三毛田
2026-07-07 19:52:56
1070文字
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11 【11/ここに居てもいいかな】

11日目
いいと

 羅浮を追放され、刃に追いかけられ辿り着いた星穹列車。
(俺はここに居てもいいのだろうか)
 姫子さんの護衛として、共に行動するたびそんな考えが浮かんだ。
 いずれあの男がここを嗅ぎつけてやってかるかもしれない。
 そんなことになったら、列車の面々に被害が出るだろう。そうなったときに、俺は耐えられるのだろうか。
 ネガティブな考えばかりが頭をよぎり、なかなか消えてくれなくて。
 もしかしたら直ぐに去るのだからと、深く関わることを拒み。他者と壁を作り過ごしていた。
 三月を拾い、少し賑やかになった列車にいても、その考えは捨てられず。
「丹恒。眉間のシワすごいよ」
 三月の指が眉間を撫でる。ので、そっと掴んで離させる。
「誰のせいだ、誰の」
「うーん。たぶん、ウチと穹!」
「てへ」
「「痛い!!」」
 二人して舌を出しておどけた表情をするので、同時にデコピンすれば床を転げ回って。
 宇宙ステーションで出会った青年、穹も加わりさらに賑やかというより騒がしく過ごしていても、やはり全てを預けられず。
 俺は臆病だ。
「丹恒」
「なんだ」
 赤くなった額をさすりながら、穹は俺を呼ぶ。
「ただ呼んだだけ」
「そうか。用がないなら、俺は資料室へ戻るが」
「まだ掃除当番決めてない!」
「そうだそうだ!」
 ため息をつき、客室車両側へと向けた脚を、テーブルに戻す。
「穹が決めると言ったはずだが?」
「どうせなら、二人の意見もちゃんと聞きながら決めたいって思ったんだよ」
 と言って、端末をテーブルに置く。
「今までは、色々勝手に決めてたのにね」
「それじゃ駄目だってわかったんだよ。俺も、ベロブルグを開拓した時よりは成長してるんだ」
 鼻の下を擦りながら、胸を張って。
 成長、成長か。
「俺も成長しているのだろうか」
「丹恒? 手、怪我した?」
「いや」
 掌を見つめていると、三月が下から覗き込んでくる。ので、首を振って否定。
「そう? じゃあ、掃除する場所は早い者勝ち!」
「なの、それはずるから!」
 二人はずっと騒がしい。
 でも、その騒がしさはさ余り嫌じゃないと思えるようになっていた。そのことに気づいたのは、羅浮に降り立って、列車に戻ってきてからだったが。
「穹」
「んー?」
「俺は、まだ列車にに居てもいいのだろうか」
 飲月の姿を見ても、何も問わなかった彼の行動に、救われていることに気づいて。もしかしたら、俺の探している答えをくれるかもと甘い考えのまま問いかければ。
「当たり前だろ! お前がいないとつまらない!」