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ngr_ps21
2026-07-01 16:02:21
7539文字
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参将シリーズ
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不信を信ずるⅢ
参将シリーズ3話目
全てを信じられない参🎈×全てを信じる将🌟のお話。
※縦読み推奨
3
──油に放り込んだポテトを、近くで眺めていたことがある。
ふつふつ膨れては散る泡も、今まで見たことのあるそれより過激で真新しかった。自分の知っている泡といえば、石鹸をかき混ぜた時の泡だとか。水と砂糖と適当なものを混ぜて作ったシャボン玉の泡だとか。そんなものばかりだったから。ふわり。柔らかくて。触りたいな、と触れては壊れるものばかり。
泡は壊れるものと知っていた。
何もこちらに与えない内に。
じゅうじゅう。恐らくこの泡もそうなんだろうな。ぼんやり目線を離さずにいると。
ふと、とある泡が割れた拍子に、油が飛んできた。
「!」
あまりに不意打ちで避けられない。油が飛んできた、と認識したタイミングすら、肌に焼けるような痛みがあった後だった。
「──!?」
母が名前を呼んで、咄嗟に冷たい水で冷やしてくれる。たかだか泡の断片だ。痛みはたったの一滴分で、大した痕にもなりやしなかった。
しかし。
でも。
驚いたのだ。無害だと油断したモノに、鋭い痛みを与えられて。じくじく。残り香。ぼこぼこ。未だ繰り返される破裂の中で、ポテトが激しく死に絶えている。
***
「ん
……
」
低く発された一音を捉え、参謀は手を止めた。
同室で書類業務をしていると、互いの環境音が耳に入ることはままあることだが、大抵そこに「人の言葉」は無い。即ち、二人無言で仕事をしているのだ。当然の事である。山積みのTODOに与太話を挟む程暇ではない。
参謀をここに迎えてからというもの、隙間時間に謎の世間話を挟んでくる将校も。仕事中に私情で絡む程愚かではなかった。
「どうかされましたか」
故に尋ねる。
返事は暫く無言に代えられた。紙面一枚を睨み。アプリコットの瞳を細め。蕾のように唇を閉ざし。その蕾を指先で隠す。思案、している。通常、年の割にあどけなささえ孕む表情が険しくなっていた。
急かさずに、唇が開く時を待つ。
「
……
いや」
ようやっと言葉が咲いたと思ったら、彼は小さく首を横に振った。
「声を漏らしてしまったが、何てことはない。隣国からティータイムのお誘いだ、重苦しい今後の話を茶菓子に嗜む程度のな」
「
……
そうですか。ならば日程の調整を」
「ああ、私一人だから構わない」
何てことない風に。
言ってのけた将校に眉を顰めた。当然のように自分も付き添うつもりだった
……
というか、参謀でなくても一人くらい連れて行くかと考えたが。
「お一人?」
そりゃあ、将校は優秀な軍人だ。御伽噺に出てくる鬼や大蛇などとも単独で戦えるだろう、と思う。並大抵の敵襲では殺されない筈だ。
しかし舞台は隣国で相手に有利な地。「今後の話」を、政界を握る貴族の者ではなく、一軍人に持ち掛けること自体そもそもきな臭い。そうして一人で行くと決断する将校もかなり可笑しい。
「まさかその招待状、『一人を』寄越せと仰せですか」
「
……
」
将校は一度口を開き、すぐに閉じた。もう一度口を開くと同時に瞳を閉じて、肩をすくめる。
「その通りだ。だが、私一人でも大事はない。私がそう判断した」
最初は「『一人寄越せ』と書いているわけではない」などと嘘を抜かそうとしたのだろうな、と、思った。
一週間前。彼が仕事詰めの生活と不摂生により体を壊し、倒れてからというもの。将校は参謀を誤魔化さなくなった。尤も、彼の誤魔化しなど元より「自分にも余裕はないが、困っている人間の仕事を『大丈夫だ』と請け負う」だとか、前回のように「不調を感じているのに『問題ない』といなす」だとか、下らないものばかりだけれど。
──それでも参謀は許せないのだ。
