meru2408
2026-06-26 18:41:04
8125文字
Public モンギル
 

クラベル(クラウド×ベルナ)

君がまどろむのは



ーーーーーーーー
side:クラウド



「うーん……

ベッドに突っ伏して唸る幼馴染。

………

さっきからブランケットを体に包みながらごろりと寝返りを打っている。時刻は午後4時半。日中依頼や討伐をこなし、いつものように帰ってきたのだが、

「んぅ……
「どうしたの?調子が悪い?」
「別にそんなんじゃないわよ

なんか妙に気だるそうだ。今朝もなかなか起きなかったし。

「どっか痛いとか?」
「それも違う」
「じゃあなんでそんなにぐったりしてるんだよ」

俺はベッドの側に行き腰かける。丸まって寝転ぶその姿はまさしく猫だ。

「なんだか眠いの
「眠い?」

珍しいな、こんな時間に眠気が来るなんて。そっとその頭を撫でるとくふふ、と笑う声がした。……体調が悪いわけではなさそうだ。

「あーそのまま撫でて。寝るから」
「いや今寝ると夜眠れなくなるよ?」
「大丈夫よ

何が大丈夫だというのか。ベルナの大丈夫は信用できない。

「ほら起きて。資料も書いて提出しなきゃ」
「んー……書くわよ……

と言いながらも一向に体を動かす気配はない。

「そんなに眠たいの?」
「んー
「こらベルナ」

仕方なくブランケットごとベルナを抱き起こす。しっかり腰を支えて顔を見合わせるようにしてやると、しぱしぱと目を瞬かせる。

「眠い

そう言ってこてんと俺の首筋に額を落とす。

「なんでそんなに眠いんだよ」
「分かんないわよそんなこと季節の関係じゃないの?」

優しく背中を撫でるとまた嬉しそうに笑い声が聞こえた。

「んふふずっとこうしててほしいわ
「じゃあちゃんと起きていられる?」
「それは分かんないわねー

眠そうな声がくぐもって下から聞こえる。はて、何で今日はこんなにもとろりと眠気があるんだろうか。朝起きるのも俺が早かったし、出かける準備ものろのろとしていてちょっとせっついたくらいだ。

なんか原因があるんだよな?」
「んーそうかもしれないし単に寝不足なだけかもしれない
「いやそれは無いんじゃ

この前の寝不足気絶騒動から、俺はベルナが夜中に起きればベッドに引きずり込む体でいる。なので最近は寝不足にはなりづらいと思うんだけど

「うーん何か……眠気が来るようなこと……、」

ベルナの背中を撫でながら原因を考える。眠気、眠気……、何か体調が悪くなる前兆?体調が悪くなる……
そう考えているとふいに腕の中の体がかくりと傾いた。

「おわ、ちょ、ベルナ!寝るなって!」
「ふぁ……、?」

慌てて抱き直し、ついでにブランケットは意外に邪魔になるのでぽいとベッド上に置く。

「うぅ、さむい……
「俺が暖めてやるから。っていうか寒いの?」
「ちょっとだけねなんか気温低くない?この季節なのに」
「いやまあそれは確かにそうだけど……

夏本番前の時期は雨が降りやすく、気温も乱高下しやすい。なので肌寒い朝晩もあったり、逆に昼間は蒸し暑くなることも多い。……これが原因なのか?

さっきから何変な顔して唸ってるの?」
「お前のこと考えてるんだよ。急に眠気が来るなんて変だろ?」
そうかしら……ふわぁ……

ほら今も現に眠たそうに大きな欠伸をしている。やっぱり季節が関係してるのかな。でもやけになんか引っかかる。もしかして本当に体調が悪くなる前触れなのかもしれない。これはフランシスのところに行ってみるほかないかも。

ちょっと診療所行ってみる?」
は?なんでよ」
「だっておかしいじゃん。そんなに眠気があるならなんか理由があるんだって」
「別にどこもおかしくなってるわけじゃないんだからいいわよフランシスも忙しいし」
「でもなぁ……
「ほらもう寝かせて。30分したら起きるから

