eto_hina
2026-07-06 21:58:15
1063文字
Public
 

Intake

好きが行き過ぎて、なレノクラ。
注意⚠カニバリズムな表現がちょっっっっと入ってます。

――成人男性の人体の細胞がすべて入れ替わるのに大体二年半〜三年。俺の作ったモノを食べて、俺が与えたもので作られた細胞に入れ替わったら一つになろうな――

「うまい?」
 目の前の恋人にそう聞くと、俺が作ったものを口いっぱいに頬張りながら「ん」と一つ頷いた。
 初めて振る舞った手料理はお気に召したようで、テーブルを埋め尽くすほど置いてあったモンはあっという間に恋人の腹の中に収まった。
 ようやく始まった、と嬉しくなった。

「今日のはどうかな、と」
……美味い」
「そ。いっぱい食べろよ、と」
 何度振る舞っても、はじめの頃と変わらず美味そうに食っていく。恐ろしいほどのスピードで、しかしとても綺麗に食べているのを見ているとそれだけで幸せな気分になってくるから不思議だ。
 今はどのくらいだろうかと頭の中で計算しながら食事をする恋人の顔を目に焼き付ける。

「いつも作ってもらってばっかりだ」
「気にすんなって。やりたくてやってんだぞ、と」
「でも」
「いーんだって。ってかお前作れんの? 俺こないだのこと忘れてねえぞ、と」
 む、と唇を尖らせて、まぁなんて可愛い恋人なんだろうか。なだめながらなんとか食事を再開する。
 作ったもんを食わせ始めて今日で二ヶ月くらいか? 三分の一ってってところだろう。もう少しの我慢だ。

「クラウド。クーラちゃん、もう起きれないかな、と」
 目の前ですうすうと気持ちよく眠る恋人の頬を突付く。口元をうにうにと動かしてまた静かになる恋人は、出会った頃と比べてなんとなついたことだろう。全く可愛いいったらない。
 中身と流れてるもんと。あとは外側かと指折り数える。一番硬い部分はあと二年くらいだろうか。
 とても楽しみだ。


「クラウド。今日の俺の料理も美味かったかな、と」
 そう言いながらクラウドが数時間前まで座っていた席を眺める。テーブルにいくつも置かれた皿はすべて綺麗に空になってた。
 返事なんかなくても大丈夫、わかってるぞ。美味かったんだよな、全部食べてくれてありがとうな。
「うれしいぞ、と」
 そう言いながら視線を下ろし、自分の腹を見る。少し膨らんだそこを手でさすると、何となくいつもより温かい気がした。
 初めて手料理を振る舞ってから今日で二年。あと半年だったけど、我慢がきかなかった。俺が作ったモノを食べてとろけるように笑ったクラウドを前に、手を出さずにはいられなかった。
 押し倒された時の、柔らかい部分に歯を立てた時の、硬く尖ったものを突き刺した時のクラウドの顔を思い出しながら、ほぅとため息を付いてつぶやく。
「俺も美味かったぞ、と」
 一人きりの部屋に響いたそのつぶやきは、自分の耳にも酷く艶っぽく聞こえた。