
1 Xとpixivにあげてます
2は、ざっと書いて、直しを入れるの明日にしようと思ったけどお父さん実装日の方がいいかなと思っていったんべったーに。
2 アルプヤルナ
甘い風が吹いている。花々が咲き乱れて、足裏でいくつかが踏みしめられるのを感じた。
アルジュナの衣装と同じくらい白い雪が、花畑を冬に閉じ込めようと降っているのに、風が何度も吹き払い、アルジュナの周りだけが丸く、春を残していた。
「もう、無理はなさらなくても」
冬山で凍えたのは長い年月の過去で、今はサーヴァントの身。影帽子は凍え死にはしない。
異論を唱えるように、ざあ、と突風が吹いてくる。風はヴァーユの担当だが、空に属するものは全て己がものだと、あの天空の主は取り扱うのだろう。
他のサーヴァントの面々は、無事にマスターをカルデアに送り届けられただろうか。特異点に取り残され、共に閉じられかけているのに、アルジュナの胸は静かだった。
わずかでも残っている空が、遥かな父神に連なっていて、そこからの視線を送ってくれている。──なかなか一人きりにはなれないものだ。
「大丈夫、ですよ」
マスターは気を張って、きっと戻ってくるだろう。立て直して、援軍を連れて。いつもそうだった。諦めたことだってたくさんあったけれど、届く手を諦めたがらなかったから。
「いや、もしかしたら今回はマスターは、」
「馬鹿者!」
大きな声が雷のように落ちてきて、アルジュナは言葉を飲み込む。
空を伝ってか、インドラ神が花畑に降り立っていた。青い光を放つ目が、ほっとした色を浮かべてから、不満そうに歪められる。
「頼るべきときに呼べ」
その、ずいぶんと直截な言葉を、揶揄する眷属神がいない。ヴァジュラたちは武器の姿のまま、付近を周回している。
ふと、アルジュナは笑ってしまった。驚いた顔をして固まったインドラ神に、迎えに来てくれたことへの礼を述べる。
普通の、人の仲間のような振る舞いであっても、神ゆえにその真相は人には分からない。
「己の力不足をお見せしてしまい、恥じ入るばかりです
……ですが、その、ありがとうございます。私のことを、マスターの戦力としてだけでなく、きっと
……」
父神だから、迎えに来てくれたのかもしれない、と。
甘えたことを考えてもいいだろうか。
この日々の記憶をなくしたくないから、失いかけた瞬間に悔いて、だから助けられて弱ってしまったのかもしれない。
アルジュナのぐるぐるとした悔恨をどう解釈したのか、硬直からとけて、インドラ神が手を差し出した。
「帰るぞ。人間が騒がしくてかなわん」
「ふふ、マスターは賑やかですからね」
ぎこちなく繋いだ手を、軽く振って、インドラ神に引かれてカルデアに戻る。
花畑はギリギリまで花びらをまいていたが、やがて静かに閉じられた。
あの世界の空が、静かに眠れますように。立ち去る瞬間、アルジュナは小さな祈りを捧げた。
※2026/07/03追記
本文直して作り直しました
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