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鯖男
2022-05-31 17:09:53
1199文字
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ハオホロif6
王者回リゼvsホの書きたいところ
突き抜ける蒼天は目に染みるほど鮮やかで。
白い砂浜に広がる鮮血をも、鮮やかに見せていた。
五体の重体。内二人は見知った顔だった。
ブロッケンとビッグガイ・ビル。
「なんだ、コレ」
ホロホロの口から零れたのは、唖然とした掠れ声だ。
二人は弱いわけではない。中でもビルの防御力は目を見張るものがあった。
だが仰向けに倒れたビルの身体は無残に切り裂かれていた。生命維持ギリギリの創傷。
戦力差はかなり開いていたと考えていいだろう。だからこその瀕死状態である。
指先がぴりりと痺れる。視線だけ落とせば、氷の結晶がついていた。そして周囲の木々は青々と茂っているというのに、その表面には霜が降りている。まるでホロホロの怒りの炎を鎮めるかのような冷気だった。
「──キミは、」
少年の声だった。
振り向けばそこには天使がいた。
細身の天使を携えるのは、純白の装束に身を包んだ儚げな少年──リゼルグ・ダイゼルである。
X-LAWSのリーダーであるアイアンメイデン・ジャンヌと同じチームにいた新参者。会場で目にしたときには、天使は所持していなかったのを覚えている。
ビルの傷口は鋭利な刃物によるものだ。そして天使の持っている獲物は細身のレイピアである。
「てめえがやったのか」
「そうだよ」
肯定。それは殺害予告に等しい言葉だ。
冷め切った双眸がホロホロを貫く。ホロホロの仲間を傷付けた側だというのに、リゼルグの目には侮蔑が込められていた。だからこそ最初の質問の際も一言で済ませたのか。少しでも会話をしないように。悪とは話す価値などないと断罪するように。
瞬間的に膨らむのは憎悪か、怒りか。あるいは両方。そしてその他の感情を滅茶苦茶にかき混ぜ、目の前の怨敵にぶつける。
「ぶちかませ、レイン!!」
「ゼルエル」
雄々しく吠えるホロホロの叫び声が狼なら、リゼルグの声は波紋のように静かに広がる。
スピリット・オブ・レインを覆うほどの巨大な氷塊が、ゼルエルの音速をも越える剣戟によって粉砕される。
その破壊音が開戦の合図だった。
「オォオオオオッ!!」
「ハァアアアアッ!!」
出し惜しみをしていられない。ホロホロは白い扇に巫力を注ぎ込み、氷の剣を生成する。
白い扇はホロホロの新たな媒体である檜扇だった。祭具であるソレは以前の扇よりもスムーズに巫力を通す。
「かわいい顔して随分やってくれたなあ? ああ!?」
「キミこそあんな奴のところにいるのに、随分と仲間想いなんだね」
声こそ柔らかいが、視線で人が殺せるなら数度死んでいた。だがそれに怯むホロホロではない。鼻で一蹴し、剣の切っ先をリゼルグの眉間へ向ける。同時にリゼルグのデリンジャーがホロホロの眉間に狙いがつけられていた。
一触即発。
互いに退く気配はなし。
「殺すぞ」
「天使様の加護はないと思え」
精霊と天使の戦い。
それはまるでお伽噺のようであった。
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