山口/しまね
2026-06-09 22:10:26
1107文字
Public ンズイル
 

6/21 CC福岡新刊予定 『六〇〇歳素人童貞フリンズ君と耳年増イルーガの話』 3


「でっ……いや、フリンズさんの体格なら当然か」

 スラックスの前をくつろげ、下着をずりおろす。まだ半勃ちの状態でもイルーガの倍は大きな陰茎にごくりと生唾を飲んだ。薄い下生えは髪よりも色が濃く綺麗に整えられている。自分の一向に生えてこない下腹部を思い出し、顔を左右に振った。

「えっと、失礼します」

 イルーガが押し倒したまま寝転んでいたフリンズが腹筋の力で起き上がりじっとイルーガを見下ろしてくる。妙な緊張感と人の性器を前にしてイルーガは一瞬思考が止まった。

「イルーガ坊ちゃま?」

 ズボンの後ろポケットには絶対に使うようにと事づけられて貰ってきたスキンが入っている。自分でも一度つけてみたが完全に勃起させないと難しい。

「だっ、大丈夫です……!触りますね」

 手のひらに容器から移したローションを纏わせて体温を移してから触れる。無感動そうな黄色い瞳が観察する様に見下ろしてきて、首の後ろにじっとりと汗をかいた。

「イルーガ、何を」

「立たせたら被せて入れるだけ、立たせたら被せて入れるだけ……僕に任せてください!」

 後半は、ほとんど悲鳴のようになってしまった言い聞かせるような言葉にフリンズが困ったように微笑んでイルーガの肩に手を添えた。

 ぬちゃり、と音を立ててフリンズの陰茎から手が離れる。どくどくと耳の後ろで血の流れる音がしてイルーガは俯いた。

 独り相撲だ。押し倒したときは高揚していた気持ちがどんどんしぼんでいって、フリンズの意思を無視していたことに思い至る。

「何をしたいのか、教えていただけますか」

 優し気に頬を撫でられたが、目を合わせることができずに俯いたまま唇を噛んだ。

「君と、セックスをしたくて」

 長い指がぴくりと反応し、頬を撫でていた指先がそっと添えられたまま動かなくなったことに気付かないままイルーガはさらに肩を落とした。

「フリンズさんはずっと優しくて、僕の事を好きだと言ってくれますけど、僕から君に返せるものがないんです」

 指先からぽたりとローションが落ちてイルーガの膝を濡らした。

「イルーガ」

「僕に魅力が無くても穴はあります!たくさん勉強してきたので、フリンズさんはいっぱい気持ちよくなってくださいね」

 しょぼくれていても仕方がない。フリンズが咎めないのをいいことにイルーガはもう一度手のひらにローションを出そうとして、ボトルを持っている手を長い指が優しく包み込んだ。

「事情は分かりました。ですが、性交と言うのは二人のコミュニケーションではないでしょうか。あなたを一方的に搾取するつもりは僕にはありませんから」