たくとろ
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#rylkweek2606 Day1 「バトルカフェ」

思ったより長くなってしまい、初日からこれで毎日いけるか怪しいですね()

「いらっしゃいませー! ……あ!」
 お店に入ってきたリコとロイを見るや否や、ウェイトレスがバニプッチに合図した。バニプッチは入り口の天井めがけてこなゆきを放った。すると周りにいたペロッパフたちがようせいのかぜを作り出して、リコとロイの周りに渦巻かせる。
「え?え?」
「な、なんだ?」
 散り散りになったこなゆきは風に乗り、鮮やかに二人を囲んだ。動揺していた彼らも、その光景にうっとりとして目を輝かせ、ラウドボーンとマスカーニャもはしゃぎ出した。
 美しい輝きに目を奪われていると突然ポンッポンッと大きな音が鳴って、紙吹雪が散っている。いつの間にか集まっていたウェイトレスとウェイターたちがクラッカーを鳴らしたのだ。
「おめでとうございます! お二人は記念すべき当店一万組目のカップルです!」
「カップル?」
「わ、私たちそういうのじゃ……!」
「さあ! お席へご案内します! 一万組目のカップル様には特別なコースをご用意しておりますので、お楽しみください!」
 ウェイトレスはリコとロイの言葉を聞かず、笑顔で歩いていく。ひとまずついていくと、いかにもカップル向けなハート型のテーブルに案内された。隣にはバトルコートがある。
「ふふふ、それでは早速特別コースのご案内を……
「あの、僕らカップルじゃ……
「隠すことありませんよ〜! どこからどう見ても素敵なお似合いの二人じゃないですか!」
「お、おお、お、お似合い!?」
「僕たちほんとに……
「まあまあそう言わずに! では、説明を始めさせていただきます!」
 困り顔でロイはリコの方を見た。するとリコは一層顔を赤くして俯き縮こまる。仕方ないし説明を聞こう。ロイは諦めてウェイトレスの方に顔を向けた。
「当店はバトルカフェ! スタッフとのバトルに三回勝利したお客様には特別なメニューを召し上がっていただけるのですが……一万組目のカップル様には、さらに豪華な特別メニューをご用意しております!」
「どんなメニューなんですか?」
「それはチャレンジ成功してからのお楽しみです! 今回はお二人でマルチバトルに挑戦していただきます! しかし通常より少し手強いバトルとなっていますので、頑張ってくださいね!」
「手強いバトルか……楽しみだね、リコ!」
「うん。頑張ろう、ロイ」
 マスカーニャとラウドボーンもやる気は十分。さらにバトルと聞いて、ルカリオたちも飛び出してきた。
 バトルコートに立つと、二人組のウェイターとウェイトレスがやってきた。
「第一戦のお相手を務めさせていただきます。デリバード!」
「ランプラー!」
 二匹は飛び出すと共に、リコたちに向かってお辞儀をした。
「デリバードにランプラー……よし、タイカイデンいくよ!」
「じゃあこっちはグレンアルマ! お願い!」
「それでは……バトル始め!!」
「タイカイデン! デリバードにつつく!」
 先手をとってロイが指示を出すと、タイカイデンはデリバードめがけて一直線に飛んでいく。
「させません! デリバード、プレゼントです」
「プレゼント?」
「デリデリ〜デイ!」
 デリバードは尻尾から何かを取り出して、タイカイデンの方に投げつけた。
「あれって……
「ケーキ?」
 タイカイデンは思わず口を開き、ケーキを入れてしまった。すると、顔をすぼめてその場で羽ばたきながら、ぺっぺとケーキを吐き出そうとしている。
「当店のパティシエお手製のバツグンにすっぱいケーキです。どうやら好みじゃなかったようですね」
「隙だらけです。ランプラー! シャドーボール!」
 黒い影の塊が体にぶつかり、タイカイデンは地面に落ちた。悔しい表情でデリバードたちを見る。
「グレンアルマ! ほのおのうずでデリバードを包んで!」
 腕から放出した炎がデリバードを襲う……かと思われたが、炎はランプラーの方へと吸い寄せられていく。
「もしかして……もらいび……!」
「ほのおタイプの技は全てランプラーの力にします!」
「デリバード、今度はグレンアルマにプレゼントです」
「グレンアルマ! 口開けちゃダメ!」