そう言って俺をぐいと引き離し、またベッドに転がった。

「本当に30分で起きれるのかよ
「んんーうるさいわね

煩わしそうにブランケットにくるむベルナ。そんな姿も可愛い……じゃなくて。

「うーん体調が………悪くなる?か……

何かどっかで聞いたことあるようなないようなベルナの小さな異変。これって男もなるものかな。

……あ、」

そう思った俺は何かを思いつき、ベッドから離れ、自分の荷物置き場に急ぐ。

「えーっと……あった」

手にしたのは一冊の本。題名は「女性への気づき」。これはこの前フランシスから「ベルナのこともっと分かってあげると更に愛が深くなるわよ~♡」とか言われて押し付けられた本だ。
ぺらぺらとめくると、いろんなことが書いてある。「女性への言動」、「気持ちの察し方」、「表情の読み取り」……など多岐に分かれて説明が書いてある。
うーんこれは目次見た方が早いな。結構分厚い本なので探すのも一苦労だ。というかこれを書いた人って女に対してどう思っていたのだろうか。
目次を見るとさっき見た題名が大きく書かれていた。何か……眠気とかのこと書いてないかな。

……ん?あ、これだ!」

目次の最後あたりに「女性の体調について」と書かれてある。そのページを探している間、ベッドの上は音沙汰無い。
さっきから俺の結構でかい独り言が出ているがそれも咎める声が聞こえてこなかった。これは完全に寝てるな?

「ベルナー?」

……一応呼びかけてみるも返事がない。やっぱり寝てる。早くその眠気の原因の追究をしないと。
床に座り込み、そのページを読んでみる。

「体調……『女性は毎月体調や調子が変化することがあります。その間は生理期間と言って、子供を産む準備期間の半ばで起こるものです』………

……なんか急に恥ずかしくなってきた。え?なんでこんなことも書いてあるんだよ。
それでも今のベルナの状態のヒントにならないかと思い、読み進める。

「『生理前はホルモンバランスというものが乱れやすく、イライラしたり、気分が落ち込んだり、眠気、むくみ、頭痛などの症状が出ることがあります』……?眠気……

月一回の生理期間の時に眠気も……来るのか。

「『特に生理前は眠気が出やすく、体温の上昇により夜が眠りにくく、昼でも眠気がつきやすくなります』……そういうことなのか?」

ベルナは寝不足もあるかもと言っていた。それはもしかして、いや、もしかしなくても夜ベッドで横になったまま起きていたということになるのか
それにしても……

装具してない時もあったけど、ちゃんと生理来るんだな……良かった」

前にフランシス特製の媚薬を飲んでしまい、夜に装具無しで致してしまったことがあった。ベルナに無理をさせてしまった上に、……お腹の中に……

「あーやばい、」

その時を想像して首を思いっきり横に振る。その後も致すことはあったけど、その時のベルナの体とその奥の熱さが忘れられない。
まあでも、本当に良かった。ベルナも俺も、子供はまだいなくていいって、そう決めたんだから。
………本当に生理来るよな?

……ふう」

本をぱたりと閉じる。とりあえず眠気の原因になっているであろうことは分かった。もう少ししたらベルナの生理が始まるかもしれない。
うーん、でもこの眠気をどうにかしないとな
もう一回本を開き直し、さっきの続きを探す。

「ん、眠気を和らげるには……短時間の仮眠と、軽い運動……覚醒作用のあるコーヒーやお茶を飲むといいのか……

短時間の仮眠はもうしている。現に今すやすやと寝入っているベルナの方を見るが……完全にブランケットに潜りこんでいて見えない。

「運動、もしてるしな

ついさっきまで依頼などで忙しなく動いていたので、丁度いい疲れが多分ベルナにも残っているのだろう。
あとはコーヒーか。

「コーヒー……なぁ……

今の気温はだいぶ低くて涼しい。晴れ間が覗いているが割と結構曇っている。そのためなのか過ごしやすい天気だった。
なので別にコーヒーも飲んでいいとは思うんだけど。特段に暑いわけでもないし。

