、本気で楽しんでくれている。
狛枝は日向のことが大好きなのだと、日向は知っている。
日向は妙に狛枝の顔が見れなくて、早歩きで前に進むけど、狛枝は普通に追いついてくる。
そこでふと、気づいた。
狛枝はいつも、日向の歩幅に合わせてくれてた?
狛枝は日向よりずっと大きいから、1歩だって日向のよりずっと大きいはずなのに。
日向は足元を見た。
違う、子供扱いじゃないはずだ。
狛枝は優しいから、日向に合わせているってだけ。
感じたことの無い、変な感覚が脳を支配する。
「別に
…
」
飛び出た声は想像より不機嫌だった。
それでも日向は、宣言するように続ける。
「遊んでもらってるとか、遊んでやってるとか、そういうんじゃ、ない!」
さっき、言い返せなかったことを今、狛枝に言うのはやっぱり、格好悪いだろうか、格好悪いだろうな、そんなんだから顔も見れない。
「俺も狛枝も楽しいから遊ぶんだ」
狛枝はいつもみたいに日向の方をちゃんと見て、話を聞いてくれているんだろう。
それが今は酷く落ち着かなくて、意味もなく顔を逸らす。
「お前が同い年なら良かったのに」
「お前が同い年なら、もっと学校で遊べたし」
「おばさんにもあんなこと、言われないのになぁ
………
」
正面から言う勇気が無かったんだ。
間が空く。
日向はやっと頭が動き出した。
どう思うだろうか、
責められてるふうに感じてないだろうか、
狛枝はいつも笑ってるし、何を言われてもなんて事ない顔をしてるけど、日向と二人きりになると寂しそうな顔もするし、落ち込んだ様子も見せる。
そんなだから、やっぱり日向と同じ子供なんだって知っている。
でも、
「学校でも一緒かあ
…
それは嬉しいね!」
狛枝は、笑っていた。
「なーっ!!」
日向はそれが嬉しくて笑い返す。
だって狛枝の顔は本当に嬉しいって顔だったから。
全然、もしものことで
…
だったらいいなってだけの話なのに!
「ふふ」
「なんだよ?」
「いやね、本当にそうだったらボクたちきっともっと早く友達になれてたのかもねって」
柔らかく笑う狛枝に、日向はもっと嬉しくなる。
「当たり前だろ!もっと早く友達になったし、ドッジボールだろ、ケイドロ、
あと鉄棒も一緒にやりたいし!
とにかく、もっともーっと一緒だ!」
「うん、うん、そっか
…
嬉しいなぁ
……
」
狛枝はしみじみ、というふうに言った。
その反応が妙に照れくさくて、ちょっと顔が赤くなる。
「ね、そしたらさ
…
今よりもっと仲良しだったかな?」
「バカ、変わんないぞ」
「えっ」
「今も沢山仲良しだからな!」
「
……
日向クン、今日晩御飯食べたらさ
…
ボクの家、泊まりに来ない?」
「えっ!いいのか!?」
「ウン、親御さんが良かったらだけど
…
」
「絶対いいって!」
「えぇ〜?ホントかなぁ」
「ホントだよ、絶対!」
日向は狛枝の顔を見ながらグイグイ手を引っ張って、早く早くと前に進む。
「(日向クン、ボクが同い年でも遊んでくれるんだなぁ
…
)」
狛枝は、日向の友達にあまり好かれていない。
狛枝が日向を独り占めするのも面白くないんだろうけど、それ以上に狛枝のことが不気味なんだろうと思う。
そりゃあそうだ、小学生なんてまだまだ親の手を借りなきゃ生きていけない年頃に、両親が亡くなった狛枝は、それでも平穏に、何事も無いように振舞っている。
もっと小さい頃から狛枝を知っていた近所の人たちは、普通に話しかけてくれるし、何かあったら頼って、なんて声をかけてくれるけど。
やっぱり、「可哀想」なんて膜を通して狛枝を見ている。
狛枝は学校で有名人だった。
今もまだ日向たちの学年に噂が残っているし、
「死神」そんなふうに言われている。
そんな狛枝に、日向はなんてことないように話しかけて、なんてことないように触れるのだ。
そんな姿が眩しくて眩しくて、ずっとずっと自分を照らしてくれる。
日向の友達には申し訳ないけど、やっぱりこの手は離せない。
でも、修学旅行とか、遠足とか、季節のイベント事だって共に過ごし思い出を育んでいるんだ。
それならもうちょっと、ボクが貰ったっていいじゃない。
