hanayasiki
2026-06-28 00:45:04
3688文字
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モブおじとディーンSS

なんか…暗いものを書きたい気がきている…

 昔から子供に興味があった。特に男の子。誰にも言えない嗜癖であった。
 周囲からはひた隠し、時折妄想しては自分を慰め、それで満足していた。

 私は人見知りで、口下手で、女性とはなにひとつ縁がなかった。それでも真面目に仕事をし、誰にも迷惑をかけず、社会に貢献してきた。

 私はまっとうだった。

 ある日、酒場で酔っぱらいが声をかけてきた。
「あんた、子供に興味がないか」と。
 なんでも、金に困った父親が自分の息子を売っているらしい。売るとは、つまりそういう意味でだ。
 信じられなかった。同時に許せなかった。
 子供を売り飛ばすなんて、正気ではない。
 私はその子供を助けてあげたくなった。
 私は男に金を払い、その親子について詳しく聞かせてもらった。

 ーー

 父親は物腰の柔らかい男だった。
 連れられてきた子供は12歳くらいだろうか。
 赤い髪で、大人しそうな少年だった。
 少し暗い印象で、父親にはほとんど似ていない。

 私は父親に提示された金額を支払った。
 話をするにはこれが一番てっとり早いと思ったからだ。
 父親は金額を確認すると、あとはご自由に、と子供を差し出した。一応、大怪我をさせないようにとは付け足された。

 私は彼を部屋に招き入れた。
 途端、彼は笑顔をみせた。

「はじめまして。ねえ、なんて名前なの?」

 私は彼に名前を告げた。

「そう、マイク。今日はよろしくね」

 にこにこと弾むような声で話しかけられる。
 驚いた。父親といる時の彼は一言も喋らず、俯くばかりだったのに。

 ねえ、疲れちゃった。ベッドに座ってもいい?
 と。彼は私の手をとって、尋ねてくる。
 柔らかい子供の手の感触に、私は息をのんだ。

 私はベッドに座る。すると、彼は当然のように私の膝の上に座ってきた。とすん、と。
 彼は私の体に体重を預けてきた。温かい、柔らかい、成長前の子供の体の重みが、私の理性を揺さぶった。

 それでも私はまだ彼を救いたかった。

「君はどうしてこんな仕事をしているんだい」

 私は彼に尋ねた。

「ボクの家貧乏だから」

 彼は私の肩に頭を押し付ける。

「やめた方がいいよ。こういうことは」
「そ? でも妹が新しい服を欲しいっていうからさ」
「妹思いなんだね」
「どうかな。それよりマイクの話を聞かせてよ。こういうことは初めて?」

 彼は可愛らしい首を傾けた。
 私は一瞬迷い、素直に頷いた。

「そうなんだ。可愛いね。じゃあ、ボクに任せてよ」

 言って、彼は私にキスをした。
 そのまま、彼は私のシャツのボタンに指をかける。なれた手つきで脱がせてくれた。

「いや、待て。私は君とする気は
「そうなの? ボクはそれでもいいけど」

 でも、マイク苦しそうだよ? と。

 彼は私のそこに触れた。図星だった。

「気持ちよくしてあげてもいい?」

 彼はにこやかに笑った。

 私は彼を救いたかった。
 その気持ちは本当だ。

 でも、彼が望むなら、そうさせてやるのが、優しさではないだろうか。

 ーー

「マイク〜。気持ちよかったよ」
「ありがとう。私も気持ちよかったよ」

 彼はとても可愛かった。

 ベッドの中で、彼は私のことをたくさん聞きたがった。
 私が仕事の愚痴をこぼすと、マイクは悪くないよと、私の頭を撫でてくれた。頭を抱き抱え、優しく撫でてくれた。
 嬉しかった。今までそんなことをしてくれる人はいなかった。私は彼に縋り付いて少し泣いた。

 彼はそんな私を見ても揶揄わなかった。ただ柔らかく微笑んで、私を受け入れてくれた。
 マイクは優しいから特別だよ、と。
 私の無茶を受け入れてくれた。

 私は彼がすっかり気に入ってしまった。
 きっと彼もそうだ。だから、私にこんなに尽くしてくれたのだろう。

「次はいつ会えるかな」
「んー、ボクはまたすぐ会いたいな〜。お父さんに聞いてみて」
「わかった。ねえ、今度はプレゼントをもってくるよ。私はね、君を救いたいんだ」

 そうだなあ、妹のドレスがいいな、と。
 彼はつつましやかな願いを教えてくれた。そのあいだも、彼は私の頭を撫でてくれる。
 まるでとても大切なものを撫でるかのように。最高だ。