人はそれを"気遣い""優しさ"と称賛するのかもしれない。だが参謀には許せない。そんなよく分からない理由で、自分に虚勢を向けられることが耐え難い。
不快感とはまた異なる、違和感が胸を叩くのだ。ちくちく。微かな痛み。叫び出しそうな程に瞳が帯びる熱。この感覚の正体を、まだ自分は掴めずにいる。とは言え痛みは嫌だ。だから参謀は、将校を疑い続ける。
「将校殿の判断は宛にならない」
「上司に向かって随分な言い様だ」
「貴方は私の不信と、頭脳を買ってここに引き入れたのでしょう。
素敵
・・
なお手紙に対して私の見解を仰がないのは変です」
あ。
将校にしては間抜けな声を漏らす。参謀が流麗な動作で、その手から手紙を抜き取ったのだ。あまりに自然で将校も指先に力を入れ損ねた。
「返しなさい。私が毎度参謀の頭を借りると思うな。自分の能力を買い被り過ぎではないか?」
「ふむ
……
」
文面を一読して口元が笑みに歪む。
嘘は付かない。嘘こそ付いていない。あぁ何て苛立たしい。
「貴方こそ、自分の能力を買い被り過ぎでは?」
──貴殿の元にある一番"賢い"者を一人、自国にて一度お顔合わせ願う。
壮大な挨拶や、遠回しな戯言を切り捨てて。一番大事な部分を抜粋すればこのようであった。
今。このタイミングで。わざわざ「賢い」などという単語を選び、「一人」と付けて呼び寄せる。特定の人物を差す人差し指があまりにも露わ。否、隠すつもりもないのだろうが。
「
……
将校殿は、将校殿自身が一番『賢い者』と自負しておいでで?」
「
……
参謀こそ、自分が
将校
私
の元にある一番賢い者と自負しているのか。とんでもない自信だ」
「今この時は自信家とでも自己陶酔者とでも何とでも仰ってください」
「そこまで言ってないが」
無言で鋭い視線を向ける。刃物の切っ先のようなそれを受けても、将校に悪びれる様子は無い。彼は嘘こそ口にしなかったものの、「本当」も言わなかった。しかし正しい判断だと言わんばかりに毅然とした態度で。
「仮に、だ。仮にこれが参謀のことを指しているとして」
「どう考えても私ですが」
「話を聞け。それこそ可笑しい話なんだ。一国の、多少立場が上なだけの軍人、その部下を呼び寄せるなんて話。建前、曖昧に濁しているが不躾にも程がある。安全とも言えん。だが脅し文句も存在せず、こちらが丸っきり無視が出来る理由も持ち合わせていない。卑怯だな」
「ならば何故」
「お前は私の部下だからだ」
伸びた背筋が、固い意志を示している。物理的に肩を揺すっても、姿勢は微動だにしないのではないか
……
そう思うくらい。
「参謀のことは信用している。下手な真似はしないだろう。だが用意された場に違和感があれば、まず上司が顔を出すのは一般常識の範囲内だ。万が一"手紙の内容を違えた"、と指差されても、切り返すことは出来る」
だからと言って? この状況を知っていて? はいそうですかと上司を送り出す部下がいるか?
何かあったらどうするつもりなのだろう。何かあったとて彼の強さは知っているけれど。何かあったら報告はしてくれるだろう。大したことなかっただとか付け加えるだろうけれど。ああ、どこぞの部位の底がむかむかする。ぐるぐるぐる。胃かもしれないし、胸なのかもしれなかった。
噛みつこうとして。「と、いうわけだから一人で行く」なんて、将校はあっさり話を完結させてしまった。
好きにしてください。将校ではなく苦虫を噛み潰すことになった参謀は、そう吐き捨てた。
***
最近、やけに身の回りが静かだ。
静寂は良い。静謐は美だ。しかしこの頃は、多少の喧しさを欲してしまう──無音の時間があると、隙あれば将校のことを考えてしまうから。
例の面会は日取りを終えた。先方には誰が行くとも未だ伝えていない。この時点で「
参謀
目的
が来ない」とあらば、非難か却下を食らう可能性があったからだ。却下ならば却下で有難い話だが、「意図を探るのに、機会自体失うのは惜しい」と軍人は言った。
ああ苛立たしい。何が一番って、自分がこんなにもあの男に対して脳の割合を割かなければならないことだ。何が「参謀のままで」だ。このままでは自分が自分でなくなってしまう。予感は不機嫌に変わり、全身を巡った。けれど不機嫌を重ねれば重ねるほど、将校のことを考える時間も増える。とんだ永久の悪循環だ。気が散る。先程から虫の羽音のような気配もするし
