たかせ
2026-06-28 21:51:16
2144文字
Public 二次創作絵・漫画
 

フェス衣装キサラさんを囲む女子会


タイトルまんま アライズ女子たちの短い小話です。
ほんのりテュオキサ風味。



(か、かわいい!!)

着替えて現れたキサラを見て、最初に浮かんだ感想が“かわいい”だった。
年上のお姉さん相手にいささか失礼かもしれないが、いつもとはがらりと雰囲気の変わった彼女の装いと、浮かべる少し照れたような表情に真っ先にそう思ったのだ。

思わずちらりと隣に居るシオンと目を合わせて、二人して大きく頷く。
「キサラ、すっごく綺麗!!」
「とてもよく似合ってるわ」
言いながら詰め寄る二人に、キサラは思わず一歩後ずさって困惑したように眉尻を下げる。
「そ、そうか?……おかしくないか?」
「全然!!」
自信無さげにスカートを小さく摘まむその仕草もかわいい!
と内心で一人悶えながらリンウェルはキサラの言葉にぶんぶんと大きく首を横に振った。
「落ち着いた色も大人っぽくて素敵だし、髪型もすっごくかわいいし!」
「シルエットも綺麗だわ。キサラをよく引き立ててる。小物遣いもいいわね」
キサラの周りをくるくる回りながらひたすら感嘆の声を上げるリンウェルと、じっくりと視線を向けて一つ一つ頷くシオン。
対称的なふたりの手放しの賞賛に、キサラはほんのりと頬を染めた。
「お、おかしくないならよかった。二人がそう言ってくれて少し安心したよ」
ほっとしたように笑う表情も常のきりりとした雰囲気とは違って随分やわらかい。その笑顔がきゅう、と胸に響いたリンウェルは思わず胸元を押さえて呻いた。

「どうしようシオン……キサラがかわいすぎるよ……
「同感だわ。私が隣を歩きたいくらい」

頷いたシオンの言葉に、キサラがピクリと反応する。
マニキュアに彩られた指が胸元のネックレスにそっと触れ、キサラは視線を落とした。
その様子にシオンが気づき、リンウェルも首を傾げる。
「キサラ?」
……その、あの人の隣を歩くのに不相応ではないだろうか」

きっと一番の心配事はそれだったのだろう。再びこちらに向けられた視線は不安げに揺れている。
確かに彼女の言う“あの人”を思い浮かべれば不安になるのも無理はない。
元領将。現統率者。冷静沈着頭脳明晰で――そして容姿も端麗。もちろん相手が見た目にこだわるような人間ではないことくらいキサラは百も承知だろうが、相手には立場がある。いろいろと気を配りすぎる彼女が並ぶことを考えた時、気が引けてしまうのもわからないではなかった。自分の見目に自信がない節があるキサラならなおのこと。
――だからこそ。

一瞬目を合わせたシオンとリンウェルは、キサラに向き直るときっぱりと言い切った。
「心配いらないわ。キサラ、とっても素敵だもの」
「きっとすっごくお似合いだよ!」
間髪入れずに返されたその言葉にキサラは目を瞬かせる。
「向こうもしっかり決めてくるでしょうけど何の問題ないわ」
「うんうん。むしろ見とれちゃって詩とか読み始めちゃうかも」
「み、見とれる??」
「あり得るわね」
「そのくらいキサラが魅力的だってこと!」
今日は特にね!と嬉しそうに笑うリンウェル。隣で優しい顔で頷くシオン。二人の様子に、キサラの表情にもゆっくりと安堵がにじんだ。
「ありがとう、二人とも。シオンとリンウェルの太鼓判程心強いものはないな」
「当然のことを言ったまでだよ。ね、シオン」
「ええ」
胸をはるリンウェルにシオンがさも当然とでもいうかのように同意を示す。ぱたぱたと飛んでいたフルルも「フル!」と自信満々に頷いて見せた。
「フルルもとってもかわいいって!」
「フ~ルル~!」
「ふふ。ありがとう、フルル」




「お化粧も上手にできてるわ。その色、やっぱり貴女に似合うわね」
「シオンの教え方がうまかったからな」
「髪型も大人っぽくていいなあ。それ、後ろどうやってるの?」
「これはラギルが教えてくれたんだ」
そんなに難しくないんだぞ。そう言ってサイドの髪をひと房絡めたその指に、普段は見ない指輪が見えてリンウェルはぱちくりと瞬きをした。
(キサラが指輪してるの珍しいな)
しかもどうやらひとつの指だけではなさそうだ。きれいにマニキュアを塗られた指を飾るリングはひとつふたつ――
(まるでテュオハリムみたい)
そこまで思いを巡らせて、リンウェルはふと気づいた。
先ほどキサラが触れていた首元のネックレス。そこにあしらわれているモチーフには見覚えがあった。
いや、ありすぎた。
(うわあ……!)
気づいて、思わず頬が熱くなる。
(あれってテュオハリムの……だよね?)
彼の衣装を彩っていた意匠が、今はキサラの胸元に。
(わあああ)
『指輪』に『鳥の意匠』。
キサラにとても似合っているそれが、どれも彼を連想するもので。まるで彼女を守っているかのようで。
それがすごく素敵で大人っぽく感じられて、何だかいけないものを見てしまったような気もして――リンウェルはひとり頬を押さえてふるふると身をよじった。

……?リンウェルはどうしたんだ?」
「さあ……







***
目の当たりにして照れちゃうリンちゃんの話。
左手の指輪に気づいたらどうなっちゃうやら。(この指輪の説明はいつかあるのかな……
きっとシオちゃんはとっくの昔に気づいているけど微笑ましく見守ってる。