三毛田
2026-07-05 13:51:32
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9 【09/絶対領域】

9日目
男のロマン!

「飲月のここって、絶対領域?」
「指を入れるな、指を」
「痛い!」
 胸元の隙間に指を入れたら、掴まれた。そこまでは想定内。しかし、段々と力を入れられていくのは想定外。
「指が折れたかと思った」
「俺がお前の体を損なうことなどするわけがないだろう」
「ソウデスネー」
 だが、その一歩手前までは、やるじゃん。特に夜とか。
 俺が動けなくなるまで搾り取ってくるじゃん。とか言ったら、絞められる。動けなくなるギリギリまで。
「じゃあ、こことかも絶対領域?」
 今度は腕をつつく。筋肉はついているものの、しなやかさを併せ持っている腕。
「だから」
「丹恒に触れたいっていう我儘だけど」
「ぐ……
 こう言えば、丹恒が言葉に詰まるって言うのをわかっていて口にする。俺はたまにちょっとだけズルいので。
「なら、いつもの姿でもいいだろう」
「飲月の方が、絶対領域がいっぱいあるから! いだい!」
 こめかみの辺りを拳でぐりぐりされる。
 いつの間にか、普段の姿に戻ってるし!
「酷い!」
「酷くない。お前は……
 丹恒が本気で怒ることはないけれど、これはヤバい。あと一歩ということだろう。
「ごめんなさい!」
「よし」
 手を離され、ちょっとだけ乱暴に髪を撫でられて。
「もっと撫でて!」
「仕方ないな」
 仕方ないと思っていない表情で、俺の髪を撫で漬ける。
 どうしてか、彼は俺の頭を撫でるのが好きらしい。
 俺も丹恒に頭を撫でてもらうのが好きだから、構わないのだけど。
「んふふふ」
「変な笑いだな」
「そう? 丹恒に触れてもらうの好きだから、つい声が出ちゃんだよな」
「そうか」
 好きって伝えると、彼はいつもちょっと照れたような反応をする。
 でも、そんなところも可愛い。
「なあ、丹恒」
「どうした?」
「女装しないか? イッテ」
 丹恒の太腿にニーハイと肌の絶対領域が出来ているのが見たい。もちろん俺女装するぞ! と言う前に叩かれたが。
「今日の丹恒ちょっと乱暴!」
「お前が全面的に悪い」
「そうかもしれないけどさ~」
 どさくさにまぎれて、胸を揉むとデコピン。
 うん。狂暴蒼龍ちゃんじゃん。
「絶対領域って、男のロマンだからさぁ」
「だからといって、こんな武骨な男に女装させようとするな」
「俺も一緒に女装するし、俺の部屋から出なければいいだろ!?」
「よくない!」
 声を荒げながら俺を剥がし、ベッドに投げる。
 勿論、綺麗に着地。
 丹恒が、俺に怪我を負わせるわけがないのです。
「ちぇ~」
 背中から着地したので、うつ伏せになって見つめる。