たくとろ
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#rylkweek2606 Day5「式場バイト」

ロイリコ結婚しろ!!

 またまたライジングボルテッカーズの財布が寂しくなってきた。というわけで、リコとロイとマードックは結婚式場でのバイトを行うことになった。マードックは厨房・パティシエとして、リコとロイはホールスタッフとして雇われ、今日から研修開始だ。
 黒を基調とした制服に着替えたリコとロイは式場のスタッフから礼儀作法や料理を運ぶ時の姿勢、結婚式での言葉遣いなどを学ぶ。覚えることは多いものの、二人は飲み込みが早く、初日の間にある程度こなせるようになった。
 休憩時間に入って、リコとロイは体を伸ばす。休憩が終わったら、一週間後の式のシミュレーションが待っている。
「まだ練習しただけなのに、すごく緊張したよ……
「うん。フォーマルな服だし、結婚式場って来るの初めてだからつい緊張しちゃうな」
「リコと一緒でよかったよ。一人ならもっと緊張してたなあ」
「私もロイがいてくれてよかった。一緒にいると安心するよ」
 二人は互いの顔を見て静かに笑った。話を聞いていたマスカーニャが後ろからリコの首に腕を回して肩に頭を置く。
「マスカーニャもありがとう。一緒に頑張ろうね」
「ラウドボーン、待たせちゃってごめんな。何かさせてあげたいけど……
「ボウ……
 ロイはラウドボーンの顎を撫でる。隣からタイカイデンも顔を見せ、ロイは彼の頭も撫でる。リコのポケモンたちやルカリオは料理を運ぶお手伝いができるので一緒に仕事を教わっているが、ラウドボーンとタイカイデンはそれが難しいので待機している。
 どうにかならないものかと考えていると、ラウドボーンは歌い始めた。タイカイデンとルカリオも一緒に歌い始めた。ロイも歌おうと口を開いたところ、先輩スタッフの女性が休憩室に入ってきた。
「ふふふ、なんだか声が聞こえてくると思ったら、楽しそうですね」
「あ、ごめんなさい。うるさかったですか?」
「いいえ。とっても素敵な歌でしたよ。そうだ! せっかくだから披露宴で歌ってみるのはどうかしら!」
「え! いいんですか!?」
「もちろん、新郎新婦様や他のスタッフと相談してからにはなるけれど、披露宴でパフォーマンスをすれば、きっと皆様楽しんでくださると思います」
「みんな、やってみよう!」
 ラウドボーンたちは大きく体を広げて返事をした。
 それからリコとロイ、ポケモンたちは仕事を覚えつつ、式で行うパフォーマンスの準備を進めた。パフォーマンスに出演するのはラウドボーン、タイカイデン、ルカリオ、マスカーニャの四匹。ラウドボーンの歌、マスカーニャのマジック、タイカイデンの飛行を活かしたルカリオと共同のダイナミックアクション、それらをかけ合わせた壮大なパフォーマンスだ。
 あっという間に一週間が過ぎ、ついに結婚式本番当日となった。
 すっかり作法や言葉遣いが身についたリコとロイは式に訪れたゲストたちにお辞儀をしながら、丁寧に料理を運ぶ。時折、顔を合わせては二人はこっそり視線を送って微笑む。
 新郎新婦の入場後しばらくして、誓いの言葉が始まった。互いに愛し続けることを誓い、新郎が新婦に唇を重ねた。リコはその瞬間に目を輝かせていた。
 式は滞りなく進み、あっという間に披露宴となった。新郎新婦から改めて挨拶があってから、ラウドボーンたちのパフォーマンスが始まる。
「それでは、これより当式場からのお祝いのパフォーマンスを始めさせていただきます!」
「いくよ、みんな」
 ロイの静かなかけ声にポケモンたちが頷く。そして、ラウドボーンが歌い始めた。いつもよりも穏やかで神聖な響き。優しい歌声に乗せられた火の鳥は会場全体を鮮やかに舞い、ゲストたちの視線を惹きつけた。そしてラウドボーンの元に戻ってくると、マスカーニャにスポットライトが当たり、指を鳴らした。頭上でトリックフラワーが爆発し、その緑の煙の中からタイカイデンが飛び出した。
「カァァァァイ!!」
 そのかけ声と共に、ラウドボーンが今度はアップテンポな歌を歌い始めた。タイカイデンは室内を飛び回り、天井に飾り付けられた小さなライトに電気で光を灯していく。そして、ルカリオが大きく飛び跳ねてタイカイデンの足を掴むと、二匹は大きく一回転。上に投げ出されたルカリオが空中でラスターカノンを散らす。マスカーニャが再び指を鳴らすと、散らしたラスターカノンが花の輪に変わった。その間を火の鳥やタイカイデンがくぐっていく。花の輪はラウドボーンたちの方へ向いて並んで、最後に集まったみんなで決めポーズ。ゲストたちから大きな拍手が送られた。



 その後、無事に披露宴は終了し、後片付けまで済ませてリコとロイのバイトも終わりとなった。披露宴ではマードックが作ったウェディングケーキが振る舞われ、大好評を受けていた。
 マードックはまだ少しかかるということで、リコとロイは先に飛行船に戻ることになった。
「結婚式スゴかったねー!」
「うん。新郎新婦さん、とっても幸せそうだった! 私もいつかあんな風に式を挙げられるかな」
「リコの結婚式か……その時は絶対呼んでね!」
「もちろん! って、まだ相手もいないけど……
 リコは少しロイの方を向いて様子を伺う。ロイは何も考えていない時の笑顔で、リコは安心するのになぜか少しがっかりもしている。
「パフォーマンスも無事に終わってよかった! ラウドボーンたちも楽しそうだったし!」
「またこういうのしたいね」
「いつか僕とリコの結婚式の時にしようよ!」
「ロイ、その言い方だと……
「ん?」
……なんでもない」
 ほんとにロイがそういう意味で言ってたらいいのに。なんて少し思わないでもないリコだった。