そう思ってしまうのは、自分がまだまだ幼いからなんだろうか。
狛枝は環境が環境なので、あまり子供として接されない。
「ねえ、今日はさ
…
夜更かししちゃおうか?ホットミルク作ってあげるよ?」
「ホットミルク!俺あれ好きだ」
「はちみつも沢山入れてあげるね
特別な友達、
年の離れた、大切な。
アイランドモード幼児化
日向くんが小さくなった。
なんでも、風土病による影響らしい。
最初は困惑していたみんなはすぐに受け入れて、
今は代わる代わる
…
というより、ほぼ取り合うように日向くんの面倒を見ている。
小さな日向くんは自信に溢れていて、我が強くて、見栄っ張りで意地っ張りだ。
子供らしいといえばそうなのだろう、喜怒哀楽がハッキリしていて、思い通りに行かなければ拗ねた顔をするし、嫌なことにはハッキリ嫌だという、豊かな子供。
日向くんは毎日、澪田さんと楽器を鳴らしたり、七海さんとゲームをしたり、左右田くんと車の玩具で遊んだり、花村くんにご飯をリクエストしたりなんかしている。
日向くんは忙しなく今を楽しんでいる、ボクはそれを遠くから眺めていた。
ボクはまだ、そんな日向くんと遊んだことがない。
当たり前だ、
今の日向くんは"誘われる側"なのだ、
ボクはいつだって日向くんに誘ってもらっていたから、お出かけチケットは余っている。
誰を誘うこともない、誰に誘われることもない、
ウサミは心配して、色々気を回そうとしていたようだけど、
ボクからしたら余計なお世話でしか無かった。
でもキミが誘ってくれて、遊んで、
ウサミは安心したと笑って、随分嬉しそうだった。
そしたらボクは急に不安になったんだ。
日向くんはもしかしたら、ウサミに言われてボクなんかに声をかけたのかもしれない、なんて。
でもそれは違ったんだ、キミはキミの意思でボクなんかを気にかけてくれたってこと。
ああ、あの時のボクの気持ち、キミが知ったら「大袈裟だ」なんて笑ってくれるかな。
今のキミは、ボクなんか気にしていなくて、
とっても元気で、悩みなんてなくて、
自分の未来は希望に満ちていると、信じてやまないような。
ボクに初めて、おでかけチケットを差し出した時の、少し緊張したような顔はどこにもなくて。
ただずっと、笑っている。
そんな日向くんを見るとボクはなんだか落ち着かなくて、いつ治るのか分からない日向くんを囲んで笑うみんなが、妙に薄暗く感じて、嫌になった。
今度こそボクから誘おう、そう思ってポケットにしまったおでかけチケットは今日も、南国の陽に当たることなく、ただ暗がりの中でじっとしている。
今度こそ、今度こそ
…
臆病なボクに罰を与えるように、日向くんは小さくなった。
しばらく経って、土曜日。
日向くんは遊園地があると知ってご機嫌だ。
行ってくればいいのに、優しいみんなはボクのことも誘ってくれた、これを断るのは違うだろう、流石のボクも着いていくことにしたんだ、やっぱり気は向かないけどね。
そうして今日、日向くんを中心に、みんな連れ立って遊園地を歩いている。
日向くんはいつも皆の意見を優先して、取り入れて、尊重していたから、きっと恩返しのような、日頃の感謝みたいな、そんなとこなんだろう。
みんなは今の日向くんの意見を最優先にして、
手を引っ張ってあれはあれはと聞いて回る日向くんを微笑ましそうに見ている。
みんなが彼の話をして、
みんなが彼のことを気にかけて、
彼はとても幸せそうだった。
どんな話をしているのか、少し離れたここからじゃ聞こえない。
ふと目が合う、
日向くんは歩く速度を緩めて、ボクの元まで来ると
「なぁ、なんでこっちこないんだよ?」
なんて、ニコニコと笑いかけた。
きっと拒絶されるなんて考えていないんだろうな、今のキミは、自分が中心の世界を歩んでいるから。
「ボクなんかがみんなの輪に入るなんて、恐れ多いよ」
いつもと同じ。
お決まりの言葉を返せば、日向くんはキョトンとした。
ピンと来ていない、もしくは理解していない彼に、いっそ伝わらないでくれなんて思って、ボクは言葉を選ぶ。
「日向クンだけ行っておいでよ
…
