三毛田
2026-07-04 20:07:06
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8 【08/君には勝てない】

8日目
簡単には勝てない

8 【08/君には勝てない】
「うわ〜ん! また負けた〜!」
 悔しい〜! ってジタバタする俺に構わず、丹恒は駒を綺麗に並べ直す。
「じゃあ、次はウチ!」
 俺とどっこいどっこいの実力のなのが、勝てるわけがないだろう。
「ぐやじぃ〜!」
 あぐらをかく俺の隣でジタバタするなの。そら見たことか。
「お前たちが挑んできたんだ。夕食後の、食器洗いはお前たちの担当だな」
 そう。夕食後の手伝いに、誰が参戦するかを賭けていたのだ。
「うう……わかってるよ。逃げないってば」
 唇を曲げながら立ち上がり、パタパタと埃を落とすと片付けを始めた丹恒を手伝う。
 俺はスマホでパムに連絡。まあ、忙しいから確認してくれるかは微妙だけど。
「本当丹恒強い!」
「ただ単にお前たちの動きは読みやすい。それに、いつも同じ手を使ってくるからな」
「「ウグゥ」」
 二人して唸ると、小さく笑みを浮かべ。
「シャラップ。二人にサッパリする飲み物を」
「お任せください。一緒にジョークもいかがですか?」
「「いらない!!」」
 腕でバツを作って、拒否の姿勢を見せるとなんか残念そうにする。
 だが、それくらいじゃ別にへこたれないから放っておいていい。
 そのうち、他の犠牲者が捕まるだろう。蓄音機の前でロビンの曲を聴いてるサンデーとか。
「飲んだら食事にしよう。サンデー。お前も何か飲むか」
 声をかけられ、彼は雛鳥のようにちょこちょこと歩きながらこちらへやってくる。
「皆さんと同じもので」
「だそうだ」
 の声に、シャラップは手早くグラスを一つ用意して。
「ありがとうございます。少々酸味が強い気がしますが、後味はすっきりしていますね」
「柑橘類のシロップを使った、スパークリングドリンクです。こちらのシロップの原料が取り寄せられる間は、ご提供しますよ」
「運動の後に飲むといいかも」
「汗をかいた時って、こういうサッパリしたのが美味しいよね〜」
 スルッと飲めてしまって、気づけば二杯も。だが、これ以上飲むと水っ腹でご飯が食べられないので渋々諦める。
「シャラップ、シロップを分けてもらえるか」
「いいですよ。夕飯後に立ち寄ってもらえれば、用意しておきます」
「だ、そうだ。持って帰って冷蔵庫に入れておけ」
「丹恒ありがとう!」
「ずるい! シャラップ、うちの分も用意しておいて!」
 こんなやりとりをする俺たちを、ちびちび飲みながらサンデーが微笑ましそうに見ていて。
「サンデーは?」
「ワタシはこちらでいただくので十分です」
「そっか! じゃ、飲んだらご飯行こう」