三毛田
2026-06-05 22:42:23
1079文字
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79 【79/嵐のように吹き荒れて】

79日目
嫉妬だと知る



 イライラというか、ムカムカするというか。
 簡単には説明出来ない、複雑な感情。
「うう……
 ただただ丹恒が、情報収集のために街の人と話をしていただけ。相手が女性だった。ただそれだけ。
 それだけなのに、心がざわざわして。
「丹恒……
「どうした。こら。外から帰って来たばかりで汚いからやめろ」
 腹にしがみついて顔を押し付けたら、剥がされた。
 砂埃とかで汚いっていうのは理解できるから、渋々離れる。
「そんなに一緒に居たいのか?」
「居たい」
「そうだな。これからなら空いている。共に風呂に入るか」
「うん」
 丹恒の腕にしがみついたまま、俺の部屋へ。
 丹恒に服を脱がしてもらい、俺も彼の服を脱がして。
 互いの体や髪を洗い合い、俺と丹恒お互いが妥協できる温度にしてゆっくり浸かる。
「穹。大丈夫か」
「大丈夫じゃない」
「何があった」
「丹恒が、女の人と話してたの見たら、胸がムカムカした。あとちょっとイライラもした」
「そうか」
 淡々と答えているくせに、ちょっとだけ嬉しそうで。何でだよ。
「丹恒?」
 俺の胸の中は、嵐のように吹き荒れているのに何で丹恒は嬉しそうにしてるんだよ。意味わかんない。
「穹?」
「俺は本気で悩んでるのにさぁ」
 丹恒の胸に顔を押し付けて、不満そうに唇を曲げれば。
「お前に人間らしい感情が芽生えているのが嬉しくてな」
「なんなんだよぉ」
「嫉妬だな」
 濡れたのれお上を優しく撫でつけ、額にキス。
 嫉妬。嫉妬ねぇ。
「俺も嫉妬するんかぁ」
「健全でいいことだな」
「丹恒は嫉妬しないんか?」
「さあ、どうだろうな」
 なんて誤魔化すように。また俺の額にキス。
 こうなったら、丹恒を嫉妬させてやる!
 と、決心したはいいけれど。
「大丈夫か?」
 さっさと出てしまった丹恒とは違い、色々と考えすぎてしまった結果、のぼせてしまい。
 バスローブにくるまれて、氷が入った袋を腋の下や首、太腿に当てられてストローで水分を摂らされて。
「滅茶苦茶情けない……
「情けなくても、俺はお前が好きだ」
「俺も丹恒好き……
 とはいえ、世話をされている間抜けな状態だ。
「ちゃんと全部飲むこと」
「はぁい」
 ストローでゆっくり全部飲み、丹恒に膝枕をされてボーっと天井を眺めることしか出来ない。
「嫉妬って、多分難しいことなんだろうなぁ」
「嫉妬は疲れるから、できるだけ止めた方がいい」
「まるでしたことあるような、言い方だな」
「お前は人を引き付ける男だ。俺だって、これでも心中穏やかじゃない時が多々ある」