今日はキミが、主役なんでしょ?」
日向クンは最初、キョトンとしていたけど
主役という言葉に気を良くしたみたいだった。
「べつに、おまえもいていいぞ」
やっぱりいつもの日向くんとは違う、ボクには馴染みのない笑顔。
年相応なんだろう、無邪気な言葉。
「でもさ、ボクは本当にいいんだ。」
突き放すような返事、
日向くんは理解できませんって顔をして
…
「変なやつ!」
なんて言って、さっさと前にいってしまった。
そんな日向くんの背をしばらく見つめてから目を外す、
気づけばみんながこちらを見ていて、大層居心地が悪い、ああやっぱり、ボクは着いていかなくて良かったんだ。
日向くんが声を出せば、みんなそっちを見て、それぞれ話しかけている。
日向くんは小さくなっても人気者だ、
いつもの彼が頼れる存在なら、
今の彼は頼られると嬉しい存在だ。
日向くんは小さくなったんだ。
風土病だって言ってたけど、きっと治ってくれるんだよね。
ここ数日、ウサミは姿を見せない。
ウイルスをどうこう、なんて慌ててどこかへ行ってしまったから、彼女が戻る時は日向くんが戻る時だろう。
全く、ウサミに会いたいなんて初めて思ったな
…
ボクは、ポケットの中に手を入れた。
シワだらけになったおでかけチケットの感触に目を閉じて、最後に見たキミの顔を思い出す。
空を見た、どこまでも青い空、南国の日差し。
変わらないと思ってたんだ、
キミはこんなボクをずっと気にかけてくれちゃうんだろうね、なんて。
何か知れそうだったんだ、
ボクはキミに手を引かれて、
経験したことないものを知る。
キミは「そんなこと」なんて言っちゃうかもしれないこと、ボクからしたらそうじゃなくって、
ああ、キミは、ボクのことなんて全然知らない!
当然ボクも、キミのこと全然知りやしない!
キミはどうしてあの時、ボクを誘ってくれたの?
どんなことを考えていた?どんな気持ちで?
修学旅行はいずれ終わる。
物事には終わりがある、日が沈むように。
始まりだってある、日が昇るように。
ボクはそれまでに、キミを誘えるだろうか。
どのくらいキミと過ごせるだろうか。
キミに手を、差し出せるだろうか。
今度こそキミと、遊園地で遊びたい。
転生パロ(未完)
ボクには前世の記憶がある。
そんなことを言って、
本気にしてくれる人はどのくらいいるんだろう。
ボクには超高校級の才能があった。
今世でもあるのかは、分からないけど
…
愛犬は死に、両親は死に、誘拐され、予定調和みたいに大金や自由を得る、
そんな、大きな出来事が前世とまるきり同じ人生を歩んでいるボクは、やっぱり幸運なんだろう、そう思うことにした。
だって、それなら彼とも会えるだろうからね。
日向創
超高校級でもなんでもない、ただの予備学科。
才能欲しさに頭を開くような子、ボクなんかと友達になっちゃうような子。
ボクの線引きと、みんなの置く距離を、
全部全部認識しておきながら、ボクの手を引いた、
物好きな、友達。
今までのボクの歩みが、
ボクという存在に対する世界の「流れ」みたいなものなのだとしたら、才能の有無は正直関係ない。
でも、ボクは自分を
…
才能を信じたんだ。
だって、こんなものでも超高校級だし、世界が変わった程度で無くなる希望じゃないよ!
前世の記憶を持っている、そんな奇跡が起きている時点で、これは大きな布石なんだ!
で、
湿気た空気、年月を感じる畳、台に置かれた大きくも小さくもないテレビ、乱れた布団、タバコで色付いた壁。
そんな部屋の中心に
…
襟の伸びきった半袖と、パンツだけ履いたボク。
うーん、荒れてるな、ウサミが見たら怒るだろうな。
いや、ウサミだけじゃないな、前世の関係者は多分誰が見ても怒るというか好意的な反応は示さないだろうね。
まぁ、結論から言うとボクは荒れていた。
理由は、ここまで言えばわかると思う
日向くんと全然会えないからだ!
ボクはなんと、成人してしまった。
1番期待していた高校も特に何も起きずに通過してしまった。
大学も雑に通えてしまっている、困った、日向くんと出会うには不運が足りていないのかもしれない!