 両手を交差させて、グレンアルマは口を覆う。するとデリバードは、尻尾からホイップクリームを投げつけた。クリームはグレンアルマの目について、視界を奪った。
「そこです! シャドーボール!」
「させない! タイカイデン、エレキボールだ!」
 ランプラーが撃ち出した黒い弾に、電撃の弾がぶつかって爆発した。爆風が広がる間にタイカイデンはロイの元に戻り、グレンアルマはクリームを払った。
「このままじゃ攻撃できない……
「どうしたら……
 爆風と共に生まれた黒煙が晴れていく。デリバードはまた尻尾を触ってプレゼントの準備をしている。ケーキを食べれば苦手な味で動きを止められ、口を塞いでもクリームで視界を奪われる。
「視界を……そうだ! ロイ!」
「! 分かった! タイカイデン、さわぐ!」
 リコの目を見たロイは、すぐさま指示を出した。タイカイデンが叫ぶと、デリバードは耳を塞いで動きを止めた。
「えんまく!」
 グレンアルマは腕から黒い煙を大量に放出する。バトルコート全体が覆われて小さなデリバードとランプラーは周りが見えなくなった。
「くっ……どこから……
「さあタイカイデン! もっともっと……! よし、今だ! ランプラーにサンダーダイブ!」
「なっ!? 上!?」
 空を飛び回り、電気を全身に纏ったタイカイデンが黒煙を突き抜けて、ランプラーへと急降下していく。攻撃は急所に当たり、ランプラーは戦闘不能になった。
「グレンアルマ! アーマーキャノン!」
 黒煙の中でグレンアルマの両腕が光り輝く。発射された火球はかわす間もなくデリバードに激突した。デリバードも戦闘不能になった。
「そこまで! 勝者、お客様!」
「やったねロイ!」
「ああ! この調子で次も勝とう!」
「お見事でした」
「でも、次は私たちよりももっと強いですよ〜頑張ってくださいね」
 次にバトルコートにやってきたのはパティシエの二人だ。繰り出したのはメレシーとマシェードだ。対するリコとロイは、ブリムオンとルカリオで挑む。
「ロイ、今度はちょっと様子を見よう」
「そうだね。どんな技を使ってくるか、しっかり見て動こう」
「動かないのでしたらこちらから。マシェード、ルカリオにキノコのほうし!」
 マシェードが頭をぶんぶん振ると、胞子が飛んでいく。ルカリオは何か分からずキョロキョロ辺りを見る。しばらくして胞子を吸い込み、眠ってしまった。
「ルカリオ!?」
「寝ちゃった……
「メレシー、パワージェム!」
「ブリムオン! サイコカッターで防いで!」
 ルカリオに飛んできた宝石の光を念力の刃で切り落とした。さらにブリムオンの体が輝き出した。その光はルカリオを包み、目覚めさせた。
「いやしのこころ!」
「ありがとうブリムオン! 反撃だ! ルカリオ、メレシーにメタルクロー!」
 爪を強固に尖らせてルカリオは駆け出した。飛び上がってメレシーに迫る。
「メレシー、リフレクター!」
 空中に障壁が生まれ、ルカリオの攻撃を受け止める。
「ルカリオ! 気合いだ!」
 腕により力を込め、ルカリオはリフレクターを粉砕した。そのままメレシーに攻撃を喰らわせ、吹っ飛ばした。
「いいぞルカリオ!」
「これは手強いですね。ではマシェード、ちからをすいとる」
 マシェードはルカリオに近づいて指先を当てた。するとルカリオから精気が奪われ、たちまち元気を無くしていく。
「授業で習ったことがある……確か、攻撃力を奪って体力を回復する技だよ」
「厄介な技だ……
「私たちに任せて。ブリムオン! サイコカッター!」
 マシェードは飛んできた刃をジャンプしてかわす。
「惜しい……!」
「リコ」
 ロイと目を合わせる。そして同時に頷いた。
「ブリムオン、いやしのはどう」
 波動を受けたルカリオは元気を取り戻して立ち上がった。
「ルカリオ! メレシーにメタルクロー!」
「リフレクター!」
 再びの局面。するとリコとロイは口角を上げた。
「ブリムオン、マシェードをねんりきで捕まえて!」
 マシェードの動きが止まり、何もできない状態になった。
「そのままメレシーにぶつけて!」
「なんと!?」
 ブリムオンが顔を振ると、マシェードの体はメレシーに叩きつけられた。ぶつかった二匹はフィールドを転がって倒れ込む。
「今だ! ルカリオ、ラスターカノン!」
 転がる二匹に、鋼鉄の光線が迫る。攻撃を受けた二匹は戦闘不能となった。
