古都子
2026-06-15 00:59:47
1726文字
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旅人記録Ⅰ ハルとジェードの資産管理規約


旅人記録Ⅰ


ハルとジェードの資産管理規約


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概要


本資料は、
地図師ハルと怪異学者ジェードが旅を共にする上で運用している資産管理規約を
記録したものである。

両者は性格も金銭感覚も大きく異なる。

ハル
浪費家。

ジェード
倹約家。

普通であれば旅は長続きしない。

しかし実際には、
両者は八年以上に渡って共同生活を継続している。

その理由の一つが、
本規約である。

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第一章


三財布制度


ハルとジェードは、
旅の資産を三つに分けて管理している。

第一財布


ハル個人資産


主な収入

  • 地図販売
  • 地図写本料
  • 個人依頼
  • その他個人収入

使用権限

ハルのみ。

ジェードは原則として干渉しない。

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第二財布


ジェード個人資産


主な収入

  • 著作料
  • 写本料
  • 研究情報提供料
  • 講演料
  • その他個人収入

使用権限

ジェードのみ。

ハルは原則として干渉しない。

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第三財布


共有財産


主な収入

  • 冒険者ギルド依頼報酬
  • 共同調査報酬
  • 共同業務収入

両者共有。

ただし、
単独での使用は禁止。

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第二章


共有財産の運用


共有財産を使用する場合、
必ず相談を行う。



  • 食料の補充
  • 野営用品の購入
  • 共同装備の修理
  • 渡航費用

どちらか一方による独断使用は禁止。

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第三章


旅人としての共通認識


ハルは浪費家である。

ジェードもそれを理解している。

しかし、
ハルは共有財産に手を出さない。

その一点において、
ジェードはハルを信用している。

逆に、
ジェードも共有財産を私的利用しない。

そのため、
第三財布だけは長年安定して運用されている。

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第四章


教育費負債について


ハルには借金が存在する。

正式名称
教育費負債

俗称
ジェードへの借金

発生理由

文字教育
一般教養
天路学基礎
怪異知識
旅人としての基礎教育
その他諸経費

これらをジェードが立て替えたためである。

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第五章


返済規定


重要事項として、
教育費負債は共有財産から差し引かれない。

あくまで

ハル個人の負債

として扱われる。

そのため返済原資は、
ハル個人資産のみ。

共有財産の流用は禁止。

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第六章


現在の返済状況


極めて遅い。

非常に遅い。

亀より遅い。

ジェード談。

しかし、
返済は継続している。

ハル自身も、
借金の存在を忘れてはいない。

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第七章


制度化の試み


ジェードは過去に、
返済制度の厳格化を検討した。

しかし。

ハル

浪費する

ハル

反省する

ハル

また浪費する

を繰り返したため、
半ば断念している。

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第八章


両者の認識


ジェード
「絶対返せ」

ハル
「分かってるって」

このやり取りは長年続いている。

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第九章


借金の意味


この借金は、
単なる金銭債務ではない。

教わったことへの責任。

受け取った知識への対価。

旅人として生きるための基盤。

そうした意味合いも含まれている。

そのためジェードは、
返済免除を行わない。

ハルも、
踏み倒そうとは考えていない。

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第十章


観察記録


興味深いことに、
両者とも相手の個人資産には干渉しない。

ハル
「ジェードの金」

ジェード
「ハルの金」

という認識が徹底されている。

一方で、
共有財産については異常なほど慎重である。

結果として、
浪費家と守銭奴という極端な組み合わせにも関わらず、
長期間の共同生活が成立している。

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付記


ハルは時折、
借金完済後の人生設計について語る。

その内容は、
高確率で浪費を前提としている。

そのため、
ジェードは頭を抱えることが多い。

なお、
本資料執筆時点において、
完済の見込みは立っていない。

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旅人記録編纂委員会

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