「強引に約束させちゃったしなぁ

夏場は一日二杯まで、という約束を取り付けて以来、ベルナは律儀に二杯までを守っているらしい。まあ暑い日に三杯目を飲もうとしたところを俺に見つかりお仕置きしてしまったからな。
約束させた以上、これでコーヒーいくらでも飲んでもいいよと言うのも気が引ける。
というか三杯も飲むのもどうかと思うけど。

「あ、」

そうか、コーヒーを飲む時間帯を変えればよくないか?ベルナはコーヒーを飲むときいつも午後から飲んでいるような気がする。というか夕方に飲んでいるのをよく見かける。

「だからだな……眠れないのは」

覚醒作用のあるコーヒーは夕方以降は確か飲んでしまうと夜眠りにくいんだったな。もしかしたらそれもあって昼間眠気が来ているのかもしれない。………ん?

「もしかして……

もしかして夜もこっそりコーヒーを飲んでいるんじゃないだろうか。ベルナはああ見えて結構人目を憚るようにして何かをすることが多い。
……起きたら尋問しよう。そんなことをしてたらそりゃ昼に眠気もつくようになる。
あとはお茶か。お茶だったらいいのかも。コーヒーとなんら変わりはないかもしれないけど、利尿作用のあるコーヒーよりお茶の方が断然水分補給にいいってフランシスも言っていた。

「もうちょっと読んどこうかな

これだけじゃ少し心もとない。眠気を和らげるために何か他にも無いだろうか。そう思いながら読み進めていった。







………はぁ。疲れた

読んだ本をぱたりと閉じ、荷物置き場に置く。体調のみならず、他の項目もつい読みふけってしまっていた。なかなかためになる話が多かった分、書いてある内容が多すぎてあまり頭に入っていないかもしれない。というか忘れているかもしれない。
とりあえず、体調不良についてはしっかりと読み込んだので、しばらくは忘れることはないだろう。

……あれ」

ふと時刻を見ると午後5時半前になろうとしているところだった。

「えっベルナ?」

なんとまだ寝ていた。本を読みふけっていた俺も俺だが、30分したら起きるというベルナは速攻約束を反故にして未だ夢の中でいた。

「ベルナー?もう起きてよ」

ベッドの側へ行き、その体を揺さぶる。

「んぁ……?」
「ほら起きて」

くぐもった声がブランケットの中から聞こえてきた。良かった、とりあえず目が覚めたみたいだ。

「んぅ……クラウドぉ?」

もそもそとブランケットを引っ張り、まだ眠たそうにしているベルナが顔を出した。

今なんじ……
「5時半だよ」
「あらまぁ……
「あらまぁじゃないよ。30分したら起きるって話はどこいったんだよ」
「眠すぎて……

目をしぱしぱさせながら眩しそうに起き上がるベルナ。その体を抱きしめると結構熱い。

「え?ベルナ、汗かいてる?」
「んぇ…………んん、熱い……

思わずその額に手をやる。熱があるわけではないようだ。

「ブランケットに潜りこんでるからだよ。この季節なんだからタオルケットにしろって」
「やだぁこれがいいの……
「やだじゃない」

相当お気に召しているブランケット。その端に白い糸でベルナの名前が刺繍してある。
気に入ってくれてるのはありがたいんだけどもうそろそろ季節を考えてほしい。まあこの季節にあげた俺も俺なんだけど。