……
。
「ねぇ。イライラを周りに撒き散らすの、やめてくれる」
……
ほら来た。
羽音の根源──流石に彼女を「虫」とまでは形象しないが──が言葉を発する。その方角へ、緩慢に視線を向けた。
「わかってんの? 何かここの建物の人、皆アンタのイライラを怖がって大人しいんだけど」
「
……
道理で本日は静かだと思いました」
菫色の瞳がじと
……
とした抗議を浮かべる。瞳の色は柔らかく優しいけれど、目つきや、本人の言葉の棘でプラスマイナスゼロだった。
来訪者の少女は、名をネネと言う。エムと同様の森の民だ。若草の髪がゆるく曲線を描き、時々外側に跳ねている。エムや、一匹の獣とよく行動を共にしており、こうして単独姿を見せるのは珍しい。
ましてや、森の民にとって目に見える形の「敵」であった参謀の前にやって来るなど。
「わたしはどうでも良いけど。エムが悲しむからずっとこんな感じなのやめてよね」
「善処しますよ」
「
……
」
じと
……
と二回目。
参謀は小さく息をついた。彼女は一番に警戒心が強く、未だ参謀を──ひいては引き入れた将校をも微かに──疑心込みで接しているように思う。当然の反応だ。寧ろそちらの方が、参謀もすんなり受け入れられる。
「して、本日はどのような御用で?」
「その何か変に
謙
へりくだ
るのもやめてって言った。気味悪いし」
「
……
ネネ。今日は何の用で来たんだい?」
しかも、丁寧な接客をこのように嫌う始末である。将校はエムに対して「エム」と親しく呼び掛けるが、ネネに対してもそうだった。気さくと言うべきか、その対応の方が彼女は気楽らしい。
胸中にもう一回くらいおまけで溜息をつく。まともに会話が進みやしない。
「一言で言うなら視察」
「視察
……
君一人でかい?」
「奇襲かけたりとか、その下見じゃないんだから。一人で十分。エムから『
アイツ
しょーこーさん
が倒れた』って聞いたし、様子も見たかったの」
成程、即ち見舞いか。
律儀だ、と、思う。どうでもいい存在だと思っていれば、足を運びはしないだろう。警戒を怠らぬままに、彼女は「敬慕」を両立させている。何もかもを疑うことしか出来ない参謀は、「そんな形もあるのか」と別国の文化を見ている気分になった。
「でもま、元気そうじゃん」
「
……
横になっていたのはほんの一日だったね。それからはすぐ仕事に戻ったけれど」
「倒れられても困るけど、いつまでも仕事が滞ってるのも困る。こっちにも支障が出るし。すぐには動けないのなら呼んでよね、わたしたちも無力じゃない。少しくらいなら力になれると思うから」
小さく頷く。
辛辣に聞こえて、そのくせ優しかった。気遣いと鼓舞と。絶妙な塩梅で、ネネは将校に手を差し伸べている。
「
……
」
「
……
何、変な顔して。じゃ、わたしは見たいものも見たし帰るから」
「うん。それじゃあ」
「
…………
」
何故だろう。帰宅宣言を認めたつもりなのに、少女は一向に動かない。顔の方角すら変えず、参謀をじっと見据えている。菫色の光に、今度は抗議が無く。ただ、不思議そうな感情を孕んで。
「
……
アンタって、どうしてアイツのことをまだ信じられないの?」
「
……
将校殿のことかな」
「ほかに誰がいるのよ」
何を今更そんなことを聞くのだ、と問う前に、彼女は続けた。
「わたしの言うことはすんなり信じるくせに」
「別に、ネネのことも常に疑ってかかっているけれど。不要な喧嘩を買いたいのかい?」
「嘘。だってわたしのことを疑っているなら、『一人で来た』って言葉も飲み込まないはず。帰り道──せめてこの建物を出るまでは、仲間がいないか、道中
罠
ギフト
を置いて帰らないかとか、見張るために出口まで同行してもいいでしょ」
「
……
君は付き添わないと出口まで辿り着けない幼子か何か」
「話を逸らさないで」
ぴしゃり。窓を閉め切るように言い放たれる。
「全部ではないけど
……
多少話は聞いてるの。アンタのために、アイツが色々手を尽くしてること」
逃げ場をなくした空間で、独り言のように将校が語られる。参謀の知らない時間のことだ。自分が関係しているのに、自分は知らない。知らない、知らなくていい!
