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三毛田
2026-06-15 21:10:03
1077文字
Public
1000字7
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89 【89/その件は保留で】
89日目
多分そのまま忘れられる
「好きです! 結婚を前提にお付き合いの前に友人から始めてください!!」
サクッとクッキーか何かの砕ける音が静寂に広がるラウンジに、大きく響く。
「お前とは友人だと思っていたが
……
違うのか」
「違わない! でも、こういうのは大事って言うから」
友人だけじゃ我慢できなくなった、俺を許してくれ。いや。許さなくてもいいけど。
「その件は、保留でいいだろうか。ああ、友人であることはそのまま続けていこう」
「はい!」
俺が元気に答えると、またサクッと咀嚼する音。
空気を読まない咀嚼音の元をたどると、可愛らしピンク。
「アンタたち、毎日やってるけど飽きないの?」
「毎日なんてやってないだろ!」
呆れたような表情のなのが、サクサクとクッキーを食べている。
「三月」
「なに?」
「余計な事を言うな。こじれる」
「えー?」
丹恒は何でそんなことを言うのだろうか。
「俺の事、可愛くない?」
「可愛い、可愛くないは今は関係ない」
顎の下に拳を持っていき、上目遣いに丹恒を見るけれどちょっと視線が冷たい。
でも、そんなところも好きだ。
まあ、なのに対してよりかは態度が軟化してるからいいかな。
「なの! 俺の分のクッキーをちゃんと残しておいてくれよ!」
「あるじゃん」
「もう半分しかない!!」
「オマエらうるさいぞ」
追加のスイーツを持って来てくれたパムが、呆れた表情で俺たちを見て。
「これは俺が半分貰いますぅ」
「お子様すぎ」
「なのがいっぱい食べるのが悪いんですよ~だ」
べーっと舌を出して、取り皿に取り分けるとそっと手が伸びてきて。
「丹恒!」
「俺の分を食べればいい。それと、この味はお前は食べられない」
「へ?」
半分に割られたそれを見ると、口の中に苦みが広がっていく色味。
「ありがとうございます」
「礼には及ばない」
ああもう! 本当好き!
丹恒に感謝しつつ、新しく補充されたスイーツを食べる。
食べている時は、なのとのちょっとした喧嘩も一時休戦。
「ご馳走様でした。パム、今日も美味しかったです」
「ああ。いつもありがとう」
「美味しかったよ!」
俺たち三人が感謝の気持ちを伝えると、パムは恥ずかしそうに耳で顔を隠してしまう。
ぐう。俺でもこの可愛さには勝てない。
「じゃあ、丹恒先生」
「何だ改まって」
「俺の部屋で話し合いましょう。ね?」
肩を掴んで告げると、観念したのか素直に俺に手を引かれて歩く。
「じゃあ、俺の勝ちということで」
「別に勝負なんかしてないでしょ!」
と、なのに怒られたが知らん。
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