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ne🌟
2026-06-08 12:05:16
2329文字
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🥷🥚
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ここだけの話 2
高諸
同じタイトル、違うテーマで書きたいと思った第二弾。前作とは話のつながりはありません。
なんとなく、ミュ、の終わった直後みたいな時間軸。
「やっとタソガレドキに帰れる
…
」
忍術学園での数日を終えた私は、やっと住み慣れた場所に帰れることに安堵の息を吐いた。
いつもの如く組頭のきまぐれで、私は数日間忍術学園で職員の一人として働かされていた。
命に関わる忍務ではないが、気心知れた人が一人もいない空間での生活は、気が休まるわけもなく。
迎えにきてくれた高坂さんのおかげで、ようやく安心できる場所に帰ってこれたんだと実感が湧いてきた。
早く長屋に帰って自分の部屋で思いっきり羽を伸ばしたい。来た時より軽い足取りで歩いていると、前を歩いていた高坂さんが突然足を止めた。
「あれ、高坂さん?どうされました」
振り返った高坂さんは、じぃっと私を見てるだけで何にも言わない。とりあえずすぐそばまで近寄ってから止まると、突然両手が軽くなった。
「え?!あの、」
「少し寄り道をする」
それだけ言うと私の荷物を持ったまま、高坂さんは本来の道から逸れて、違う道に進み始めた。
もしかして忍術学園まで来てくれたのって、忍務のついでだったりするのかな。てっきり迎えに来てくれたんだと思ってたのに。
ちょっとだけがっかりしたけど、これも忍軍らしい。苦笑いを浮かべながら引き続き高坂さんの後をついて歩いた。
「高坂さん、寄り道ってどんな忍務ですか?私刀くらいしか持ってないですよ?」
寄り道について高坂さんは教えてくれない。忍務だからかと矢羽音を使って聞いても無視された。
きっと普通の人ならこの一連の無視で心が折れてしまうだろうが、私は違う。
なんたって私は高坂さんの1番の後輩だから。
無視するものの、高坂さんの機嫌が悪くないことがわかっているから、私は変に落ち込んだりビビることはない。
高坂さんが返事をしないと言うことは、そこまで重要じゃないか、行けばわかると言うことだ。
まぁだからといって一方的に話すのが寂しくないわけじゃないんだけど。せっかく一緒に歩いてるんだから、相槌くらいしてくれれば良いのに。
心の中で私を無視する高坂さんに文句を垂れてると、ふと、甘い匂いが鼻をくすぐる。
あれ、この匂いって──。
「ついた」
「ここって、団子屋、ですか?」
たどり着いたのは団子屋だった。
少し前に新しくできて美味しいと評判の店。噂を聞いてずっと高坂さんに行きたいと強請っていたけど休みが合わなくて行けていなかった店。
はて、今日はここで聞き込み調査なのだろうか。
「なに突っ立てる。早く好きな団子を選べ」
忍び装束のままどうやって聞き込みをしようか考えてたら、目の前にメニューを差し出された。
びっくりして受け取りながら高坂さんの顔と交互に見比べる。
この人今、なんて言った。好きな団子を選べ?忍務はどうしたんだろう。
「えーっと、おすすめのこれと、みたらしと、あんこ
…
」
適当に目についたものを指差せば、高坂さんはそうか、と言って店員を呼び止めた。
二言、三言話したと思うと、私が選んだ団子を二本ずつ、土産用に包んでもらっていた。
あれ?もしかして団子を買いに来ただけ?
高坂さんの行動が意味不明で見守っていると、片手に団子、片手に私の荷物を持った高坂さんが戻ってきた。
「帰るぞ」
「あ、はい。団子、ありがとうございます」
団子の小さな包みを受け取りながら礼を言えば、ん、と短い返事がやっと返ってきた。
これって帰ったら食べていいってことなのかな。
今度こそタソガレドキに向けて歩き始めた高坂さんの背中を見ながら、私はぼうっとそんな事を考えていた。
「おっ!尊奈門おかえり〜!」
やっと帰ってきた我が家、ついた途端に懐かしい声が名前を呼んだ。声の聞こえた方に顔を向けると、予想通り椎良さんがそこにいた。
「椎良さん!」
「元気そうだな。
……
ん〜?高坂ぁ!やーっと機嫌治ったんだな」
じぃっと高坂さんの顔を見つめた椎良さんはニカっと気持ちのいい笑顔を作った。よかったよかったとケラケラ笑い出すと、その機嫌のまま、高坂さんの背中を思いっきり叩き始めた。
「よかったな〜!可愛い後輩が帰ってきて」
椎良さんが手を動かすたび、バシバシと乾いた音が聞こえる。高坂さんの背中を叩く音だ。
そんなことしたらせっかくの機嫌が暴落しちゃう!私はハラハラしながら見守ることしかできない。
あぁほら、眉間の皺がくっきり濃くなっている。どうやって椎良さんを止めようか考えていると、急に椎良さんが私に笑いかけてきた。
「ここだけのはなし、こいつ、お前がいない間、ずっと不機嫌だったんだぜ」
え、っと高坂さんに目を向ける。
ムスッとしたままの高坂さんはばつが悪そうな顔をして椎良さんに拳骨をお見舞いした。痛がる椎良さんがあたまを抑えて蹲ってしまったが、私は高坂さんを見上げたまま動けなかった。
もしかして、帰りに団子屋に寄ってくれたのは不器用なこの人なりのおかえりの気持ちで、高坂さんも早く私に帰ってきて欲しかったのかな。
私は忍術学園にいる間ずっと寂しかったけど、もしかして高坂さんも同じだったのかな。
そうだったら、いいな。思えば思うほど嬉しさで顔がどんどんニヤけてくる。
「その顔はなんだ、調子に乗るなよ」
「高坂さんってば、素直じゃないんだから〜!」
怒った顔した高坂さんがほっぺをつねってきた。思ったよりも普通に痛いけど、それが照れ隠しだとわかっているから全然へっちゃらだ。
「ただいま、高坂さん」
ほっぺをつままれたまま高坂さんの顔を見上げる。高坂さんはムスッとした表情のまま、耳を真っ赤にしながら口を開いた。
「
……
おかえり」
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