はね
2026-06-13 21:47:57
595文字
Public novel
 

No More Excuses②

以前描いたNo More Excusesの続き。
漫画にできないまま月日が経ったので短文で続きにしました

「そういうところが好きなんです」

ヘルメットを脱ぎ、素顔で息子に別れを告げたディンを思い浮かべる。あれから何度も思い出しその度にルークの胸を揺さぶる光景。

グローグーの選択は結局ルーク自身の望みであったのかも知れない。父と子の時間という自分が失ったものを2人に託し、もう思い残すことはないはずなのに。
ルークはこれまで反芻してきた言い訳をつい衝動的にディンにぶつけた。

「貴方には一番大切なものがあるから、僕のものにはならない。所有しなければ、失うこともない。ということは執着は生じないということです」
あっけらかんと言うルークを見つめて、綺麗な笑顔だ、とディンは思う。最初に会ったときの静かな凄みは身を潜め、ずっと若者らしくどこか危なっかしい気配さえして目が離せない。
「予防線が必要か。不自由そうだな、ジェダイ」
答える必要もないのについ口走ってしまったことに少し動揺する。ルークは一瞬真顔になりかけて、しかしいたずらっぽく言い返してきた。
「ははっ、セックスするのにヘルメットも脱げないマンダロリアンに不自由だなんて言われたくないな」

確かに。ディンは我ながら不思議と愉快な気持ちになり小さく笑った。
だがその場限りの雑な情事しかしてこなかった自分が、完全に裸になりしかも同じベッドで誰かと眠ったのは今日が初めてだと言ったら、この青年はどんな顔をするだろうと考える。