そう思ったボクは手当たり次第に問題が起きるような行動をしたけど、やっぱり自分からいっても意味がないみたいだった。
背中には3つくらい傷跡が残っている
…
無論、刺された跡だ。
女の子と揉めたことは結構ある、どうせボクは死なないから。
おかげでボクは新聞にも載った、日向くん見つけてくれるかなって思ったけど、どうだろう。
ダラダラと、カーテン越しに薄い光が刺した部屋の中でテレビに照らされる、星座占いは最下位、まぁボクに限ってはあまり意味の無いものだけど。
ピンポーン
今日なんか頼んでたっけ。
この部屋の主である女の子は結構まともだ、
大して警戒する理由もないし、ボクは玄関に出ることにする。
頭を軽くかいて、そういえば彼女の使うシャンプーもリンスーも、ボクには合わないんだったな
…
なんて。
「はい、どちら様───あれ?」
誰も居ない
ピンポンダッシュを一瞬疑ったボクは目が覚める思いで下を見る。
視界の限界まで下の方でぴょこんと揺れたものに見覚えがあったから。
バチッ
…
と、感電したみたいな、そんな衝撃
目が、あった。
「ひ、ひなた
……
クン?」
トートバッグに入った回覧板を抱きしめて、
こちらを見上げる姿はどこからどう見ても日向くんだ、
紛れもない、ボクはこの年頃の彼を見たことがなかったけど、それでもたしかに、やっぱり日向くん。
日向くんはポカンと口を開けてしばらく固まったあと、
ドサッと回覧板を落とした。
運良く足には落ちなかったみたいだけど
…
そんな事、気にもとめていない。
呆然とした目がキュッと見開かれる、
「おまえ
…………
こまえだ
…
か!?!?」
「そうだよ!ボク、ボクは狛枝凪斗だよ」
嬉しくて思わず膝を着き、小学生くらいだろうか?小さな日向くんの肩をがしりと掴む。
「わっ、おまっ、ちょっと痛いっ
……
」
「ええ、ご、ごめん!」
慌てて話すと日向くんは両腕をクロスさせて自分の肩を撫でる、その視線はボクの首元、下に
…
「
…………………
」
「どうしたの?」
「
…
この部屋に住んでるの、女の人
…
だよな?」
「あっ」
ボクはなんとなく首元を隠した。
「いやいい、気にしないことにする」
そう言いながらあからさまに嫌そうな顔を浮かべた日向くんは回覧板を拾い、こちらに手渡した。
「ま、お前にも恋人ができたんだって考えると嬉しいよ」
そう言って笑う日向くんは、優しい顔をしている。
「まぁ、うん」
正直恋人でもなんでもないが、そんなことを伝えたら日向くんに怒られてしまうかも、ボクは少し返事に困った。
「日向クンはこのアパートに住んでるの?」
「んー
…
違うぞ、
今日はたまたま、そっちの部屋に住んでるおばあちゃんに回覧板回して欲しいって言われて来たんだ!
前、家の鍵忘れた時に部屋に入れて貰ったんだよ。」
「なるほど」
おばあちゃんなんて住んでるんだ、それよりも日向くんともっと早く会えた可能性を取り逃した方が悔しい。
今すぐにでもこっちに引っ越してくるべきだろうボクは。
全く、ボクがどれだけキミを探したと思って
…
「そういえば、キミってボクのこと探したりした?」
「してないな」
「えっ
…
それは、
……
その」
「勘違いするなよ、俺だって最初から記憶があったらお前たちのこと探してた」
「お前たち、ね
…
ところで、その"あったら"って言い方
…
」
「ま、戻った
…
戻った?思い出したのは今だな、なんか色んなことの辻褄が合うって言うか、妙な気分だよ。」
「そっか
…
良かった、キミがボクのこと思い出してくれて。」
「なんかやけに素直だな、何考えてるんだよ?」
「まぁここで話すのもなんだし、中に
………
は、ちょっと良くないよね」
「人んちだしなぁ
……
」
「あっじゃあさ、ボクの家、来る?ちょっと遠いけどさ、おいでよ、ね?」
ボクの家は今まで関係を持った女の子誰にだって教えていない、誰も招いたことがない、そんな家に、初めて招くのが友達だなんて、ボクはなんて幸運なんだろう。
掃除はしてあったっけ、もう随分放置してた気もする
…
