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yoAi_mochii
4025文字
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R18
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【狛日】その指先にあるのは
狛枝不在の義手あれこれ
ガチャリ、と。
無機質で、ひどく洗練された駆動音が、静まり返った深夜の作業室に響く。
デスクのLEDライトが照らし出すのは、生々しいほどに人間の形を模した、しかし確実に人間のものではない「左腕」だ。
左右田和一の超絶的な駆動系メカニック技術によって組み上げられ、カムクライズルの「生体電流」と「神経接続」に関する全知の才能によって、生命を吹き込まれた限りなく本物に近い機能を与えられたもの。
それは、狛枝凪斗の半身とも呼ぶべき、精巧な義手だった。
任務のたびに、その最高傑作をボロ布のように破損させて帰ってくる男の顔を思い浮かべ、日向はふっと熱い息を吐き出した。
「またボクの不運のせいで、キミに無駄な労力をかけさせちゃって
……
本当にごめんね」
食堂で申し訳なさそうに、けれどどこかこちらを試すような、歪な微笑を浮かべていた狛枝の表情を思い出す。
周囲の仲間たちは、「日向は本当に仲間想いだ」「その日のうちに直してやるなんて優しすぎる」と感心していた。が、日向の胸の奥で燻っている感情は、そんな綺麗なものでは断じてなかった。
日向が欲しかったのは、ただ一つ。どれほど疲弊していようが、夜中に一人でこの作業室に籠もり、この「腕」を独占するための大義名分だけだ。
「
……
クソ、なんなんだよ、これ」
日向は荒い呼吸を誤魔化すように、自身の熱く脈打つ掌で、冷たい銀のフレームと人間の肌の境界を震える指でなぞった。作業デスクに腰を預け、ズボンを乱暴に押し下げる。すでに先走りで濡れた先端が、冷たい空気に触れてびくりと跳ねた。
調整用のコンソールにログインし、カムクラの残した生体接続のコードをハッキングする。指先を隠しコマンドのセンサーに押し当てた瞬間、義手の指先がピクリと跳ねた。
まるで意思を持った生き物のように、冷たい金属の掌が日向の太ももを滑り上がり、熱を逃がさないように硬くなった質量を優しく包み込んだ。
人工皮膚と呼ぶにはあまりに冷たく、ただの金属と言い切るには、妙に生々しい質感を帯びていた。
「
――
っ、ひ、あ
……
ッ!」
精密モーターの微かな駆動音と共に、義手の指がタマを転がすように、揉み解すように動き始める。人間の指では到底出せない、均一で的確な圧力。柔らかい皮膚を優しく押し潰し、裏側を擦り上げるような動きが、容赦なく快感を呼び起こす。
「あ、は
……
っ、そこ、は、ダメ
……
ッ!」
自分が設定したコードであるにもかかわらず、本能的な拒絶の言葉が漏れる。
そんな不条理な抵抗を置き去りにして、機械の圧迫と超精密モーターが引き起こす微細な振動が、逃げ場のない快感となってダイレクトに脳へと突き刺さった。
裏筋から根元までを完璧な力加減で愛撫され、たまらなくなった日向は、自らの右手を自身の屹立したペニスへと伸ばした。
義手の執拗なマッサージに煽られながら、激しく扱き上げる。
「は、ぁ
……
ッ、こま、えだ
……
っ、ん、あ!」
本物の狛枝の前では絶対に漏らさないような、甘い悲鳴を作業室にぶちまけた。
悔しいのに。これはただの、切り離された機械の塊だと分かっているのに。義手の冷たい金属と、熱くなった自分の掌の温度差が、異常な興奮を掻き立てる。
日向は自らその「鉄の指先」にすがりつき、狂ったように腰を揺らしていた。デスクを掴む自分の手がどれほど震えていることさえ気づかないほど、頭の中は真っ白に塗りつぶされていく。
「く、そ
……
っ、あ、あぁッ!」
ほんの数回強く擦り上げただけで、頭の芯が完全に弾けた。日向は作業デスクの縁に太ももを押し付けたまま、一発目の白い熱を激しく溢れさせた。
浅く荒い息を吐きながら、強張っていた身体の力をドロドロと抜いていく。
だが、今夜の本番は、ここからだ。
この作業室に足を運ぶ前、日向は浴室で入念に後孔を指で解き、綺麗に洗ってきていた。いつもならフロントの愛撫だけで終わらせていた境界線を、もっと先まで踏み越えてみたい
――
そんな歪んだ引き金を、ついに自らの手で引いてしまっていたのだ。
カチ、とコンソールが冷徹な電子音を鳴らし、プログラムが次のフェーズへと移行する。
今度は冷たい作業デスクに背中を預けて、脚を大きく開いた。
指示を受けた義手の指先が、ぬるついたローションを纏いながら、窄まった後孔へとゆっくりと宛がわれる。
「っ
……
ひ、待て
……
本当に、入れるのか
……
?」
冷たい異物が窄まりを押し広げていく感触に、背筋が凍りつくような不安と違和感が襲う。入らない、無理だ
——
そう思った瞬間、義手の指が容赦なく侵入を開始した。
「ひあっ
……
!? あ、が
……
っ、硬い
……
!」
