Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
せつが
Public
Clear cache
きっと、澄みわたる夏空よりも
野球部伊織に脳を焼かれたぽんきちの産物。ポストまとめおぼえがき。なので骨組みだけ。
ろくすっぽ野球知らないで書いています。
ああ、それはもう、どうしようもない……と、眩しげに白球を見送る伊織が書きたくてやった。
バッターとピッチャーの二刀流。二天一流だけに。左打席でもあり、メジャーのあの方をパロっているのだと思いました。
タイトルはパロ。
マウンドの土は夏の陽射しを受け熱を持っていた。
靴底からそれが伝わってくる。
伊織は汗の伝う額を拭った。
甲子園最終回スコアボード二対一。
あとひとりで夏が終わる。
そのひとりが、打席へ向かって歩いてくる。
大和健。
伊織の背後2塁には、先の打席で背負った走者が、ホームへと帰る機会をうかがっている。
打たれれば逆転サヨナラ。守りきれば優勝だ。
肌を刺す空気の中、伊織はマウンドに立っていた。
大和は打席に入るとスパイクで土をならし、軽くバットを振った。その動きひとつひとつを伊織は知っている。
同じユニフォームを着ていたころからずっと見ていた相手。進学でわかれてから三年。この三年、追いかけてきた相手。
大和が構えた。
塁は空いている。歩かせる手もある。凡打で詰まらせ抑える術もある。
だが、それでは立ち行かぬと思った。
彼を相手に策で勝ったとて、伊織はそれを、生涯忘れることができないだろう。
だから。
伊織は見る。
取らねばならぬ。彼から、ヤマトタケルから三振を。
一球、二球とカウントが進み、いよいよというところで、伊織は捕手のサインに首を振った。一度ならず二度。
勝つためならそれでいい、それが正しい。そんなことは理解している。
伊織が望んだ球種に、捕手が目を瞠ったのが見えた。
諦めた捕手がミットを構えたところで、上体を起こしつつ心の内で謝罪する。
……
我ながら修羅じみている。
だがこれしかなかった。バッターボックスから微塵も揺らがぬ構えのまま、ひたと見据えてくるヤマトを前に、伊織からいくつもの候補が消えた。
最後に残ったのはただひとつ。
空をきらせる。
これしか、選びようがなかったのだ。
振りかぶる。左足が上がり、すべての音が消える。腕がしなり、食いしばる奥歯に負荷がかかる。掌中にある縫い目の感触が、指先から離れてゆく。
きぃぃん
——
よく知った、硬く、どこまでも透明な金属音。
これまで幾百、幾千と握り、投げ放ってきた硬球は、その音とともに、伊織の手の届かぬところへと飛んでゆく。
高く、高く高く、夏空に弧を描いてボールは遠くなってゆく。
静まり返っていたスタンドから、地鳴りのような歓声が湧き上がる。メガホンが激しく打ち鳴らされ、球場が揺れるよう。
逆転サヨナラ! 優勝! そんな言葉が、夏よりも熱いスタンドに満ちていた。
なのに、伊織の耳には聞こえなかった。
嵐のような歓声の中、伊織が耳にしたのは、きぃんというひとつの音だった。
その音だけが、いつまでも耳奥で響いている。
ヤマトの打った白球を、マウンドに立った伊織は見送っていた。
腕を下ろすことも、膝をつくこともなく、バックスクリーンへと吸い込まれ見えなくなるまで、ずっと。
という伊さんの夏だったとさ。
おしまい。
このあと伊はチムメンにもみくちゃ歓迎されるせばとですね、目が合うかもしれないし合わないかもしれない。
リトル→リトルの上の中学のやつ、までは一緒で、高校進学でそれぞれ別の強豪校へ、かなーと考えていますが、これに整合性があるかはわからん。
帰り際、引き上げる伊に向かってヤマトが「野球をやめるな!」って遠くから大声で呼びかけるわけですよ。
ほんで数年後、メジャーでふたりは同チームになって、今度は同じ勝利へと向かうっていうわけ。
ヤマトとの対決ですっきりした伊くんは、夢は一度でいいなって、チームとしての勝利を選べる男になる。
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内