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花月ゆき
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ゆる赤安ドロライ
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第40回お題「寝相」
赤安は恋人同士。
ライバボ時代と秀零期のお話。
※過去捏造あり。
赤井が降谷の寝ている姿を初めて見たのは、出逢ってまだ間もない頃。
互いに“本当の名”も知らず、『ライ』『バーボン』と呼び合っていた頃のことだ。
任務のために前日に移動して泊まったホテルの一室。彼はセミダブルのベッドの上で、壁に身体をあずけるようにして座ったまま、目を閉じていた。
「横にならないのか」
「任務が終わるまでは、安心して横になんてなれませんよ」
セキュリティは頑丈なホテルだ。仮に襲撃に遭ったとしても、身体を起こして逃げ出すくらいの余裕はある。
本当に危険な任務であれば、交代で睡眠時間を取るなどの対処が必要だ。しかし、今回の任務は比較的、安全性が担保されている。自分たちの顔は取引相手に知られていないし、そもそも任務の遂行は明日だ。
もしや、自分を警戒しているのだろうか。
赤井は隣のベッドに横になった。時間が経てば、彼もいずれ横になるだろう。そう思い、目を閉じた。
窓の外から雨の音が聞こえて、夜中の二時過ぎに赤井は一度目を覚ました。彼は隣のベッドで座ったままだった。赤井は起き上がり、彼にそっと近づいた。
規則正しく彼の肩が上下している。項垂れているので彼の表情はよく見えないが、眠っていることは確かだ。
赤井は彼の両肩に手をかけ、彼の身体を静かに横に倒した。彼は少し眉を寄せたものの、されるがままベッドの上に仰向けになる。
赤井はどきりとした。あどけない子どものような表情をしていながら、その無防備な姿にはどこか色気がある。
このまま彼の姿を見ているのは気が引けて、赤井は再び自分のベッドへと戻った。
それからずっと、赤井は眠れなかった。早朝、彼が慌てたように身体を起こす気配を背後に感じながら、赤井はふっと小さく笑った。
そして、今。
降谷は同じベッドの上にいる。彼は背を丸めるようにして、横向きになって眠っていた。
眠っているうちにこちらへ擦り寄ってくるのが、最近の彼の寝相だ。
もう少し大きいベッドを買った方がいいだろうか。いや、今の方が彼と密着できていいのかもしれない。
そんな自問自答を繰り返しながら、すぐ目の前にある彼の寝顔を見る。彼はすぅすぅと可愛らしい寝息を立てて眠っている。
降谷の頬にそっと触れると、彼はさらにこちらへ身体を寄せた。
赤井は感動していた。
あの彼が、こんなに安心しきった顔をして、自分の隣で眠っている。
そして、朝になれば、自分の腕の中で目を覚まし、どこか恥ずかしそうに微笑むのだろう。
朝が来るのを待ち遠しく思いながら、赤井は目を閉じた。
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