本物の人間の指とは決定的に違う、硬質で、けれど滑らかな金属の質感が肉を押し広げていく。
強烈な恐怖と不安、底知れない背徳感。初めての感覚に身体がガチガチに強張り、息が止まりそうになる。逃げ出したくなる恐怖が胸を締め付けた。
しかし、義手の精密な駆動が徐々にリズムを刻み始める。最初は一本の指で、ゆっくりと奥まで沈め、引き抜く。違和感が徐々に薄れ、代わりに内壁の敏感な部分を的確に擦られる心地よさが芽生えてくる。
「は
……
っ、あ、ん
……
なんか、変
……
」
超精密モーターが引き起こす微細な、しかし確実に肉の芯を震わせる振動。そして、計算し尽くされた生体電流が、容赦のない快感の濁流となって日向の思考をまたたく間に溶かしていく。
肌を擦り合わせるようなじっとりとした熱を放ちながら、義手は日向の最も敏感な部分を、完璧すぎるリズムで愛撫し始めた。
指先がさらに深く、非現実的なストロークで日向の内側を抉るように動く。
その異様なリズムに次第に肉が慣らされ、太ももが愛液で濡れまくっていくのをも無視して、日向は翻弄されるがまま思わず腰を突き上げた。同調するように、二本目に移行した瞬間、義手の駆動音が高音の風切り音を伴って一気に跳ね上がる。
「ひっ、あぁッ!? 速い
……
そんな、速く
……
あ、あぁッ!!」
指の本数が増え、三本。通常の人間では絶対に不可能な、蛇のようにしなる高速のピストン。関節の可動域を無視した、ねじれるような旋回運動が始まる。
内壁を容赦なく掻き回し、前立腺をミリ単位で執拗に抉る。超高速の振動と、計算し尽くされた圧迫が、日向の思考を真っ白に塗り替える。
「ひ、あ
――
ッ!? ぁ、が、あぁッ!?」
これは左右田の作った機械の動きだ。いや、カムクラの計算した快感のトレースだ。けれど、この容赦なく自分を追い詰め、狂わせていく輪郭は、間違いなくあの面倒で、勝手で、愛おしい狛枝の腕そのものだったーーあまりにもの瘋狂的で、非現実的な展開に、日向の脳は徐々に追いつかなくなっていく。
脳の許容量を遥かに超えた、非現実的な質量と速度の暴力。先ほどまでの不安や違和感なんてものは、一瞬で消し飛ばされた。激しく抉られる内側から、未体験の熱い電流が全身の神経を導火線のように焼き尽くしていく。
「やめ、それ、死ぬ、アッ、あ、あぁぁぁッ!!」
前を一切触れていないのに、後ろだけで身体が勝手に跳ね上がる。義手の駆動音が高く響き、金属の指が限界まで深く沈み、激しく掻き乱す。通常の人間には不可能な、神業のような速度と精度。内側を徹底的に蹂躙され、熱い電流が脊髄を駆け上がる。
「もう
……
ダメ、っ! 後ろだけで
……
いくっ、いくぅッ!!」
狂ったように腰が跳ね、作業デスクの金属音が激しく部屋に鳴り響いた。
視界が真っ白に弾け、日向は自身の前を完全に放置したまま、後ろから突き上げられる圧倒的な快感だけで、二度目の、そして今までに味わったことのないほど深い絶頂を迎えた。
弓なりに反った身体が激しく痙攣し、白い飛沫が腹部から胸元までを汚す。後孔が義手の指を締め付けながら、果てしない快楽の波に飲み込まれていく。
獣のような荒い呼吸だけが、静まり返った薄暗い作業室にどこまでも溶けていった。
――
夜明け前。 日向は鉛のように重い身体を動かし、デスクと義手の表面を、指紋一つ残さないよう完璧に拭き取った。プログラムを通常モードに戻し、何事もなかったかのように修理を完了させる。
翌朝、食堂のいつもの席で、日向は待っていた狛枝の左手にその腕をガチリとはめ直した。 カチカチ、と指先を動かし、駆動テストを行う狛枝。やがて彼は、その左手で、日向の頬にそっと触れた。
昨夜、自分の衣服を剥ぎ取り、最奥まで汚し尽くした、まさにその指先が。
「うん、完璧だよ日向クン! まるでボクの本当の体の一部みたいだ。キミの手にかかると、この壊れた希望もすぐに生き返るんだね」
そう言って、何も知らない無垢な微笑みを浮かべていた狛枝が、ふっと顔を近づける。日向の耳元に寄せられた声のトーンが、わずかに低く、愉しげな色を帯びた。
「
――
それで? 昨日の『お遊び』は、満足いくまで楽しめたのかい?」
「っ
……
!」
心臓が跳ね上がるのを自覚すると同時に、日向の全身の血の気が引いていく。
見透かしている。すべて、最初から。
驚愕に目を見開く日向を、狛枝はいたずらが成功した子供のような、あるいは底知れない悪意を孕んだ瞳で見つめ返していた。
その左手がもたらす冷たい体温に、日向は背筋を駆け上がるような甘い戦慄と、強烈な目眩を自覚していた。
すべてを知られた上でなお、この男の片腕を支配しているのは自分なのだという歪んだ全能感が、胸の奥でドロリと首をもたげる。
(お前が全部知っていようが関係ない。俺に一生、壊され続けろ
――
)
もう引き返せない深淵のさらに奥底へと叩き落とされた自覚を抱えながら、日向はただ、いつものように不機嫌そうな顔を取り繕って、狛枝の手を乱暴に振り払うことしかできなかった。
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