冷蔵庫にジュースはあったかな、途中で買えばいいかな。
「フ、お前そんなグイグイ来るやつだっけ?」
面白くて仕方がない、そんな顔をする日向くんはやっぱり日向くんで、ボクは嬉しいやら、気恥しいやら。
「仕方ないだろ、キミに会えて嬉しいんだ
…
ね、ダメ?」
「うーん、お母さんに連絡してからじゃなきゃダメだな、門限もあるし
…
4時半までに帰って来れるか?」
「4時
………
」
そういえば今日は日曜日だ、まだ朝早いはずだし、いくらでも話したいし、いくらでも遊びたい、けど
ボクの家はバスに乗って結構揺られなくちゃいけない、そのバスだって沢山出ている訳でもないし、門限は破ってしまうだろう。
ボクが真剣に考え込んでいれば、日向くんはボクの服の裾を引っ張った。
「てか、近いし俺ん家来いよ!2人とも仕事でいないんだ」
「いいの?ボク
…
」
「当たり前だろ、久々に会った友達だぞ」
ボクはキミの口から出る友達に弱いんだ、
きっと日向くんは学校でもこんな感じで、
誰にでもに接して、モテてるんだろうな。
嫌だなぁ、まだまだ小さいとはいえ、彼女とか出来たらどうしよう、これからのボクと日向くんの時間は、どのくらいのものになるんだろうね
…
「とりあえずズボン履いてくるね」
「あっほんとだ、お前パンツかよ!」
「要る?」
「要らねえって!」
グイグイ服を引っ張られて歩いた距離はそう遠くなかった。
それこそ、この部屋の女の子に会う機会がもう少し多ければもっと早く会えたかもしれない。
まぁ日向くんと会えたし、もう連絡する理由もないけど。
日向くんはポケットからジャラジャラと色んなキーホルダーが着いた鍵を取り出して、腕を少し上にあげて鍵を開ける。
「ほら」
玄関に入ると元気に咲いた色とりどりの花が綺麗に飾ってあって、なるほどお母さんはマメな人なのだろうと思う。
お父さんかもね、どっちでもいいけど。
「2回先上がっててくれ、俺飲み物取ってくる」
「大変でしょ、ボク運ぶよ?」
「正直助かるぞ」
ふたりで並んでリビングへ歩く、
日向くんの歩幅は小さくて、ボクは簡単に追いつける。
前世と違って、ボクはキミを遠くから見つめることもないし、キミがどこかへ行っちゃいそうな時は手を掴んで止められるし、簡単に前に出れてしまうんだろうな。
やっと会えたんだから、もう絶対離れたくないし、
キミを探した何倍の時間をキミと過ごしたい。
きっと、ボクはキミが好きなんだろうな、前世からずっと。
冷蔵庫を背伸びして開けた日向くんがチラリとこちらへ振り返る。
「な、なあ
…
狛枝
……
」
「どうしたの?」
「ジュース、そこにあるやつ取ってくれないか」
「いいよ?ああ、今のキミにはちょっと重いのか、ふふ
…
」
「う、言わなくていいだろ!」
「あはは、キミほんとにちっちゃくなったねぇ」
「ちっちゃくなったとかじゃないだろ、バカ!」
「キミ何歳なの?」
「
……
7歳だよ」
「7!?!?!?ちっさいね!」
「うるせーえっ!」
「そりゃボクがどれだけ探してもいないわけだよ、」
「えっ俺の事探してたのか?」
「当たり前でしょ」
「他のみんなも?」
「
……
意地の悪いことを聞くよね、ボクなんかが今を生きてる希望のみんなと接触するなんて、邪魔でしかないでしょ。」
キャップを外したオレンジジュースを机の上に置かれたコップに注ぐ、日向くんはそれをじーっと見てから、そろりボクを見上げた。
「俺はいいんだ?」
「
…
友達、でしょ」
なんだか照れくさくて、目を反らせば、へへ、なんて気の抜けた笑い声。
「もういいでしょ、ほら、キミの部屋に案内しなよ」
「はいはい」
少し駆け足で前を行く日向くんだけど、やっぱりすぐ追いつけてしまうな。
力だって、今のボクの方がずっとずっと強い
…
なんだか薄暗いことを考えそうになるけど、
そんなのする理由もないだろう、ボクはジュースを両手に持って階段を登る日向くんがこちらを振り返るのを見ていた。
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内