三毛田
2026-06-09 22:27:39
1080文字
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83 【83/気合いで何とかすればいい】

83日目
大抵のことは何とかなる!

「よし!」
 丹恒の入力スピードには追いつけないけれど、俺のできる範囲で入力していく。
「ふう」
 何とかなった。ランキングは常に変動するけど、これなら上位に食い込めそうだ。
 とはいえ、慢心するのもよくないので、もう一回もっと集中して入力していく。
「ん~……
「もういいのか?」
「うわっ。びっくりしたぁ」
「すまない。少し前から着ていたのだが、お前が集中していたから声をかけるのを憚れてな」
 声をかけられて、驚いて振り返ると丹恒がいて。
 こういう時に、何も言わずにそっと様子を見てくれているのが彼の優しさで。その優しさに甘えている自覚はある。うん。
「気合で何とか出来るものだったから、つい」
「いや。集中しているお前の横顔を見るのが好きだから、それだけで楽しめた」
 口元に手を持っていき、ちょっとだけ照れくさそうに。
 可愛すぎ!!
「丹恒!」
「ど、どうした」
「今すぐ抱きしめていいか!?」
「お、お前が抱きしめたいのであれば」
 両手を広げ、俺が抱きしめるのを待っていて。
 そういうところが可愛いんだよ!
「えいっ」
 遠慮なく抱き着くと、一瞬だけ驚きに身を固くする。
「疲れた体に丹恒が染み渡る……
「言っている意味がよくわからないんだが……
「あんまり深く考えなくていいぞ」
「そうか」
 俺の言葉に頷き、抱きしめ返してくれて。
 丹恒、本当好き!
「ちゅーしていい?」
「水分補給をちゃんとしたらだな」
「はーい」
 彼に言われるまで、集中しすぎて全く水分補給をしていなかったのを思い出した。
 ゆっくり水分補給をしていたら、優しく頭を撫でられる。
「いい子だ」
「ふへへへへ」
 丹恒は俺がきちん言ったことをできると、こうやって頭を撫でてくれるし優しく褒めてくれる。最高だよ。
「ママぁ」
「残念だが、ママじゃない」
「そうだよな! 俺の恋人だもんな」
 胸に顔を埋めて深呼吸していたら、頭を掴まれた。徐々に力が入ってきたので、慌てて離れれば。
「ご、ごめん」
「そうだな」
「はい」
 胸に顔を埋めるのは嫌じゃないようだが、深呼吸するのは駄目らしい。
「食事は?」
「これから!」
 言うと同時に、クゥと腹が音を立てる。
「ふっ」
「笑うなよ」
 むすっとした表情で抗議すると、
「そんなことだろうと思って、食事も持って来てある。食べるか?」
「食べます! あ、でも」
「でも?」
「一品だけ食べさせてほしいなぁって。駄目か?」
 問いかけると、食事の乗ったトレーを持って来て。丸いものをフォークに刺し俺の口元へ。