マックスが俺の手を取りながら俺を見詰める。文章にするとB級映画みたいだ。だけど主語がマックスになるだけでSSR、だからこいつが隣にいる人生は俺以外大爆死。
陸軍仕様の腕を本当の意味でオモチャみたいに弄ぶのはマックスだけだ。たまにべたべた触ってくる女とか金持ちとかいるけど、それは全部勘違い。俺がそいつらに力を振るわないっていう勘違い。だからちょっと俺が実力行使しようとすると、暴走サイボーグだと喚く。勿論不正解。本当は暴走なんかせずに俺が正確に制御した出力でそいつらに暴力を振るっただけ。俺の力加減は正しく、いつだってマックスに優しい。これはマックスのお墨付き。だから俺に小突かれて吹っ飛んだなら、間違いなく俺の故意。
だからマックスが俺の腕を好き勝手できるのは俺の恋。
馬鹿なことも大真面目に言える。
「カートの腕はいつも俺を守ってくれるから、カートは俺のナイトだね。」
「今日はお姫様の気分なん?」
俺にとっちゃ、いつそうあってくれても良い。
「あー、そっか。騎士と姫。じゃー、ガーディアン?」
「……んだよ。俺んこと騎士にして、マックスが色々ワガママ言ってくれんじゃねーの。」
「カートこそそう言う気分なんじゃん?」
マックスはそう笑うが、正直ガーディアンの字面の方が惹かれる。かっけーわ。ナイトは妹の方が好きそう。
けどマックスが言うなら。うーん、僅差でナイトが良いな。取り敢えず今回は。
「今回は騎士で、次の時にまた変なイメプレしようとしてる?」
「……別に変じゃねーべ。」
「えー?」
「とりま跪いて良い?」
「なにそれー?」
「俺のこと侍らしてよ、お姫様。」
「えー?……良いよ。」
笑うマックスは、そうは言ってもいつも付き合ってくれる。
ひょっとしたら、力の加減次第ではマックスをどうにでもできる腕を、この男にオモチャみたいにしてほしいと俺がそう思っているから、そうしてくれているのかもしれない。
マックスの足下に膝を突いてしゃがみ、絶景を見上げる。
自分に降り注ぐ明るい視線。流星みたいだ。落ちて来たら絶対受け止めるから、俺に全部くれ。
飼い犬だったら今撫でてもらえるだろうか。でもまあそれもまた別の機会に。というか犬や何かの役じゃなくてもそうしてもらえば良い。しかし、この景色が、マックスが世界の全てだと思ってしまうなら、やっぱり飼い犬の思考なのかもしれない。
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