「そこまで! 勝者、お客様!」
「ふう……ちょっと危なかったね」
「うん。でも、これであと一勝だ!」
「見事な技でした」
「最後の勝負もお楽しみください」
 第三戦。最後にコートに来たのはスーツの男性とコートに身を包んだ女性だ。
「私はこのバトルカフェのオーナーです。こちらは妻。ここまで勝ち上がるお客様がいるとは……とても喜ばしいです」
「最後も楽しい勝負としましょう」
「はい!」
 オーナー夫妻はオスとメスのイエッサンを繰り出した。リコとロイはマスカーニャとラウドボーンだ。
「イエッサン……どんな技を」
「イエッサン、めいそう!」
 二匹は息を合わせて能力を高める。さらに、妻が続けて指示を出す。
「サイコフィールド!」
 バトルコートが不思議な空間に包まれ、イエッサンに有利な環境となった。
「ワイドフォース!」
「ラウドボーン、受け止めろ!」
 オスのイエッサンのサイコパワーが高まり、ラウドボーンにぶつけられる。サイコフィールドによって威力が高まった攻撃は絶大な威力。ラウドボーンの体が大きく後ろへと押し込まれた。
「なんてパワーだ……
「ロイ、ここはマスカーニャが前に出るよ。エスパータイプの技なら効かない」
「頼んだ」
「マスカーニャ、アクロバット!」
 跳躍を繰り返してマスカーニャはメスのイエッサンに迫る。
「ふふふ、惜しいですわ。みわくのボイスを聴かせてあげて!」
 イエッサンは天使のようにかわいらしい歌声をマスカーニャに浴びせる。こうかはバツグン。マスカーニャは身動きを封じられた。
「歌には歌だ! ラウドボーン、フレアソング!」
 炎の歌声はイエッサンに直撃して、みわくのボイスを止めた。しかし。
「あんまり効いてない!?」
「めいそうでとくぼうが上がってるんだ……でも、隙は生まれた。マスカーニャ! トリックフラワー!」
 マスカーニャが指を鳴らした途端に、花爆弾がイエッサンたちを取り囲んだ。次々に爆発してイエッサンたちの体力を削る。
「ラウドボーン! もっともっと歌おう! フレアソング!」
 ラウドボーンは何度も歌い、炎を次々に撃ち出す。花爆弾に触れて爆発を広げ、イエッサンたちが動く隙を無くしていく。
「これは……
「歌う度にとくこうが上がって威力が増してますわね」
「イエッサン! 耐え凌ぐのです!」
「ラウドボーン、もっとだ!」
「マスカーニャ、あと少しだよ!」
 二匹は大きく声を上げて技を放つ。すると巨大な花爆弾が出現し、火の鳥も周囲の炎を集めて大きく翼を広げた。
「いっけえええええ!!」
 リコとロイの声が重なり、マスカーニャとラウドボーンの技がぶつかった。その瞬間、コート上で大爆発が発生した。その勢いは凄まじく、技を放ったマスカーニャたちにも迫る。
 煙が晴れると、二匹のイエッサンは倒れ、マスカーニャだけが立ち続けていた。その足元ではラウドボーンが足を広げて倒れている。
「そこまで! 勝者、お客様!」
「ラウドボーン! 大丈夫か?」
「マスカーニャのこと庇ってくれたんだね。ありがとう」
「お客様、勝利おめでとうございます! 最後はとても激しい攻撃でしたね! お二人の息もピッタリで、一万組目に相応しいカップル様でした!」
「だ、だから私たちそういうのじゃ……!」
「あはは……とりあえずみんなお疲れ様」
 しばらくしてリコたちの元にスイーツが運ばれてきた。ハート型のクッキーに、アップルタルト、さらに……
「あの……これは……
「こちら、お二人で飲んでいただくジュースとなっております! 一本のストローで仲も深まりますよ!」
「あ、ありがとうございます……
「では! ごゆっくりどうぞ!」
 ウェイトレスが去った後、リコとロイは顔を見合わせた。
「飲んでみる?」
……うん」
「じゃあ……一緒に」
 おそるおそる、二人はストローに口をつけた。必然的に顔が近くなって、おでこが触れ合いそうなくらいだ。
 顔を赤くする二人に対して、ポケモンたちはニコニコと笑顔でスイーツを味わっている。どれも絶品の美味しさだ。
 最後にチェキを撮って、リコとロイは店を出た。背景もフレームもラブラブカップルな感じで、リコは相変わらず顔が赤い。けれど、写真に映るロイの顔と、隣を歩くロイの顔を見て、少し微笑んだ。帰ったら大事に飾ろうと決めて、チェキを胸にそっと当てた。