「はー……まだ眠いんだけど……
「ベルナ。原因が分かったよ、その眠い理由が」
……?」

俺を見るベルナが不思議そうに小首を傾げる。可愛いな。キスしよう。

……んっ、」
「ん、」

その口にかぶりつき、舌を捻じ込む。

「んぅう、」

噛みつく俺を引き離そうと腕を伸ばしてはいるが、寝起きの体では力があまり入らないらしい。

……っぷは、」
「は……その原因はさ、」
「もう!急にしないでよ!」
「うっ、」

ばしっと背中を叩かれる。最近思うんだけど腹じゃなくて背中に打撃を受けることが多くなったな。

「ごめんごめん、可愛すぎてつい」
……ほんっとにあんたは……

尖らせたその唇にもう一回かぶりつきたかったけど、とりあえずベルナに眠気の原因を教えてあげなければ。

それで?何が原因なの?」
「それは………なんか、生理前の症状みたいだって。あの本に書いてあった」
………は?」

「あの本」を指さすとその方向を見る。

……あれ何」
「フランシスから借りたやつ。あれでベルナのこともっと知れってさ」
………

案の定渋い顔をしだしたベルナ。

「またあんたは変なもの借りてきて……
「借りたっていうか押し付けられたんだよ

俺にあの本を押し付けたフランシスの顔が浮かぶ。にこにこと面白そうと思っている笑顔だった。

「あれにさ、女の人の体調のことも書かれていてさ、あったんだよ。急な眠気は生理前に起こるんだって」
………
「その他にもイライラしたりとか、頭痛とか、いろいろ症状があるんだって」

腕の中の渋い顔にそう説明してみせた。

……あなたよくそれに行きついたわね?」
「うーんなんか考えてたらそういえばこの本があったなって」
「それにしてもよ。というかよく読めるわね。……その、生理のこととか」

ちょっと恥ずかしそうに俯いたベルナに俺はきっぱりと言った。

「だってベルナのことはちゃんと知っておきたいもん。体のこととか、心なら尚更」
………

また黙ってしまった。口を閉じられると何考えてるか分かりづらいからなんか言ってほしい。

……はぁ。もし違うってなったら?」
「え?」
「その、眠気のことよ。生理前の症状じゃなかったら何が原因なのか分かるの?」
「生理前の症状だろ?だってもう一か月経つじゃん」
「な……、あんたもしかして
「?」

