hanayasiki
2026-06-25 00:20:49
1125文字
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ニョタリツォさんがいない世界線のバッドエンドかも…みたいなSS

なんか…こんなかんじ…という妄想をしてたらSSになってた…なかなか暗いご注意

髪を切った。可愛い服もぜんぶしまい込んだ。
ダイヤと恋人でいることは、辞めた。
やっぱりそれは正しくないことだと思うし、なによりダイヤに迷惑をかけることだから。
女の子になる努力はしたけれど、ボクの体質には合わなかった。毎日体が辛くて、心も不安定で、それでもボクが苦しいだけなら耐えきれたと思う。
でも、そんなボクを見るダイヤが、ダイヤこそが辛そうで、ボクは、ボクの我儘でダイヤを苦しめてしまうことが、無理だった。本当に、無理だった。
女の子になれないのなら、ボクは本来の性別を受け入れるしかない。だけど、それならダイヤとは別れたかった。そうじゃないと、ダイヤが他の子と結婚できないから。
でも、別れを切り出したらまた大喧嘩になるのは明白だった。ボクだってダイヤと離れ離れになりたいわけじゃない。そんなのはボクだって嫌だ。息子としてそばにいること、それだったら世間だっておかしくは思わないはずだ。きっと、許してくれるはずだ。
だからボクは心の中でダイヤとお別れすることにした。恋人関係の一方的な終了だ。
ダイヤには言わない。言わなければわからない。
ダイヤは結婚ごっこをしてくれた。二人だけ。他の人はだれも知らない結婚式。指輪の交換をして、キスをした。それだけだったけど、それだけで人生で一番幸せな日となった。
もらった指輪はつけていない。眺めるたびに嬉しくて涙が出てくるけど、それでも我慢する。
勘繰られてダイヤが世間に悪く言われることはもう嫌だった。困ったことは、ダイヤは指輪をつけてくれているということ。これじゃ、既婚だと思われて他のまともな子が寄ってこない。
ダイヤは多分、まだボクを恋人だと思ってくれている。でも、関係性は随分健全になったと思う。
ダイヤは元々ボクにそういう関係を求めていないし、ボクから求めることはやめたから。
浮気は疑いようもないだろう。ダイヤの束縛は以前よりずっとずっときつくなってボクの生活でダイヤが知らないことはない。ただ、ボクの胸のうちだけは、ダイヤにだってのぞけないから。
ちゃんと上手に、息子を演じよう。今度こそ失敗しないように。
それでも、伸びてきてきた髪をダイヤが愛しそうに撫でてくれる度に心が揺らぐ。
「そろそろ結けるようになるな」
そういって、嬉しそうに髪をキスをされるたびに泣きそうになる。もう絶対に似合わないのに。ボクの身体に長い髪は不釣り合いで、そのギャップはこの先にどんどん大きくなって、ボクはまた絶対に無理になってしまうから、やめたいのに。
髪を撫で梳かす指の優しさが、どうしても愛おしくて、恋しくて。ボクの髪は伸びていく。また、過ちを繰り返している。
ボクはもう、無理かもしれない。