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彼色結び
てーふぇす2026の等身テュキが持ってるロウリンぬいぐるみ
アスタリアの猫カフェ衣装の時といい、今回といい、毎度リンちゃんの尻尾に彼色(紫)のリボンが結ばれているのはもうそういう事で良いんですね?というかここまできたらリンちゃんが自分で選んで結んでる説……
「君にお土産だ」
普段着とは打って変わってガラシャツに白のズボンとラフさの中に夏をも感じる服装に身を包んだテュオハリムから差し出されたのはそこそこにサイズ感がある袋。たかがお土産にわざわざラッピングを依頼したのかご丁寧に結び口にリボンが添えられていて大将らしさを感じてしまった。
「まじ?やった~!!」
なんだろう?わくわくとした気持ちで袋を受け取る。重さはー
……
このサイズ感にしては軽い。大将の事だからその地域では有名なよく分からない遺物関連のものとかだと思ったりもしたがこの重さならその可能性はなさそうだ。なら食べ物とか?軽いし
……
お菓子とか?
期待に胸を弾ませリボンを解き、中身を取り出す。
「
……
ぬいぐるみ」
「可愛らしいだろう?それに君にどことなく面影を感じてしまってね」
袋から出てきたのはピンとした耳をした猫
……
いや、狼?のぬいぐるみ。大将の言う通り、確かに毛色や瞳の色が自身と似通う部分はあるけど
……
。
話を聞けばどうやらテイフェスに参加する前日の日、キサラと共に猫カフェに出向いたそうでそこで見つけたのがこのぬいぐるみだったらしい。そして直感でロウへのお土産はこれだ、と大将の中で速攻で決まったと。
(だとしても、男にぬいぐるみ
……
かぁ)
これが女の子へのプレゼントなら喜ばれるとは思う。リンウェルとかナザミルとか特に喜びそうじゃん?でも俺は男だし?俺がぬいぐるみを持つようなタイプに大将には見えてんのか?
……
いや、大将の事だからそう見えていたとしても変じゃない。なんだってあの独特な感性をお持ちのテュオハリム・イルルケリス様だ。
なんとも言えない感情で自身を模したかのようなぬいぐるみをジッと見つめるロウを余所目にテュオハリムはペラペラと話を続けている。
「どうだろう、お気に召して頂けただろうか?」
「
……
へ?あ、あぁ!超気に入った!流石大将!!」
そんな期待の満ちた目で感想を問われて、「いやーあんまり
……
」だなんて返せる人間がいる訳ないだろ。それに大将のこの感じから大将が本気で良かれと思って買ってきた事が十分に伝わってくる。それに嬉しいのは本当だ。こうやって留守番だった俺にお土産をわざわざ用意してくれたのだから。ただ、ぬいぐるみか~
……
引き攣った笑顔を浮かべながらロウは大げさにも思えるほど嬉しそうな様子を見せた。
「ぬいぐるみ
……
ねぇ」
「なーに、見てんの?」
大将と別れ、一人ぬいぐるみを手に歩いていたロウの背中からグイッと何かの気配が近づく。チラリと顔を横に向ければ思ってたよりも近い距離に見覚えのある金色の蝶の形をした髪留めが目に留まった。
「そのぬいぐるみ
……
」
「大将からお土産で貰ったんだよ。俺に似てるんだってよ、どう?似てる?」
そういってぬいぐるみを自身の顔の横に持っていく。リンウェルはぬいぐるみとロウを交互に見た後、ふふっと小さく笑みを零し、「そっくり」と呟くと「じゃあ、ロウにも質問」とリンウェルは後ろ手に持っていたものを同じように自身の顔の横に持っていく。
「えっ」
リンウェルの顔の横に並んだぬいぐるみ。それは今自分が手にしてるぬいぐるみと作りがそっくりで。
琥珀色の瞳に彼女のトレードマークとも言える先程目に留まった金色の蝶の髪留めらしきものも付いている。手の内にあるぬいぐるみがロウにそっくりなら、今目の前に見えるぬいぐるみはリンウェルにそっくりだった。
「どう?似てる?」
「に、似てる
……
つーか、それ!」
「私もキサラからお土産で貰ったんだ~!」
どうやら大将はキサラと一緒にお土産を買ったらしい。そう言えば一緒に猫カフェに行ったって言ってたしな。同じお店で買ったんだから作りが似てるも何も同じなわけだ。
「凄いよね、私とロウに似てる猫ちゃんぬいぐるみがあるなんて。でもロウのはどっちかというと狼なのか?私の猫ちゃんぬいぐるみよりも耳がピンってなってる」
「どうだろうな?猫カフェで買ったって言ってたから俺のも猫なんじゃね?」
二つのぬいぐるみを並べながら改めて見比べてみる。こうして見ると面白い具合に似ているな。
……
待てよ、これってリンウェルとお揃いって事になんね?
見た目はそれぞれ自身を模したような姿をしているが同じお店で売っていた商品という事もあってかどことなくお揃い感も感じてーー。
そう思うと一気にぬいぐるみへの愛おしさが溢れてくる。自分でも思う、俺って単純だなって。男にぬいぐるみ~?とか思ってすまん、大将!そしてありがとう!!
「ロウのやつもよく見せて!」
はいっと代わりにリンウェルぬいを手元に渡される。自身のぬいぐるみよりもこっちの方が若干フォルムが丸い感じなんだなぁ。へぇ~。目もデカ。でもこいつも目大きいし、やっぱ見れば見るほど似てる
……
ん?
まじまじとリンウェル似のぬいぐるみを観察してると、ふとある部分に目が留まった。
「リンウェルの奴には尻尾にリボンがついてるんだな」
リンウェル似のぬいぐるみには尻尾の先にちょこんと結ばれている紫色のリボン、だがロウ似のぬいぐるみの尻尾には何も結ばれていない。男だからか?でも偶然自分達に似てたってだけでそもそもぬいぐるみに性別とかあんのか?
なんでだろうな?、そう思ってリンウェルに聞こうと彼女の方へ顔を向ければーー。
「えっ」
何故だか恥ずかしそうに顔を俯き、動揺した様子を見せるリンウェルが居た。照れ隠しに持っているロウ似のぬいぐるみをぎゅっと握っているせいで形が凄い事になってしまっている。潰されているのはぬいぐるみなのに似てるせいか自身が潰されているように思えてきてキュッと心臓が痛む。
「リ、リンウェルさん?ぬいぐるみ、すげー事になってるから!!」
「こ、これはその
……
落とした時とかの目印で付けておこうって
……
!!別にロウがとかそういうんじゃ
……
!!」
握り潰されている可哀想な俺(ぬいぐるみ)に口元を埋めながら話してるせいで最後の方は何を言ってるのかよく聞き取れなかったけど、どうやらこのリボンは元々付いていた訳ではなく、リンウェルが自分のものという目印で付けたものらしい。
「そう言えば、前に猫カフェの手伝いしてた時のリンウェルもこんな感じで尻尾の部分に紫のリボン付けてたよな!そう思うと本当にこのぬいぐるみそっくりー
……
」
「だ、だから別にロウは関係ないんだからね!!!!」
「へ!?ちょ、リンウェル!?」
突然顔を真っ赤にしながらそう言い捨てるとリンウェルは逃げるようにその場を去ってしまった。つーか俺のぬいぐるみ持ってっちまったし
……
。
「俺、変な事言った?」
リボンの話をしただけなんだけど
……
。
リンウェル似のぬいぐるみに問いかけるが当然答えが返ってくるはずもなく。
そんなロウを嘲笑うかのように紫リボンが結ばれた尻尾がゆらりと揺れた。
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