……
無関心でありたいのに、ひどく心離れない。知ってしまっては、また自分の中の一部が崩れてしまう気がするのに。
(
……
料理、とか、そういえば。あの少女が零していたな)
聡明な頭は、勝手に点と点を結び付ける。大方、将校が参謀へ振る舞っている食事は、ネネとエムから教わったものの集大成だろう。料理をする事情や理由を。ネネの言う通り"すべて"ではないにしろ、伝えてあるに違いない。
「アンタは
……
アイツのこと、何から何まで信じられないと考えているわけじゃないと思う。わたしにはそう見える」
「君に何が分かるんだい」
「何も分からないわよ。アンタみたいに、頭が良いのに頑固者のことなんか。疑ってないくせして、必要以上に拒絶してる」
「聞き捨てならないな。私はあの人を疑い続けている。疑心の対象を拒絶することの何が可笑しい、森の民とこの国民だとてそうして諍いを生んできたのだろう」
矢継ぎ早に放ち、ふっと、突如として頭が冷えた。今の発言には、変な意気地が含まれていた気がしたのだ。余計に面白がられても、逆に怒られても面倒である。内心舌を打って、ネネを見やった──が、その表情は参謀の想定とは外側にあるものだった。
怒りでも。呆れでも。何でもない。
「
……
何を驚いているんだい」
そう、驚き。
彼女の表情は驚きだった。驚愕、と言っていい。驚きに似た困惑。困惑に似た戸惑い。菫色の瞳が大きく見開かれて、口は微かに開いたまま。
「
……
まさか、本当に分かってないの?」
「何が」
「"信じられない"気持ちと、"疑う"行為そのものの間にある違いが、本当に分かってないの、って言ってるんだけど」
何の話か全く分からない。参謀は微動だにせず目の前の少女を見つめた。愕然が唖然となる。
一般常識のように語られても困るのだけれど。さては森の民の間では本当に一般常識なのだろうか。
『疑っているわけではない。信じられないだけだ』
しかし、ふっと将校の声が過る。そういえば、参謀が地下牢から連れられた際、彼にもそんなことを言われた。
皆分かっている。
参謀にだけ分からない。
悔しくは無かった。知る必要のない事柄に、記憶のリソースを割くべきではない。しかしああ、また。体の内で煮えたぎる物がある。盛った熱を吹き消したのは、他でもない少女の溜息だった。
「あの大臣の優秀な腹心が、こんなにバカだったなんてね。バカだったから務まったのかな」
「随分と恐れ知らずなお嬢さんだ」
「わたしは事実を言っているだけ。別に手を出してもらっても大丈夫だけど。相棒は近くにいるし」
白獣のことだろう。こちらとて、本当に手を出すつもりはないが。ここで危害を加えるのは、それこそ愚者のすることである。
「そもそもじゃあ
……
聞くけど。アンタは何でアイツのことを信じられ
……
じゃなくて、『疑って』いるの? 大罪人であるにも関わらず、処刑されず生かされている
……
それだけが、理由?」
「
……
」
真っ直ぐな瞳だ。将校とも、エムとも、似て非なるもの。どうして自分の身の回りには、こんな存在ばかりなのだろう。もう少し冷たい世界なら、この世を呪ったまま、きちんと優しく死ぬことが出来たのに。
温かさとはまた、随分と残酷な。
「私は、全てを疑い生きてきた。そういう呼吸の仕方をしていた」
かつて従っていた大臣だとて、一度たりとも信じたことはない。裏があると知っていて。便利な手駒という認識で扱われていると知っていて。能力と地位だけが自分たちを結ぶ何よりの繋がりだと知っていて。参謀は立ち振る舞っていた。楽だった。「利用されている」と理解した上での舞踏は、滑稽だが楽だった。
「将校殿は違う」
裏が無いらしい。優秀と認めこそすれ、便利な手駒とひとかけらも扱わないらしい。能力と地位とは違うところで繋がろうと、あんなにも無様に、必死になって。
「それでも尚、裏切られたらどうする?」
全ての感情を、どこへやればいい。
どこから来たのかも分からないその手を見失った時、果たして自分の手はどこへ向かったらいい。
冷たい場所で正しく優しく死に絶えたい。
温かい場所で、間違いを呪いながら死ぬよりも。
「
……
は」
ネネは目を見開いた。
ただ息を吐いた音、にも。「は?」と言いかけた怒りが途切れた音、にも。どちらにも聞こえた。
続いて、それって、と呟く声がする。
「
……
つまり、『信じられない』んじゃなくて『怖いから信じたくない』ってこと
……
?」
さらに零された言葉は、あまりに微かで耳に入らなかった。参謀の意見が入らぬよう、わざわざ小さく零しているようにも思えた。
参謀は目を細める。
「分かっただろう。私は将校殿を信じるつもりはない」
「
……
うん。よく分かった。頑固者のことが少しだけね」
何だか引っ掛かる言い方だが、右に流す。
「話は終わっただろう? さあ、早く帰らないと仲間が心配するんじゃないかい?」
「お気遣いありがとう。そうさせてもらうけど、『理由』を答えてくれたお礼に一つだけいいこと教えてあげる」
「等価交換に成り得るのかな」
「等価交換どころか。それ以上」
若草色の髪が揺れる。自らの確信を隠しもせず、彼女は強気に微笑んだ。
「そのイライラ。他ならぬ"将校殿"と一緒にいればいるほど、解決すると思うけど?」
***
「将校殿。少々お話が」
「何だ? 先程指示を出したばかりだと思うが、もう終わったのか。であればこちらの書類を」
「そうではなく」
仕事馬鹿の言葉を堰き止める。
無愛想な瞬きを数回見届けたあと、参謀もまた、無愛想に告げた。
「先日の招待状の件。
……
やはり私も伺いますので」
有無も言わさぬ。
すぐさま飛んでくるであろう将校の否に、反論する手札を脳内で並べた。
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