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三毛田
2026-06-30 21:13:33
1055文字
Public
1000字8
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4 【04/見間違え】
4日目
どうせならずっと見間違えていて欲しい
「丹恒。昨日何処にいたんだ?」
「資料室にほとんどいたが。どうしたんだ」
「ふうん。俺、ピノコニーでお前に似た雰囲気の人、見かけたんだけど」
「見間違いだろう。パムが持ってきた食事を、自分で受け取っている。聞けば答えるはずだ」
そう答えても、穹は納得していないのか唇を曲げていて。
「丹恒、おるか?」
ノックの音と、呼びかける声。
いいタイミングでパムが来てくれた。
「ああ。穹もいるが」
「穹もおったのか。ちょうどよい。丹恒には、頼まれておったものじゃ。穹は、大人しくこれを食って感想を寄こすがよい」
「ありがとう」
研究用の資料として、とある料理を再現してもらった。元々の資料と見比べながら、まずは全体的な写真。それから、個別にしてから写真撮影。
「パム。丹恒、昨日ここから出てないよな」
「オレが知っている範囲では、出とらんはずじゃ。オレにさっきの料理を頼みに来たときと、食事を届けた時に顔を合わせた時以外は知らんが」
パムの返答を聞いても、納得していない様子。
「なんじゃ。喧嘩でもしたのか?」
「違う。俺が外出先で、丹恒に似た人を見たって言ったら、資料室から出てないって言うから」
信用できないだろ? などと、失礼なことを口走っていたので、足を踏んでおく。
「それよりも、どう似ておったんじゃ?」
「黒髪ロングの女の人で、ちょっと近寄りがたい美人だった。俺よりちょっと背が高いかな? って感じ。丹恒が女装してて、ヒールのあるブーツを履いてたら、あんな感じだったと思う」
思わずパムと顔を見合わせる。
「お前の好みを羅列しているのかと思った」
「ちっがーう! むぐっ」
「うるさい」
と、パムに持ってきたおやつを口に無理やり詰め込まれている。何がしたいんだ、こいつは。
大人しく食べ終えた穹から感想を貰い、それをメモしたパムは資料室を出ていく。多分、三月にも感想を貰いに行くのだろう。
「用がないならば、お前も部屋に戻れ」
「丹恒からはっきりした答えを貰ってないんだけど」
「俺の荷物はそこにあるだけだ」
と、布団の隣のトランクを指差すと、不承不承な表情で出ていく。
「
……
はあ」
危なかった。中身を見られていたら、バレていた。
そう。昨日、彼が見かけた女性は俺だ。見間違えたわけでも、勘違いでもない。
論文に行き詰まると、誰もいない時間帯にこっそり列車を降り、女装して知らない人間ばかりの街をぶらつく時がある。
「今後は気をつけないといけないな」
バレたら、面倒だ。
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