2026-06-19 19:14:29
1069文字
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待宵

👁️‍🗨️☂️
出張から帰ってこない👁️‍🗨️からの連絡を待つ☂️
チョーカー関連の話を読む前に書いたものです

 ボスが出張に出て早二週間。いってきますもなければ、いつ帰るとの伝言もない。そもそも、人繋縄を持たないボスとの連絡手段はあちらからの連絡を待つのみ。あの人は、待たされる人間の気持ちが解らないのか、定期的に放置されるこっちの身にもなって欲しい。
今回もいつ帰るかわからない恋人にイライラしながら煙草を吸いだせば、いつの間にか灰皿はいっぱいになりため息が溢れた。

「受付を灰まみれにするの辞めてくれる?」
電話の前に座るセミュに咎められるも、煙草を吸う手と口は止まらない。口寂しいと言うのは悔しいので、今日は疲れてるんだよと適当なことを言ってやり過ごす。
「ここで煙草吸って待ってること自体バレバレなのよ。ボスが帰って来ないからって、私のそばでイライラするのやめなさい」
言い返す言葉もなく、吸っていた煙草を灰皿へと押し付け消した。俺たちの関係を知る限られた人の1人がセミュだ。つい、セミュの前では素が出てしまう。
「ボスから連絡は?」
「ないわよ」
「もう二週間放置だぞ。イライラもするだろ」
「わかってて付き合ってるんでしょ。諦めなさい」
「でもよぉ〜」
机に突っ伏して唸れば、電話が鳴り秒で受話器を取るセミュ。微かに漏れ聞こえる声から、それがボスからの連絡だとわかる。電話じゃなくて人繋縄付けてさえくれたら、ここまでイライラしねえんだけど?恋人からの連絡が待ち遠しくて受付に居座ってるなんて言ったら、ボスはどんな顔するんだろうな。きっと、ニヤリと笑ってボスの思う壺だ。

「エンジン代われって」
セミュから受話器を受け取り耳に当てれば、低くて落ち着く待っていた声が流れ込んでくる。
『やはり、いたね。待たせて悪いね』
「悪いと思うなら、早く帰ってこい」
『ふふっ、明日の夜には帰るよ。僕の部屋で待っていなさい』
「へいへい」
単調なやり取りをしセミュへ受話器を返せば、自分の頬がニヤけるのがわかり、それを見せない様に力を込めた。会えるとわかっただけでニヤけるとか、俺はお子ちゃまか。いつだって、会える時間が取れるだけで嬉しいと思ってしまう俺は単純だ。
受話器を切ったセミュに、邪魔したなと言って立ち上がる。満タンになった灰皿は、俺がどれだけボスを思っているかの具現化の様だなと思うと、少し恥ずかしくなる。灰皿を持ち受付を後にすれば、浮き足だった気持ちが足取りを軽くした。

明日の夜は、俺が搾り取ってやると誓うが、俺の方が鳴かされることになる話はまた今度な。今日はご機嫌な一日を過ごせそうだと、結局にやける顔を我慢できなかった。