三毛田
2026-06-18 22:20:25
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92 【92/永遠の迷路】

92日目
そこから逃れるための君

 何故星核を宿す羽目になったのか。
 どうしてカフカは俺に言霊を向け、あそこに放置したのか。など。
 一度考え始めると、まるで永遠とも思える迷路に迷い込んだみたいで。
 理由を説明されても、理解はしても納得できるかと聞かれたらそこは難しく。
「でも、まあ、アレがなかったら丹恒たちと出会わなかったんだよなぁ」
 運命の悪戯なのか、そうなる宿命だったのか。内容も知らない脚本通りに進むのは、癪だけど。
「丹恒先生。今日はマッサージお願いしてもいい?」
 資料室へ赴き、おねだりすると作業していた手を止めてこちらを見る。
「嫌な事でもあったのか」
「そういうわけじゃないけど、考えすぎてもやもやしてるから気分転換に」
「構わない」
「ちょっと汗臭いかもしれないから、お風呂に入ってくる。出たら呼ぶから、そしたらお願いします」
「わかった。いや。リラックスできるように、香を焚きたい。確か、霊砂から送られたものがあったはずだろう? どうした」
「うーん……他の人の贈り物と一緒にしまったと思う」
「そうか。反れなば、俺が探しておく」
 ギョッとして丹恒を見ると、
「なんだ。文句でもあるのか? それとも、見られたら困るものでも?」
「ナンデモナイデス」
 エッチな本もないし、他に見られたら困るものもないけど、何となく嫌だなって。
 はっ。これが、母親に部屋を勝手に掃除されて、キレる思春期の男児の気持ち!?
「お前、また変なことを考えてるだろう」
 丹恒から呆れた視線を向けられたので、慌てて否定する。
「変な事じゃないってば! 探してもいいけど、贈り物の山だけだからね」
「分かっている。お前のようなことはしない」
「俺のようなことって何!?」
 キーッ! って地団駄を踏むと、優しい視線を向けられた。そういうところ! 好きだけど!!
 お風呂に入って出てくると、優しい香りが部屋に広がっていて。
 優しくて落ち着くその香りに、ふらふらと丹恒の元へ。
「こら」
 抱き着いて頬ずりしていると、怒られた。むぅ。
「オイルを使う。防水シートを敷いてあるから、そこに横になれ」
「はーい」
 オイルなら、どうせまたお風呂に入るんだからと全裸で寝転がる。
「んっ」
「痛くはないか?」
「気持ちいい……
 痛すぎず、だからといって弱いわけでもない。ちょうどいい塩梅で。
「流石丹恒先生……
 思考の永遠の迷路に囚われそうになって、彼に会いたくなって。そして今に至る。
「お前の力になれたのなら、俺も嬉しい」
 くぅ~。流石俺の恋人!