ベルナは何故かふるりと震えて俺を遠ざけようと躍起になったが抱きしめたい俺はその腕にぎゅっと力を込めた。

「あぅ、」
「なんだよ。もしかして、何?」
……うぅ、私の生理周期、把握してるの……?」

あー……それかぁ……

……今把握しようと思った、けどね」
「う、この変態が!」
「うるさいな。しょうがないじゃんか。お前の体調はちゃんと見ていたいんだから」
「くぅ……

顔を赤くしたベルナは腕の中で悶えている。可愛い。この状態でキスしたらまた平手か鉄拳が飛んでくる。

「というか眠気はもう無い?資料も書きたいけど」
……無いわよ!あんたのせいで!とっくに!」
「だからうるさいってば

きゃんきゃん叫び始めたのでそろそろとベルナを離す。名残惜しいけど。

あ、ねえ」
「何!」
「そんなに怒るなよ。前の生理の時って眠気あったっけ?覚えてない?」

自分の鞄を取りに荷物置き場に行こうとしてふと思い出した。

……あったようななかったような……
「どっちなんだよ」
意識したことないんだから分かんないわよ……いつものことなんだし」

俺から目を逸らすベルナはちょっと気まずそうにしている。

「もー自分のことなんだから意識ぐらいしろよ
「しょうがないでしょ。忙しい時も多いんだからそこまで気が向かないのよ」

ベルナは結構しっかりしてると思ったんだけどなあ。こういうところ、抜けている節がある。

「そんなこと言ってると俺が生理周期管理するよ?いいの?」
……っ、」

ベルナの方に向き直り、その両手をぎゅっと握りしめると、赤くなったその顔がそっぽを向いた。

……好きにすれば!」
「えっいいの?ほんとにするよ?」
「好きにしてって言ってるじゃないの!」

うーん……またベルナからの斜め方向からのデレ。こういうの、恥ずかしくないんだろうか。いや恥ずかしいんだろうな。うん、顔が真っ赤である。

「じゃあするからね?二言は無しだからね?」

握った手をふりふり動かすと握り返された。無言で。肯定の意味らしい。

「可愛いなぁお前は……早速なんだけどさ」
……何」

ちょっと悪い顔をしてみせる。案の定ベルナはひ、と後ずさった。手を握っているから逃げられない。

「な、なに……変なことしようとしてないよね?」
「別にそんなんじゃないって。聞きたいことがあるだけ」

これだけは聞いておかなければならない。さっき起きた時に聞こうと思っていたこと。

「夜中にコーヒー飲んだりとかしてないよね?」

びくり。ベルナの体が大きく跳ねた。

「してるわけないでしょ。さすがに私でも、」
「してるよね?」

だんだんベルナの顔が青ざめていっている。これは正解なようだ。

「ち、ちが、本当に飲んでないってば!」
「三杯目じゃないよね?」
「二杯目までしか飲んでない!」
「ふーん?」
「本当だってば!!信じてよ!」

若干涙目で訴えるベルナは必死に握った手を離そうと抵抗している。一応信じてあげようかな。

「分かった分かった。じゃあ二杯目を夜に飲んでるんだな?」
「そうよ!本当に………あ、」
「なるほど?夜に飲んでるんだ?」
「はぅ………

墓穴を掘ったベルナが体を弛緩させるので、また抱きしめて支えてやる。

……夜に飲むのはやめとこうな。ちなみに何時ぐらいから飲んでる?」
「うぐ………
「ベルナ。俺の言うことを聞いて」

抱きしめていても尋問は続ける。小さく縮こまったその体がちょっと可哀想なくらい震えている。

……11時くらい……
なんでだよ。それもう寝る前じゃん。というか俺の目を盗んで飲んでたの?」

ちょっと怒ってしまうのはベルナが懲りない性格だからだ。でもそんなベルナも好きだから、頭を優しく撫でる。
そうすると少しほっとしたベルナは続きを話し出す。

「あんたがトイレ行ってる時とか……見えないようにキッチンの床に座って飲んだりしてた
それでも俺に見つからずに済んでたのはなんで?………って、」
一気に飲んでたの!じゃないとあんたはすぐ私に構うでしょ!」

俺が認識しないように短時間でがぶ飲みしていたというわけか。コーヒーへの執着凄まじいな。

「そんなにコーヒーが好きなんだなあ
何よ、もしかしてまた嫉妬?コーヒーに?」
「当たり前じゃん」

むすっとした顔が俺を見上げる。

「はぁ……せめて夜じゃなくて朝にしてくれ
「あさ……
「じゃないと夜飲んだら寝付けなくなるうえに昼も眠たくなるだろ?余計に体内時計がおかしくなるじゃん」
「別におかしくなってない」

不貞腐れたように首元に顔を埋めるベルナ。

「それに、生理のこともあるんだから。言っただろ、管理するって。だから朝にしてね?」
「うぅ……私のひと時がぁー
「いや朝にするだけじゃんなに言ってんだよ」
「私のひと時は夜なの!」
「朝にして」
「夜!」
「朝!」

抱き合ったまま二人して睨み合う。傍から見たら痴話喧嘩にでも見えるんだろうか。
このままでは埒があかないのでベルナの脇の下にガッと指先を強めに這わせる。

「わひゃ!?」
「我儘言うならお仕置きするよー?」
「わぅっ、わっ、分かったから!朝にするからっ、指やめてぇ!」
「本当にー?」
「ほんとっ、ほんとだから!もうっ、夜に飲まないから!んふふっ、」

しばらく脇の下をがしがしと這わせると、ようやっとベルナに約束事を取り付けられた。

「はぁ……はぁ
「ちゃんと俺の言うこと聞こうね?」
……うぅぅー……
「ね?」

悔しそうにぶすくれたベルナを覗き込むと、完全に顔を俺の胸に埋めてしまった。

……よし、これから忙しくなるぞ。