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三毛田
2026-06-13 18:53:34
1061文字
Public
1000字7
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87 【87/春風に乗せて】
87日目
君と二人歩く
柔らかな風が頬を撫でる。
まだ少し肌寒いけれど、暖かい日が増えてきた。
「こう、感じる風で季節が変わってきたなってわかるようになったよな~」
「そうだな。冬の風は、肌を刺すようなものだ。だから、春に近づき柔らかく温かな風になると安心するな」
ストールを巻き直しながら、丹恒はふわりとほほ笑む。
うん。マフラーをしている姿も素敵だったけど、薄いストールだとまた雰囲気とか印象が変わるな。
「穹?」
「冬だと、くっついて歩いては丹恒に怒られていたのもいい思い出だったなって」
「今なら、手を繋ぐぐらいなら許すが」
「お願いします!」
頭を下げながら手を差し出すと、そっと握ってくれて。
もうスキップで家まで帰りたい気分だけど、それだと丹恒がついてこれないから我慢我慢。
二人でゆっくり歩きながら、帰路を行く。
「丹恒、花咲いてる!」
「咲いているな」
「春になって来たなぁ」
「貰っても、飾る場所はないからな」
しゃがみ込んで花を摘もうとしたら、止められた。残念。
「じゃあ、花屋で買って渡すのは?」
「
……
考えておこう」
「うん」
こういうちょっと曖昧だけど完全に否定しない返事を、彼はよくする。でも、拒絶されないからホッとする。
「ただいまー」
「ただいま」
帰ってきたら、靴をちゃんと揃える。帰宅の挨拶はしっかりする。ということを、ここに来る前に教え込まれた。
丹恒も似たようなものだったのか、同じように靴を揃えて帰宅の挨拶。
「おかえり。今日はシュークリームを作ってみたんじゃ。クッキーシュー、パイシュー、抹茶、チョコのほかに何種類かあるぞ」
「シュークリーム!」
リビングを通っていたら、パムがポテポテと俺たちの前にやってきてそう告げて。
「着替えたら食べる!」
「紅茶とコーヒーどっちがいいんじゃ?」
「俺紅茶! ミルクたっぷり!」
「俺はカフェオレで頼む」
「うむ。用意しておこう」
飲み物とかセッティングとかはパムに任せ、部屋に行って荷物を置き、着替えて。手洗いうがいも済ませてリビングに戻る。
「一口シューの盛り合わせも作れるが、どっちがよい?」
「うーん
……
夕飯のことを考えると、少しずつのがいいか?」
「そうだな。味につき、一人一つは食べられるのであれば明日や夕飯後に回せばいい」
と、二人でパムを見ると。
「一応、味につき一人二つずつは食べられる計算じゃ」
「じゃあ、今はカスタードと抹茶がいいな」
「俺は、チョコとカスタードを」
パムが頷き二人並んでおやつの時間。
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