Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
ぽふむん
2026-07-11 22:15:00
1066文字
Public
ワンドロ
Clear cache
扁桃体と海馬
#童しの版深夜の真剣物書き60分一本勝負
「行水」
氷柱if
ぎゅうめ兄妹が居ます。
遊郭育ちの梅ちゃん。そもそも妊娠しにくい体質になってそうな気がします。
様々な交流を経て、それなりに不器用ながら気を使うことを覚えてきた氷柱です。
しのぶちゃんの読んでいる本ですが、扁桃体は感情を司り、度を超えた恐怖や怒りは制御する部分。
海馬は長期記憶を司り、隣あってお互い密接に関わっています。
感情がなければ、長期記憶にはなり得ないんです。
つまり、童磨の感情がないと記憶力がいいは共存しないわけで、両立はしない。
そうとなると、どちらかを否定しなくてはいけなくなるわけじゃない?……という個人的疑問が裏にあります。
ジメジメと鬱陶しい長雨も、ようやく明けた。
朝にはシャワシャワと蝉時雨が騒々しい季節がやって来た。
陽射しも暑く、目に痛い。
二人の男と、一人の女が、東屋のそばに設えられた水場で水浴びをしていた。
露天風呂や池と言って差し支えない。それほど大きな水場だ。
定期的にこの水は入れ替えられる。
西洋では『プール』と呼ばれるそうだ。
実に賑やかだ。
でも、この騒々しさも読書にちょうどいい。
蝶屋敷に入院中の、伊之助や善逸の騒々しさとは種類が違う。
しのぶは、扁桃体と海馬の関係についての本を熟読中だ。
目の前にいる『研究対象』と比較、検証ができる。
実にちょうどいい。
何より、微笑ましい。
書物に目を落としながら、賑やかな声を聞いていた。
「梅、女の子はあまり身体を冷やすものじゃないよ」
氷柱が、濡れた髪をかきあげながら、梅に声をかけた。
それに対して梅は笑って応えた。
「いざと言う時、子供が産めなくなるとでも言うの?なら気にする事はないじゃない。
私はどこの生まれ育ちだと思っているの」
梅は、潜入捜査中に氷柱が保護した兄妹だ。
吉原では堕胎や、避妊目的の毒物飲食、秘部への塗布挿入が横行している。
それ以前に、食生活も貧相な為成長期の栄養が足りていない。
体質なのだろう。
それでも、痩せぎすで、太れない体質の兄と違い、肉感的に育ってはいるが
……
要するに、足抜けできたとは言え、既に妊娠など望めない身体だろうと言いたいのだ。
何をいまさらとケラケラ笑う梅に、しのぶは思わず息を飲んだ。
梅はまだ十三歳
そんな歳でそんな覚悟と諦めをほがらかに
……
思わず、読んでいた本から視線を上げ、眼を見開いて梅を凝視してしまった。
ゴツン
梅の頭に軽くゲンコツが落ちた。
しのぶの様子に気づいた氷柱だ。
「痛〜い。何よどまぴ。いきなり叩かないでよ」
いきなり、軽くとは言え殴られた理由の理解できない梅が叫んだが、氷柱は気にしない。
真顔でプールから上がると、軽く湿った手でしのぶの頭を撫でた。
やや長い沈黙の後
「おやつにしようか♡ろくさんに羊羹出してもらおう。俺は裂きイカがいいなぁ」
不自然な程明るく氷柱はおどけて言った。
どうやら、気を使わせたようだ。
しのぶの些細な変化に気づいて、彼なりの気遣い。
どうしていいのか分からない。
なんと声をかけていいのか分からない。
分からないなりに、気を使っているようだ。
「童磨
……
あなた、愛想笑いが下手になりましたね」
しのぶは、呆れたように微笑んだ
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内