 私は彼をますます救いたくなった。
 しかし、どうやら彼はこの行為をすすんで行っていたようだ。なんてことはない。淫乱なのだ。
 だったら、応じてやることこそ彼の救いなのだろう。

 またすぐ、彼を買おう。
 プレゼントと忘れずに。
 そして、たくさん可愛がってあげなければ。

 私は彼の頭を撫でた。彼は嬉しそうに微笑んでくれた。
 
 *** ***
 
 今日のお客さんは小太りの中年男性。頭が少し禿げている。
 お父さん曰く、お金はそこそこ蓄えていそうだから、できるだけ引っ張ってこいとのことだった。
 オーケイ。がんばります。正直全然タイプじゃないけどね。

 お客さんの名前はマイク。ボクが手を握ると、手が汗ばんでいた。緊張しているようだ。子供というより、人付き合いが相当苦手なタイプとみた。
 ボクからリードしないとなにもすすまないかもしれない。
 挨拶もそこそこに、ボクはマイクをベッドに誘導する。

「どうしてこんな仕事をしているの?」

 マイクは不機嫌そうに聞いてきた。
 それはまあ、買うお客様がいますので。あなたのように。
 とは言わず、無難に生活苦を理由にした。これも真実だしね。

「こんなことをね、するなんておかしいよ」
「そ? でも妹が新しい服を着て欲しいっていうし」
「だったらもっと真っ当な仕事をしないといけない。子供がこんなふしだらなことをするなんて間違っている」

 マイクは訥々とボクに説教をはじめた。早口で目が血走ってる。ボクはちょっとまずいかなと思い始めた。たまにこういうお客さんに当たる。
 これはさっさとやって終わらせないと、危ないかも。
 ボクの情報をあまり渡したくなくて、マイクの自身のことをひたすら聞いた。
 すると、マイクは徐々に機嫌をよくしてべらべらと話し始めた。
 自分がいかに仕事場で冷遇されているか。女性社員の態度の悪さ。
 大体が自業自得の内容だ。ボクは、そうなんだ、大変だね、マイクは頑張っているのにね、と話を合わせる。ほとんど聞き流していたけれど、そんなことに気がつけるのなら、こんな愚痴は溢さないすむだろう。
 そのあいだ、ボクは彼の手入れされていない手をしげしげと眺めていた。これに触られるのは嫌だな、と思う。無骨な手は大好きだ。男らしくてかっこいい。でも、これはそうじゃない。太っているから太いだけ、爪も切り揃えられてない。汚い。
 まあ、仕事だから我慢するのだけれど。

 彼がひとしきり愚痴を言い終わるのをまって、ボクは彼にキスをした。
 経験がないらしい彼は、さっきまでの威勢はどこへやら。一気に挙動不審になる。
 ここで油断してはいけない。多分、こういう手合いは機嫌を損ねると殴ってくる。
 プライドだけはやたら高いタイプだ。ボクは慎重に言葉を選んだ。
 にこにこと微笑み、ご機嫌と好意を装う。
 シャツを脱がせたけれと、異臭がすごい。シャワーに誘導できないかな、と考えた。
 でも、ちょっとそれは危険な気がする。諦めた。首を傾げ、上目づかい。

「気持ちよくしてあげてもいい?」

 *** ***

 ボクはマイクの頭を抱きながら、頭を撫でる。
 べたべたしていて、いい気分ではない。時折、胸を舐められる。ますます不快だ。
 最悪の部類に入るセックスだったな、と思う。
 マイクはやっぱり暴力性の高い男だった。かろうじて殴られることはなかったけれど、
 それは彼が童貞で自分に自信がなかったからだと思う。次やったらその時は手が出てくるだろう。
 現に、腕には強く握られてた痕がついていた。無理な姿勢で抱かれたから、体のあちこちが痛い。
 髪を掴まれてされたのも最悪だし、おまけに精液をかけられた。泣きたい。
 ボクは暴力的な人間は嫌いじゃない。むしろ好きだ。だから、腕を強く握られることも、
 無茶を強いられることも、大概が許せる。だけど、髪を大事にしてくれないなら嫌だ。
 もう次はない。
 お父さんには対してお金を持っていなさそうだと言っておこう。
 そうすれば、お父さんは次からは断るだろうから。お父さんは人あたりだけはいい。
 きっとうまくやるだろう。

 次はいつあえる? と言われ、ボクは適当に答えた。
 どうせ次はないし。

 薄暗い部屋で、お客さんに押しつぶされながらぼんやりと天井を眺める。
 頭の中がぐらぐらして、気分が悪くなってきた。きっと、疲れたからだろう。
 へとへとだ。

「ねえ、ディーンくん。最後にもう一回いいかな」

 言いながら、マイクはボクの頭を撫でた。最悪だった。
 なにが救いたいだ、くそったれ。