三毛田
2026-07-02 20:35:19
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6 【06/該当者ゼロ】

6日目
いないと思ったら、そこにいた

「おかしい……
「何がだ」
「だって。明らかになくなってるのに、誰も知らないっておかしいじゃんか」
 そう。
 俺がちょっと通話のために席を立ち、戻ってきたら食べかけのクッキーが消えていたのだ。
 みんなに聞いて回り、最後に丹恒にも聞いたけれど該当者ゼロ。
 のハズだったんだけど。
「穹、すまない。どうやらお前の皿と自分の皿を間違えていた」
 二人で頭を悩ませていたら、ふいに丹恒が皿を差し出しながら頭を下げて。
「なーんだ。それなら仕方ないよな! 隣に置いておいた俺も悪いし!」
 俺と彼の皿は隣同士に置かれていた。どうせ丹恒のことだから、本を読みながら食べていたのだろう。前にも何度か彼の皿のものは減っていないのに、俺の皿のものだけ減っているということがあったので、気にしたら負け。
「残りは全てお前が食べろ」
「いいのか?」
「ああ。これ以上食べたら、夕飯が入らなくなる」
 子どもじゃないんだから、そんな事ないだろ。と否定しようとしたけれど、それじゃ彼の気がすまないだろうからと受け取る。
「ありがとう。じゃ、ついでに一つだけ食べさせて」
「罪滅ぼしになるかわからないが、お前が望むまま食べさせよう」
 綺麗な指先がクッキーをつまみ、俺の口元へと運ぶ。
「というか、俺に食べさせてたら、俺が夕飯が入らなくなるって思わないのかよ」
 クッキーを食べ終えてから、文句を告げると微笑むだけ。
 なんかすごい不満だ。
「食べさせろと言ったのはお前だろう?」
「そうだけどさ」
 全部食べたら流石に多いので、途中で止める。意外と俺に食べさせるのが好きなのか、ちょっとだけ不満そうだった。
 が、これ以上食べたら、俺のウエストも大変なことになる。
 それをわかっていて食べさせてくる時もあるのだから、質が悪いのだこの男は。
「それならば、責任を持って食べろ」
「ご飯の後で食べる!」
 と叫んだら、笑われた。わかっててやってたな!?
「お前は可愛いな」
 なんて言いながら、俺を抱き寄せて頬にキス。これ、本当に丹恒か? 花火の変装じゃないよな?
「どうした?」
「お前本当に丹恒?」
「脱いで確かめるか?」
 急に真顔になって上着に手をかける。これは丹恒だ。うん。
「いい。でも、どうせならお風呂出てからお願いします」
 真顔で変なことをするやつは、基本丹恒だ。
 俺がお願いしたら、頷いて上着から手を離す。
「じゃあ、ご飯食べに行こうか」
「今日はまともな飯だといいな」
「姫子は関わってないはずだから、大丈夫。多分」