鯖男
2013-07-02 00:09:55
1712文字
Public
 

駄ランサーと士郎ちゃん2


前回の続き。
残念!エロはありませんでした!!



体しか出せないベランダに少ない洗濯物を干し、ゴミの仕分けをした。畳が見えるようになったら未だにエロゲをしているランサーを避けるように掃除機をかけ、保存の利く食事を一食分ずつタッパーに分ける。いつものルーチンワークだ。
あらかた片付けが終わり、士郎はエプロンのままランサーの隣に座る。
やはり濡れ場だった。
どう見ても自分より幼い子が卑猥な目に遭っているのに慣れず、恥ずかしさで視線を下に落とす。少女の喘ぎ声と雰囲気を醸し出すためのBGMだけが部屋を埋めていた。居たたまれなさで横目でランサーを盗み見ると、淀んだ目で画面を見つめている。そして一定感覚で押されるクリック。
「それ、おもしろいか?」
「おー……
抑揚のない声に面白さは微塵も感じなかった。
折角部屋まで来たのだから色々話したかったが、集中しているときに脇から話しかけられたら迷惑だろうと士郎は口を閉ざした。すると手持ち無沙汰になり、何気なしに今ランサーのやっているゲームパッケージを拾い、説明文を目で追う。パッケージには「ゲームに出てくる登場人物は全員18歳以上です」と注意書きされているが、士郎の脳内には疑問符しか浮かばなかった。
士郎はふう、と溜め息を吐き、ランサーに擦り寄った。今でこそエロサイトやエロゲ中心の生活を送っているランサーだが、元々しなやかな筋肉を持っており、士郎はそれに憧れていた。まるで野生の獣のような筋肉。──と、何か違和感を感じた。
……む。ランサー、お前最後に風呂入ったのいつだ」
「あー……一日前?」
画面から目を離さずに答える。
しかしランサーはよく日数感覚が狂っているので、大体三日だろうとあたりをつけた。
「風呂にお湯溜めとくからキリのいいところで風呂入れよ」
……
ランサーは返事の代わりにダブルクリックをした。

ここには足を折り曲げなければ入れないほど狭いが、風呂が設置されている。蛇口を捻り、お湯を溜め始める。最初は水だが、徐々に熱くなっていき、数分も経てばもうもうと湯気が立ち込めるほどの熱湯となった。ある程度まで溜まったら熱湯を止め、水で調節する。ちなみに士郎はここの風呂の適温黄金比は完璧だった。
「ふぅ、あっちはそろそろ終わったかな」
濡れた手をエプロンで拭きながらランサーの元へ戻る。
するとランサーはパソコンをつけたまま、床に寝転んでいた。恐らく長時間のエロゲのやり過ぎで目と指の酷使。同じ体勢で体が悲鳴を上げているのだろう。
「ランサー、お湯溜まったから風呂入ってこい。んで固まった筋肉解してこ」
士郎は肩を揺すろうと近付くと、くるりと天地が逆転した。そして訪れる衝撃。
ランサーに腕を捕まれて床に押し付けられたのだと気付いたのは、背中の痛みと鼻息を感じるほど近くにランサーがいたからだ。
……なんだ?」
……あれ、」
指差されたのはパソコン画面。画面にはスチルと呼ばれる一枚絵がアルバムのように並んでいた。その中でランサーが指差したものをクリックする。
「おま、これ……
画面いっぱいに表示されたのは、18歳以上と注意書きされていた幼女(仮)が裸エプロンでペニスを受け入れているものだった。白濁した粘液を体いっぱいに纏わり、上気した顔は下半身に広がる快感で溶かされているのだろう。
「入れるのまでは、やらねぇから……裸エプロンで……素股……やらせて……
「えっと……
つまりエロゲ中毒のランサーはこの行為を士郎でしたいと進言してきたのだ。
さすがにおいそれと了承できない。ランサーにその旨を伝えようと口を開いた。だが、
「坊主……
さっきまで視線も交わさなかった相手が真っ直ぐ自分を見ている。頼んでいる。たったそれだけで断る意思はぼきりと折れた。
「っ……本当に入れないんだな?」
「入れない」
「素股だけなんだな?」
「ああ」
沈んだ目のくせに返事ははっきりしている。
ランサーはそっと士郎の手を握り、指を絡めた。
誘うように、侵食するように、求めるように。
…………わかった」
意を決し、士郎はジーパンに手をかけた。