ホロウvitaにつくカプセルさーヴぁんと初見→ポ●モンみたいだ!→弓士主従ならアーチャーがポ●モンだな!→鳴き声?「たわけ」だろJK
そんな話
カプセルサーヴァント。縮めてカプさば。
カプセルサモンと呼ばれる疑似英霊の小規模召喚によって実現したポ●モンバトル的な何かである。
プレイヤーは各々のパートナーであるカプさばを召喚し、他プレイヤーとバトルをする。そしてレベルを上げ、更なる高みへと目指すのだ。
交錯する戦略。高度な駆け引き。カプさばバトルの真骨頂!
とある市内で暮らしていた少年、衛宮士郎はそんなカプさばの世界に足を踏み入れるのだった――(ナレーション・言峰綺礼)
「この馬鹿野郎が!」
衛宮士郎は長い坂道を駆け上りながら情けない自分に叱咤する。というのも約束時間に遅れそうだったからだ。普段から余裕を持っての行動を良しとする士郎にはあり得ない失態である。
というにも理由があった。言い訳という理由が。
いつも通り早めに起床した士郎。洗濯して朝食を作って洗い物をして、それでもまだまだ余裕のある時間だ。欠伸をしながら何気なくつけたテレビ。そこに映し出されたのはにこにこ笑っている太陽マーク。どうやら本日は雨の気配はないらしい。ならば、と士郎は洗濯機を回している間、布団全てを干すことにした。客間の布団も全て。がらんどうになった押入れは酷くジメジメしていた。なので押入れ全てを開け放ち、空気の入れ替えもしてしまおう。
お分かりだろうか。
士郎は十歳いくかいかないかの年代で家事に精を出してしまったのだ。時計を見るのも忘れて、それはもう一所懸命に。その結果が今の状態である。ちなみに朝食は作っている暇さえなかった。
何事にも等価交換。士郎は幼くして骨身に沁みることとなった。
「ごめんじーさん!」
「やぁ士郎。待ってたよ」
転がり込むように飛び込んだ先は坂の天辺にある小さな事務所だった。オープンカウンターと奥の個室が一つ、計二つの部屋で構成されているだけの簡素な小屋と言っても過言ではない。そしてそのカウンターの中にはくたびれた白衣を纏う男。それこそが士郎の養父である衛宮切嗣だった。
「珍しいね約束の時間ぎりぎりにくるなんて」
「ちょっと色々あってさ……」
正確には色々やっていたらこんなことになってしまったのだが。
士郎に珍しい歯切れの悪い言い方に疑問符を浮かべる切嗣だが、すぐさま切り替え「ちょっと待っててね今持ってくるから」と部屋の奥へ姿を消した。そして数分も経たないうちに帰ってくる。手には手のひらに収まるサイズのカプセルを一つだけ持っていた。
「最初は三つあったんだけどね。一つは士郎と一緒に呼んでいた凛ちゃんが。もう一つは……まぁなんだ」
切嗣は苦笑しながら頭をかいた。
「どうしたんだ?」
「ん? こっちの話。で、余りもので悪いんだけど士郎にはこのカプさばをあげるね」
そう言って手渡された二色に配色されたカプセル。
三つのうちの一つは才色兼備と謳われている遠坂凛の手に渡ったらしい。そしてもう一つは切嗣が誤魔化していた。俺にはそれを追及する理由も意思もない。つまり俺は遅刻寸前に来たので選ぶ余地もなく余りものとなってしまったのだ。
「って、あげるとか……カプさばって言ってるけど昔の英雄なんだろ? そんな雑な扱いでいいのか?」
ある者は怪物を倒し英雄となった。ある者は神との子で様々な偉業を成し遂げ英雄となった。そんな人を越えた奇跡を人間の手で貶めていいものか。しかも子供の手に委ねるなど。
「んー、詳しい説明は省くけど英雄本人を喚んでるんじゃなくて、英雄のコピー、しかも末端を喚んでるんだ。簡単に言えば複製の更に複製」
「む。でも――」
「とにかく! まずは召喚してみなよ」
押し切られる形で士郎は渋々カプセルを放り投げた。空中でカプセルが割れ、中から赤い光が放たれる。そしてそこから――
「たわけ」
「は」
「士郎のパートナーはアチャチュウだね。彼は弓も使えるし双剣も使える万能型。育て方によっては器用貧乏になりやすいけど大器晩成だから」
「いや……は?」
カプセルから現れたのは三頭身ほどの人間だった。デフォルメされたと言うべきか。赤と黒を基調とした戦闘服はいかにも人間とは違う風格を醸し出している。
しかし三頭身。
「まぁコピーのコピーだからね。バトルしてレベルを上げれば英霊としての力が取り戻せるから」
「たわけ」
アチャチュウと呼ばれた英霊は眉間に皺を寄せながら怪訝そうな表情で俺を見る。
「出会って速攻で罵倒されたんだけど……」
「ああ。アチャチュウの鳴き声だよ」
難儀な鳴き声だ。
「と、とにかくよろしくなアチャチュウ!」
「たわけ」
手を差し出すとふいっとそっぽを向かれた。完全に認められていない。
「さぁさ、カプさばの世界にレッツゴー!」
「大丈夫なのかこれ……」
ちなみに最初の三体は三騎士。凛ちゃんはランサーを連れて行き、セイバーは臓硯じいちゃんに盗まれてオルタに進化させられた。
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